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囀る鳥は羽ばたかない 6巻 感想

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私は今のところ6巻が一番矢代の百目鬼への想いが溢れていると思います。物語はひとまずの区切りがつき、7巻へと続いていきます。
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2022年9月の記事一覧

「囀る鳥は羽ばたかない」 6巻巻末描き下ろし 飛ぶ鳥は言葉を持たない

飛ぶ鳥は言葉を持たない  わずか10ページの巻末描き下ろしに込められた意味は深い。  この中で、七原は矢代について物語のキーポイントとなる発言をする。  矢代との関わりをなくしたくない百目鬼は、これからも極道の世界で生きることを決意するのだった。  怪我の治療を終えた矢代は、百目鬼のことを忘れた振りをして、関係を断ち切ると決めた。  矢代のセリフが嘘だとわかっていても、七原と杉本は黙って顔を見合わせるだけだ。  七原は百目鬼を病院の屋上に呼び出す。  青空の下、久しぶ

「囀る鳥は羽ばたかない」 6巻 第35話

第35話   この回で「平田の乱」が決着し、物語には一旦区切りがつく。  私は、矢代が退院前日に百目鬼の顔を一目見ようと病室に向かうシーンが大好きだ。  忘れた振りまでして百目鬼との別れを選んだくせに、やっぱり好きだから自分から会いに行ってしまう。  この矛盾が矢代らしいなと思う。 矢代に撃たれた後、百目鬼は…  物語の時間は、第33話の終わりまで巻き戻る。  額に銃口を突き付けられた百目鬼は、 と覚悟を決めて、矢代の前に跪いている。  倉庫に響く銃声。  矢代が

「囀る鳥は羽ばたかない」 6巻 第34話 

第34話  第46話を読むまで、第34話は私にとって最大の問題回だった。  私はこの回を読むといつも胸が苦しくなる。  だから、第34話の考察・感想は私にとって最もハードルが高く、個人的な体調不良もあってなかなか書き始めることができなかった。 矢代と平田の最後の対決  矢代は、甘栗たちを使って平田から奪った金塊を三角に届けさせる。  どうせ平田の裏金、隠し財産なのだから、甘栗たちにある程度取り分を与えて、残りは自分のものにしてもよさそうなのに(おそらくほかのヤクザならそ