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令和三年一月場所備忘録

年の初めの大相撲が、無事に終了したーーー!
お相撲さん、興行に関わった全ての方々、ありがとーーーー!
開催されないかもしれないって思っていたから、
どんな形であれ、無事、場所が終わって感謝!
そして、今場所は相撲自体も全体的に面白くて、本当に素晴らしかった!
ただ、最後の最後になんなんだかモヤモヤとしてしまって、悲しかったことも事実。。素直に大栄翔関の優勝を喜びたかったのにー!

千秋楽結びの一番。うまく避けれず、接触してしまう式守伊之助も悪いし、変な負け方をして、不貞腐れた態度を取った正代関も悪いけれど、大関2人ははじめてのカド番の場所で11勝4敗。まして正代関は千秋楽まで優勝争いもしていたし、大関としての役目は果たしたと思うのですが…なのに、NHKから聞こえてくる二大関に対しての言葉は苦言ばかり…たしかに横綱は不在だし、最上位の2人ではあるけれど、大関になって一年経たずして、大関という看板として11勝だけでは駄目でしょうか?確かに正代関は物言い多すぎたし、朝乃山関は前半黒星も多かったし、二人共照ノ富士関に負けているけど、大関らしい良い相撲のことは無視!それなりの成績を残しても、苦言しか言われないなら、大関ってなんか損だな…って一般人からすると思えてならないんですけどーーー。
コロナ禍の状況で、これだけの力士が休場しなければならない場所は前例がなく、前例のない時代に前例のないやり方でまだ不慣れな大関をやるしかないのです。その形を模索して、この結果だったことをなぜ悪く言わなくてはならないのだろうか?力士だって人間であるという時代だと思う。力士でも怪我や病気は無理せずちゃんと治療するべきだし、ただ強いだけではなく、人間性も含めて今の時代のスターだと思っています。今の三大関は特に今の時代だからこその魅力をそれぞれお持ちだから大好きなのです。
北の富士さんは翌日のコラムでも大関2人はクソの役にも立たないとか、コロナに甘えるなとか書かれていて、北の富士さんだから言ってもいいところは少なからずあるのですけど…わたしだって、何度か一緒に写真を撮らせていただいたり、サインをいただいたり、なんなら北の富士さんのレコードすら持っているくらい、北の富士さんのことは大好きで、これからも解説、コラムは続けてほしいのだけれど…
ただ、影響力の高い人の意見なので、不出来の大関のような印象を与えただろうし、今の大相撲がつまらないような印象すら与えかねない。よほどの大相撲ファンでない限り、他の親方たちが大関のことをねぎらっている記事など読まないだろうし…一個人の意見なら構わないけれど、たくさんの方が視聴するNHKの放送で、中立的な意見があっても良いと思うのです。三瓶アナがちょっと流されすぎでは?大相撲の魅力はもっと広がる可能性があると思うのです。せめてNHKだけはご配慮願います!(THE千秋楽だって、正代関がギリギリ&負ける相撲しか入ってなかった!)

個人的に思っているのは、大相撲はどこか世相を表すところがあって、バブルの時代はわたしが子供だったのでよくわからないけれど、千代の富士という華のある横綱はあの時代感にフィットするし、バブル時代よりスマートだけど派手さの残る90年代は若貴、曙、武蔵丸。モンゴル人力士の誕生はまさにIT参入の時期とリンクしていて、黎明期には、旭鷲山、旭天鵬。ヒルズ族の時代には華々しい朝青龍、そして大横綱白鵬。今でこそIT企業は当たり前で、モンゴル人力士の存在も特筆すべきことでもなくなってきている。リーマン・ショック後の金融危機の頃にはトラブル続きで、国技館にも閑古鳥が鳴いていた。
いろいろな面においてダイバーシティと叫ばれるここ最近、大相撲においては特別なスターというよりはいろいろな力士が場所を盛り上げ、ある意味毎場所多様性のある大相撲になってきているのでは?と思っています。
以前であれば、目に見えて世代交代していく時代の移り変わりがあったのかもしれないけど、ここ数年は今年こそ世代が変わると思ってはみるものの、台頭するほどの若手もおらず、この数年土俵を彩ってきた名力士達は歳に抗えず引退していく。まさに今、歳を重ねた大横綱がいるという状況において、まだ世代交代の瞬間をつい期待してしまうところもあるけれど、その構造はただのステレオタイプで、それを期待するのは古い価値観なのかもしれない。今の大相撲界はすでに時代を越えて、新しい価値観の中に存在しているようにも思う。
今の時代の力士たちは、どうかそれぞれがそれぞれのスタイルで、前例のない力士になってください。そして前例のない、今の時代の大相撲を楽しませていただきたいと思っています。
(あんまり今の時代とか言いすぎちゃうと、そもそも相撲って…って話になっちゃうな…でも、この先ずっと大相撲が存在するためには、今の時代の大相撲にアプデすることは大切だとも思うのです。そして、いろいろなことに考えを巡らすことができ、学ばさせていただけるのは大相撲のいいところ!)

