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バイヤーを呼び込むには?ジャブを打つべし、打つべし

私、高嶋一行は「Showcase Tokyo」という日本ブランドのエージェントを運営しています。
業務内容は、イギリスを拠点に日本ブランドの海外セールスを行うことです。

主にパリコレ期間中にパリにて展示会を開き、世界中のバイヤーを呼び込み。
そして担当する日本ブランドの海外営業を行っております。

http://www.showcasetokyo.co.uk

このnoteのマガジンでは、パリの展示会での出来事から日本ブランドの海外進出に向けたヒントや方法。
その他、海外ファッションに関することをご紹介して参ります。

また、セール情報を紹介する「tokyosamplesale.com」というファッションメディアも運営しておりますので、こちらも合わせてご覧ください。

バイヤーを呼び込むには?ジャブを打つべし、打つべし

海外にて日本ブランドが展示会を行う場合、一番重要となるのが「バイヤーの呼び込み」です。

分かりやすく言うと「展示会をパリでやるから来てね!」と世界中のバイヤーにお誘いをすることです。

言葉で言うと簡単でシンプルなんですが、これがなかなか難しい。。。
展示会を行う事って、場所のレンタルやコレクションサンプルの用意、ディスプレイなどたくさんの準備があります。
が、やっぱり一番重要なのは「どれだけたくさんのバイヤーに来てもらうか」なんです。

今回は、このバイヤーを呼び込むコツというか方法というか、実際に僕が行っているやり方をご紹介します。

メールと言う名のジャブを打つべし

次回シーズンはパリで展示会をすることが決まった。
そうなれば、自分達が行う展示会の情報をたくさんのバイヤーさんに紹介する必要があります。

「展示会やります!ぜひ来てください!」

そんなラブコールを送るんです。

ターゲットはパリコレ期間中にパリへ来るバイヤー。
世界中のセレクトショップの買い付けを担当するバイヤーに向けてアピールします。

主なツールはメールが一般的でしょう。

展示会という明るい明日の向けて、明日のジョーさながらに「打つべし、打つべし」
バイヤーに向けて、メールと言うジャブを打つんです。

明日のジョーが右斜め45°からえぐるようにジャブを打つのなら。
バイヤーへのメールは、短い文章でいろいろと内容を変えてメールを打つべし。

バイヤーが「おっ!ちょっと興味があるブランドかも!」と思わせたら勝ち。
バイヤーに興味を持ってもらえたら、早速展示会のアポイントを入れてもらえるように、メール対応しましょう。

バイヤーにはたくさんの営業メールが届く

ちなみに世界中を飛び回っているバイヤーにはたくさんの営業メールが来ます。(と思います)
いろいろなブランドから「うちの展示会に来てね!」という内容のメールがたくさん来るはず。

なので、自分が実際にバイヤーへブランドの紹介をメールで送るときには「分かり易さ」が大切だと思っています。

毎日たくさんの営業メールが来るんだから、朝のメールチェックではシビアに即削除されるメールも多いでしょう。

僕がバイヤーに向けてのメールで必ず意識していることは2つ。

まず1つは「パッと見た感じでブランドのテイストや雰囲気が分かること。」

文章をまともに読んでもらえないならパッとメールを開いた時に印象に残る方がいいですよね。

なので必ず写真の添付は2-3枚はつけるように心がけています。
文章を読んでもらえなくても、写真を見るだけである程度のブランドスタイルやテイストを知ってもらえるようしています。

そこでバイヤーが興味を持たなければ、そのショップにはウチのブランドは合わないということ。
逆に、写真を見て「おっ!」となれば、バイヤーは興味あり!ということ。

バイヤーから「コレクションの写真を見せて」や「ラインシートを送って」と返事が来ればジャブの効果アリ!

もうひとつのポイントは「メールを懲りすぎないこと。」

よくブランドのメールなどで、画像中心でデザインされたメールを見たことはないですか?
テキストベースではなく、HTMLをベースにしたメールです。

もちろんブランドのイメージを伝える場合に良く、スタイリッシュでかっこいいメールなんですが。。。。
いかにも営業メールな感じしません?

