グノーシス主義を考える(2)
〔第二部〕グノーシス主義とはどのような思想なのか(その1)二元論とグノーシスとは、あんなにも頻繁な拒否と断罪にもかかわらず、実際には西欧のキリスト教における〈悪〉の概念に濃い影を投げかけてきた。それらのものである二極的思考(神とサタン、光と闇、善と重さの霊など、大いなる闘争、根源的で執念深い或る種の悪意)は、われわれの思考にとって無秩序の秩序というものを組織してきた。西欧のキリスト教はグノーシスを断罪してはきた、けれどもその軽やかな一つの形、和解を約束する形を保ってきたのだ。