今場所は、大栄翔関の初優勝!そして、幕下優勝が6勝1敗ということで、稀に見る9人による優勝決定戦!
と、その今の時代の空気感にばっちりハマった場所となりました!

大栄翔関の優勝は本当に嬉しい!本当にこの数年で力をつけてきたことがそのまま表れた場所となったように思います。特に前半は気持ちの良い相撲ばかりでかっこよかった!強いのに目立たなくて、懸賞もあまりもらえていない印象だったので、これからはもっと懸賞つけてあげてー!企業様〜🙏

十両は剣翔関。追手風部屋が幕内&十両W優勝!剣翔関は今場所特にいつも悪そうにしていた腰の調子が良さそだなぁってイメージ以外、そこまでないのですが…
十両はかなり番数も少なくて、今場所は寂しかったですけど…いつもより十両をちゃんと観た気がしていて、今場所、追手風部屋で言うと、大翔丸関のハズ押しの素晴らしい相撲が久しぶりにたくさん観れて、やっぱ強いんだよなぁと嬉しく思っていました。前半は水戸龍関の上手投げも良くて、あとは剣翔関に代わって、常幸龍関の腰がかなり痛そうだったので心配しました。
千秋楽、剣翔関は不戦勝での優勝だったのは少し残念でしたが、蜂窩織炎の時、あんなに土俵上で痛がってでも休まず場所を務めてきた勢関が幕下陥落のかかった相撲で、はじめての不戦敗というのは年齢も年齢なので気になりますね…どうするんだろう…

そしてダイバーシティ時代の象徴(冗談です)9人による幕下優勝決定トーナメント!
今場所は特に幕下上位は実力が拮抗している感じがしていたので、上位が星の潰し合いになった分、6勝の力士が結構意外性あるメンツでしたね。
本命は錦富士!若手のスターなら二本柳!ベテランなら魁!竜勢!芝!まさかの深海山、琴翼もある?(琴翼は去年あたりいい相撲が多い時があって頑張ってほしいと思ってました!深海山は濱栄光さんが応援してるので気になっている。)でも、個人的には優勝を決めきれなかった将豊竜or濱豊の時津風勢!みたいな気持ちだったのですが、最終的にはベテラン魁さんの優勝!いろいろあると関取経験者の優勝は安心感!あと日本語がお上手で素敵でした!以前稀勢の里の付け人をしていた時、なんか目力が強くて、結構目立つなぁ〜っていうイメージもある魁さん。もう一度、再十両、期待しています!
湘南乃海立ち合い不成立での脳震盪の一番はマジで怖かった!あんなにフラフラだった人が相撲取るなんて…って気持ちに1番なってたのは対戦相手の朝玉勢だったと思うのですが、ビビって立ち合い当たるの気を使っていましたね…ルールが決まって良かったです!にしても、今場所の前半湘南乃海は体がパンパンに仕上がっていた気がして、期待してみていたので、全然違った形で注目されてしまったのは残念…
幕下上位は武将山が狼雅、貴健斗、一山本に三連勝したあたりで、新十両だな!と思ってしまったのですが、その後、三連敗で、あれ?と思いつつも、最後入れ替え戦で勝ち越し!とにかく新十両が決まって良かったです。
武将山はまだスポナビで配信していた頃、友綱親方(旭天鵬)が、虎太郎という四股名を気に入って、コタローーー!と言っていたので覚えたので、なんとなくあのかわいいコタローが関取になるなんて…みたいな気持ちが少しあったり…あとは、(今場所も負け越したけど)鈴木の存在で奮起したと言っていたのもなんだか嬉しかったです。藤島部屋、これから楽しみ!鈴木、篠原の飛龍高校組もですが、個人的には海乃島!今場所もいいひねり出してた!(10日目王輝が横に一回転した下手ひねりが印象的。)
貴健斗の新十両もすごく嬉しい!何年も前から突き押しでシャミチ!みたいな相撲がハマった時はすごいなぁと思っていたのですが、やっぱりメンタルが弱かったのですね…貴景勝のそばにいればこれからも更に強くなるはず!
あとは吉井がまたも勝ち越し!負け越し知らず!やっぱり体とかまだ17歳感あるし、ものすごい強いとは思えないのですが、雰囲気は全然17歳じゃないし、勝負強さとか大物感がすごいんだよなぁ。今年関取になれるかどうか?注目!そしてもうひとりの17歳幕下大辻も今場所は5勝!大辻くんの方が突き押しという武器を着々と磨いている感じがみえて、成長過程がわかりやすいのですけど。吉井の持ってるものはみんなが手にできるものではないと思うので、2人で切磋琢磨して頑張ってほしいです!