それにメール送信を行うソフトで作って一括送信をする方法もあってラクチン。なんですが、個人的な印象では迷惑メール行きになる確率が高いように思います。

ボクシングで言うところの空振りですかねぇ。
相手にうまくパンチを避けられてしまうイメージです。
これじゃいくらジャブを打っても意味がありません。

打つべし打つべしは、しっかりと相手にジャブが当たってこそ意味があるんです。
メールも相手に届いて開いてもらってこそ意味があるんです。

じゃーどうするの??
ということで、僕はあえて業務内容を送る普通のメールのように送っています。

それならとりあえずはメールを開いてもらえるでしょう。
そして内容をちょっと読んだら展示会の案内だと気づくでしょう。
「なんだー展示会の営業メールか」とバイヤーが思ったところにブランドの写真がバイヤーの目に入ればジャブ成功。

たくさんのブランドから営業メールが来る中、メールを開いてブランドの写真を見てもらえれば展示会に来てもらえる可能性へと繋がります。

メールと言う名のジャブの使い方はこんなところです。

「チラ見せ」を複数回に分けて

バイヤーに送るメールと言う名のジャブですが、複数回に分けていろいろなメールを送ることで効果も高くなります。
1度のメールでは気づいてもらえなくても、何回かメールを送っていればバイヤーも気づくはず。

ただし、送り過ぎると迷惑になるので注意が必要です。
目安としてはメールは1ヶ月の1回ほど。

パリでの展示会が近づいてくると少し頻度をあげてメールを送るようにしています。

メールの内容も毎回変えて送りますよ!

「来シーズンにパリで展示会することが決まりました!御社のバイイング担当者さんの名前と連絡先を教えてください」

「現在のシーズンのルックブッグがあります。ご興味がありましたらメールにてお送り致しますが、いかがでしょうか?」

「次回の展示会の場所が決まりました!」

「新しいシーズンのコレクションが画像が出来上がりました!お送り致します」

「展示会が間もなく始まります」

などなど。

1回のメールには1つの用件だけ。
よりたくさんの内容でメールを送れるようにします。

そうすると、ブランドに興味があるバイヤーであればバイヤー名と連絡先を教えてくれたり。
ルックブックの送付希望の連絡が来たり。
早々から展示会に行きますと連絡が来たり。

なんかとメールの返事がもらえるキッカケが増えます。

こうやって、少しづつ小出しにしたジャブを「打つべし、打つべし」なんです。

準備は半年前から始める


メールを少しづつ数回に分けて送るため、ある意味長期戦になります。
メールを送り過ぎると逆効果になる恐れもあるので、メール同士の感覚は空けておきたいところ。

なのでメールのジャブ作戦は展示会が始める半年前くらいからスタートしています。

半年前ということは、パリの展示会が終わってスグ。
スグに次回の展示会に向けて動き出します。

よくある典型的な失敗として、展示会が始まる1ヶ月前から焦って案内メールを入れるブランドがあったりしますが、スタートが遅すぎる。
展示会の連絡メールは早め、早めに送ることで効果も高まります。

展示会シーズンが近づくとたくさんのブランドが営業メールを送り出すので、早めにメールを送ることでバイヤーの目にも止まりやすくなりますからね。

展示会へのバイヤー呼び込みは長期戦で戦うことがコツでしょう。
半年前からジャブを打つべしなんです。

名前だけでも覚えていってください精神

よく芸人さんやバンドマンが言う言葉・
「名前だけでも覚えて帰ってください」と言うセリフ。

これは、バイヤーに対するブランド側の思いも同じです。

ブランド名やブランドロゴだけでも覚えてもらえれるように、アピールしましょう。
そうすることで、偶然展示会場を通りかかった時に覗いて行ってくれることや、今回がダメでも次回の展示会に来てくれることだってあります。

可能性ベースでチャンスが広がるので、ブランド名やブランドロゴが目につきやすいようにすることもポイントです。

メールでもブランドロゴを印象良く入れるなど工夫をすることでバイヤーの印象に入り込めるはず。

全てが全て効果的かどうか分かりませんが、何がキッカケでチャンスとなるか分からないのが営業の仕事。
こういった、小さな努力も新しい取引先を見つけるキッカケとなるかも知れませよ!

試合終了のゴングが鳴るまで結果は分からない

そして、メールのジャブ作戦は、試合終了まで結果は分かりません。

バイヤーによっては、展示会のアポイントを入れていなくても来てくれる場合があります。
それも結構頻繁にアポなしで来るバイヤーがいます。

なのでしっかりとメールのジャブを入れておくと、アポイント数が少なくても展示会当日になってバイヤーが多数来ることだってあります。

諦めないで展示会の最終日までバイヤーの呼び込みを続けること。
半年間かけてメールと言う名のジャブを打ち続けれていると、何かしらの結果が得られるはずですよ。

と、この記事については以上ですが、以下の有料スペースにて実際に僕はバイヤーに向けて送っている営業メールの内容をいくつかご紹介します。
ネットで全公開してしまうとさすがにマズいかなと思い、少額によるクローズドにしました。
これから展示会が向けてバイヤーへの呼び込みをする方がいるのなら、参考になるはず。


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