Market Lane Coffeeでの学び
メルボルンはオーストラリア内でもコーヒー文化の中心的場所。
その中でもここ最近日本でも認知度の高い、Market Lane Coffeeへお邪魔しました。
数年前からHASAMI PORCELAINのマグを取り扱ってくれているお店です。
Market Lane Coffeeのコーヒー豆は自社焙煎で、コーヒー豆も産地へ直接買い付け。その年ごとに豆の出来の良し悪しはあるけれども、出来によって産地や農園を変えているといい関係が結べない、支援にもつながらない、という視点から同一農園で長期的な仕入れを行っているとのこと。
年に数回はオーナーや焙煎スタッフが南アメリカやアフリカの僻地&山奥にある農園まで実際に足を運んで継続的なコミュニケーションを取っているそうです。
去年はついにその農園の方々をメルボルンまでお呼びして講演会のようなものが出来たそうでとても感慨深い体験だった、とおっしゃっていました。
お店は市内に9店舗。
行ってびっくりしたのですが、そのうち3店舗、2店舗は全て徒歩2分圏内!
特にその5店舗は全て市場内にあって、日々の買い物に来ているお客さまの憩いの場になっていました。テイクアウト専門店とイートインスペースもあるお店では時間の流れや過ごし方も違っていて、近いところにあるからこそ、その半径200m以内のコーヒー需要をしっかり受け止める不可欠な存在になっているんだな、と学び。
最初の記事でもお伝えしたように、本当にみんな毎日決まったコーヒー屋さんに行くので、そこの店員さんとの会話も日々の大事な時間。おはよう、調子はどう?いつものでいい?とういうよな微笑ましいやりとりが繰り広げられています。(書いていて、きっと日本の商店街もこういう日々のコミュニティを担う役割だったのかなぁと)
そしてMarket LaneはB corpを取得している会社。
B corpとは社会や環境に配慮した公益性の高い企業に対する国際的な認証制度で、現在日本では37企業が取得しています。
取得にはやはり多くの労力が必要だったそうで、環境学を学んだ方と一緒にさまざまなリサーチや確認を通して取得できた、とのことでした。
印刷インク1つを取っても環境に配慮したインクなのか、など確認項目は多岐に渡るそうですが、取得したことはとてもいいこと前向きなこと、本当に取得できて良かったとお話しされていたのが印象的でした。
日本ではまだ認知度が低いですが、これからモノやコト、場所を選ぶ時の一つの目安になっていくような、そんな制度です。
私が伺った日はちょうどコーヒー豆の販売をプラスチックの袋から紙の袋に変えて販売がスタートする初日!今までの袋もプラとはいえ、環境に配慮した素材のプラ(土に還る素材だったそう)だったのを、約2年の試行錯誤を経て紙の袋に変えることができたそうで、今日はやっと販売に漕ぎ着けた日なの!と担当者も嬉そうでした。
コーヒー1杯の裏側にある物事に真摯に向き合って、そしてその1杯をいただくことが小さな社会貢献につながるんだな、と感じる本当によい会社でした。
他の街への進出やコーヒー以外の飲み物について伺った時、ここが私たちの街で、私たちはコーヒー屋だから、とおっしゃっていたのも印象に残っています。(Marlet Lane はメルボルン以外にはありません。)
メルボルンに行く機会があればぜひ訪れて欲しいお店です。
コーヒーも人も、会社も、いろんな方面で満たされた訪問でした。
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