三段目優勝は小城ノ浜!誰だ?と思いましたが、長く幕下にいた碧海浜さんですね!怪我で下がっていた苦労人ということに気がついていなかったので、三段目優勝決定の一番は浪満との対戦だったのですが、完全に浪満を応援してました…浪満は以前三段目に上がった時、怪我をして、その後沖縄に帰って治療してて、髷も一回切ってたので、気持ち切れてないか心配していたのですが、ちゃんと戻ってきて、着実に番付を上げ、立浪部屋のフェイスブックなんかにアップされる稽古とかみていると、関取とも稽古していて、結構強くて感動していたので、個人的な思い入れで優勝してほしかったのでした。
あと、三段目で気になったのは、獅司!最初の相撲休んでいたのですが、二番目の相撲から出てきて6戦全勝!前より少し荒さがなくなって、慎重さも出てきたので、より大きさと力強さが活かされてきて、来場所幕下デビューが楽しみになりました!

序二段優勝はまたも野上!野上さんの肩筋成長しすぎてません?というか、優勝は元幕下の野上か鳩岡か福島の誰かかなぁ〜とは思っていたけれど、13日目の野上-鳩岡戦は思いの外、野上の一方的な相撲だったので、鳩岡の足はまだそこまで良くなっていないのかなぁ?もしくは9日目の福島戦が結構長い熱戦だったので、負担になったのかなぁ?と勝手に心配。福島戦に関しては福島の足のほうが痛そうにしてないかしら?とは思ったのだけど…

序ノ口優勝は熱海富士!これも6勝1敗で並んでの優勝巴決定戦!
そうなんだよなー荒馬が13日目、喜んで出てったところはたき食らっちゃったのですよね…一発で優勝決めれないとやっぱ優勝できないものなのか?熱海富士も飛龍高校!しかもまだ3年生!在学中!ちょっとだけ飛龍高校卒がアツい時代来てる。ちなみに巴戦もうひとりは水戸龍関の付け人、イケメンアームレスラーでおなじみの東照錦くん。きっと全然太れないのだろうけど、かっこいいし、力は強そうなので、マジでもっと大きくなって強くなって欲しい!

そして…また小言になっちゃうのだけど、特に中日の進行は遅れていたこともあって、幕下の審判部のある親方が結構大きな声で早くしろ!と怒鳴って、立ち合いを急かしていたので、不愉快に思いました。この状況で、声を出さずにマスクをしてまで観戦していただいているお客様のいる中で、普段は親方として指導する立場であるのでしょうけど、大相撲という興行の中では、相撲がメインで、審判部のお仕事はあくまでも裏方ですし、大声というものにセンシティブな環境の中、いつも通りでいいと思ったのでしょうか?またそのせいで、逆に立ち合いも上手く合わせられない力士も多くなってしまっていて、本末転倒なように思いました。本場所では観戦している人々もいる中で、力士たちが良い相撲を取ることに最善を尽くす気持ちを持って欲しいです。
あぁ…時津風親方もですけど…
時津風部屋…今場所力士たちはものすごくがんばっていたのに…
あ!それで思い出した!富豊!
3日目の表-富豊戦の表の一本背負いが凄かった!しっかり一回転して叩きつけられていて、富豊は立てなくなってしまっていて、心配したのですが、幕内の時間、花道で正代関の座布団を持っている付け人としての姿がしっかり映されていて、えーーー大丈夫だったのか?と思いました。相撲は休むことなく、無事勝ち越し。でも付け人は途中からやってなかったので、やっぱりどこか痛めてたのかなぁ…ちなみに小さな体で美しい一本背負いを決めた表は残念ながら負け越し…いい相撲取るのと勝ち越しは別物…残念…
一本背負いでいうと、12日目にも望月がギリギリの体勢で決めていたのだけど、次の相撲を休んでいて心配…
あーそういえば今場所将軍-武士って取組あったなぁ…
将軍様は改名した先場所イマイチでしたが、今場所はがんばってましたね!
などなど…思い出し始めると終わり方がわからないのだけれど
ちょっと文句が多めだったので反省していまーす。
あとは、1月なのに、新弟子が3人しかいなかったのは心配ですね…
コロナ禍が続けば続くほど、角界入りは以前より覚悟が必要になりますよね…でも、今場所の3人はいずれも相撲経験者!村山は海洋!永田は飛龍!少数精鋭、楽しみですね。
3月就職場所はいかに?

いろいろ書きましたが、
今はただただ
令和三年一月場所、開催してくれたことへの感謝だけです!
ありがとう、大相撲!

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