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【エッセイ】「どんな音楽聴くんですか?」ってマイノリティ判別装置

「飲み会で音楽好きって言うと、どんなの聴くのって聞かれるけどさ。実際に聴く音楽を言って、共感されたコトないんだよね。」

友人が言っていた言葉なんですが、筆者的には非常に共感した言葉でした。これって比較的多くの音楽好きが共感するんじゃないかなっと思います。

聞いてくる方は好きなコトで会話を広げようとして、優しさで質問してくれてるのはわかるんですが、こっちとしては「その広げ方無理だよー、みんなが知ってる様なアーティスト好きなら、最初から米津が好きとか髭ダン好きとか言ってるよー。みんな知らなそうだから音楽ってボヤけた言い方してるんだよー」って思いながら話すコトになるんです。

大人になってからは「すごく好きではないけどそこそこ聴いてて、世間一般的にも有名」みたいな落とし所を話す作法を身に付けました。あの質問ってみんなが知ってる人を言わなきゃいけないって無言プレッシャーを感じるんですよね。

質問ひとつで自分がマジョリティーではないコトを実感させるってけっこうすごい質問です。

筆者の別の友人はなかなかに勇気をもらえる回答をしていました。

「◯◯さんって普段どんな音楽の聴くんですか?」「ドビュッシーですねー。」

、、、、、、こいつ、マジか、、、、って思いましたよね。クラシックとかぼかさない、ドビュッシーって、、

聴くのはいいけど、飲み会の場で普通に言う感じすごいな、、。

彼が自然体なのがより怖い。ドビュッシーを日常的に聴くのが当たり前だと思ってる感じがホントいい。ホントのマイノリティって、自分をマイノリティだと思ってないんですよね。

彼をみて、「ああ、おれはまだまともかも」って思いました。聴いてる音楽が有名かどうかじゃなく、自覚があるかって面で、です。

「普段どんな音楽聴くんですか?」みなさんならなんて答えます?

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