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囀る鳥は羽ばたかない 6巻 感想

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私は今のところ6巻が一番矢代の百目鬼への想いが溢れていると思います。物語はひとまずの区切りがつき、7巻へと続いていきます。
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2022年4月の記事一覧

「囀る鳥は羽ばたかない」 6巻第32話 巷に雨の降るごとく

 5巻第23話~25話と同様、6巻第32話~34話は物語の大きな山場となっている。  百目鬼を捨てようとする矢代と、矢代の側にいたい百目鬼の葛藤、矢代と平田の対決が描かれる。  何も知らなければ、6巻で終わるのかと思うほど盛り上がる展開に、読者はハラハラしながらページを捲ることになる。 第32話  百目鬼の運転するレクサスの助手席から、矢代は甘栗に電話をかけ と詰る。  部下だった百目鬼に対して、矢代はあえて「部外者」という言葉を使うことで「お前はもう関係ないんだ」と

「囀る鳥は羽ばたかない」 6巻 第30話&31話

 BLパートとヤクザパートが複雑に絡み合って物語が進んでいくのが「囀る」の魅力だが、第30話と第31話ではBL要素はなく、ヤクザパート全開となっている。  私の考察、感想は矢代の心理、矢代と百目鬼の関係に主眼を置いているので、実は今回の2話については取り立てて強い主張がない。  物語の展開において要所となる部分を記載して、次の大きな山場である第32話に進もうと思う。 第30話  第30話の冒頭には、三和会系五代目桜一家組長の綱川が登場する。  天羽と綱川は大学の頃か

「囀る鳥は羽ばたかない」 6巻第29話

6巻第29話  6巻の表紙は雨降る夜の新宿。  煙草を吸いながら横断歩道を渡る矢代を百目鬼が追いかけている。  まるでこの頃の二人の関係のようだが、6巻では矢代の百目鬼への想いを感じる場面が随所にある。  ああ、矢代は百目鬼が好きなのだと、私は6巻を読みながら何度も思う。  百目鬼の幼少期の回想から第29話が始まる。  きっと口数が少なく、まじめな子供だったのだろうと想像がつく。  竹刀を握らなくなった今、百目鬼はどんな時に心が解放されるのだろう。  矢代に置いて行か