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糖尿男(トニーニョ)の食卓。

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2012年3月に始まった株式会社ネクスト・ワン15周年プロジェクト「ビルマのナニゴト?」。その足跡をまとめてみたいと思います。
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2020年6月の記事一覧

#12 止まってた時間がゆっくり動きだす。

#12 止まってた時間がゆっくり動きだす。

 2012年5月4日、僕はカメラマンの元田敬三くんと開通したばかりの新東名高速道路を西に走っていた。実に2008年の夏以来となる、久しぶりのガズームラの取材の仕事である。ガズームラについては、以前もちょっと触れたが、「インターネットとクルマがマチとムラを結ぶ」をテーマにトヨタ自動車が提案する新しい体験型ドライブのことである。ブログを活用し、クルマ好きが集まるコミュニティサイトとして2007年に大き

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#11 自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ。

#11 自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ。

 2012年3月期、当社として14期目の決算で創業以来最大の赤字を計上する。当期純損失は15,384千円。資本金15,000千円の当社の規模では破格の赤字である。コツコツ貯めてきた内部留保も全て吹っ飛び、債務超過こそ免れていたが、繰越利益剰余金はマイナス15,956千円。純資産の部の合計は5,043千円まで減少していた。
 もちろん、これは突然起こったことではない。起こるべくして起こった結果である

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#10 阿蘇・小国へ。オーリーを誘え!

#10 阿蘇・小国へ。オーリーを誘え!

 2012年3月31日。2日前の夕方にバンコクから帰国した僕は熊本県の小国に来ていた。九州のほぼ中央。雄大な阿蘇の北部の外輪山に位置する小国町はその昔、肥後国(現在の熊本県)と筑後国(福岡県)、豊後国(大分県)の3つの国が交じり合う交通の要地であり、「三後の要」と呼ばれていた。山奥にありながら、「行き止まり」の山村とは違う、オープンな雰囲気がある素敵な町である。
 「インターネットとクルマがマチと

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#9 ミャンマー大使館立て籠もり事件:後編

#9 ミャンマー大使館立て籠もり事件:後編

 バンコクのSathonというエリアにあるミャンマー大使館に到着したのは10時前。そこにはビザの申請をする人で長蛇の列ができていた。列は建物の外にはみ出し、大使館の塀沿いに100メートル近く続いている。これはなかなかの壮観である。冒頭の写真がその様子である。絵柄的には難民が大使館に押し寄せてるようにも見える。確か、何枚か携帯電話で写メを撮った覚えがあるが残ってたのはこの1枚だけだった。
 まあ、そ

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#8 ミャンマー大使館立て籠もり事件:前編

#8 ミャンマー大使館立て籠もり事件:前編

 さて、いよいよバンコクへ出発!と行きたいところであるが、どっこい、僕の人生はそんなに簡単ではない。すでに多くの人がご存知と思うが、僕の人生は落とし穴だらけ。まさかと思う、いろんな事件が起こる。
 2012年3月25日、日曜日。バンコクに出発する当日。僕は品川のオフィスで例によって猛烈に仕事に追われていた。何の仕事に追われていたかは覚えていないが、当時は今と違って猛烈に働いていた時期だから、きっと

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#7 すべてはこの電話で始まった。

#7 すべてはこの電話で始まった。

 2012年3月20日火曜日。横浜本社で仕事をしていると、夕方に携帯電話が鳴った。「はい、ネクスト・ワン宮崎です」。「はい、ネクスト・ツーです」。電話をかけてきたのはトヨタ自動車の友山茂樹常務役員(副社長を経て、現在は執行役員Chief Production Officer)だ。
 ネクスト・ワンという社名の由来は、その昔、喜劇王チャップリンが記者に「あなたの最高傑作は?」と質問された時に「Nex

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