見出し画像

ヤクルト、45年ぶりの先発全員無安打勝利

ヤクルトが20日、神宮で行われた中日11回戦で先発全員無安打勝利。7回二死から代打の宮本丈が中前へチーム初安打を放ち、続く代打の川端慎吾がライトへ均衡を破る決勝2ラン。その後もヒットは出なかったが、4投手のリレーでリードを守り切った。先発全員無安打勝利は45年ぶり5度目。ヤクルトが絡むのは3度目だが、これまでの2度はいずれも巨人にサヨナラ負けを喫しており、勝ったのは初めて。

なお、この試合は川端が2打点1得点、代走の山崎晃大朗が1得点で、先発したヤクルトの9選手は安打だけでなく打点も得点も記録していない。過去4度の先発全員無安打勝利は先発した選手に打点か得点が記録されており、先発全員無安打無打点無得点勝利はNPB史上初の珍記録。

過去の先発全員無安打勝利

1リーグ時代の39年5月6日甲子園で行われた南海-阪急のダブルヘッダー第2試合。南海先発の宮口美吉に5回まで無安打無得点に抑えられていた阪急は、1点を追う6回に四死球と失策で一死満塁として黒田健吾の犠飛で同点に追い付くと、続く7回には四球の走者を一塁に置いて田中幸男のバントを南海の新人三塁手、鶴岡一人が一塁に悪送球して、一塁から岸本正治が勝ち越しの生還。阪急はその後も無安打だったが、7回途中から救援した浅野勝三郎が追加点を許さず、NPB唯一の無安打勝利となった。

63年5月26日甲子園で行われた阪神-大洋のダブルヘッダー第2試合。来日2年目で未勝利の阪神先発バッキーに9回一死までパーフェクトに封じられていた大洋は、8番の土井淳が四球を選び、続く稲川誠のバントをサードのヤシックが二塁に悪送球。二死後に代打の浜中祥和が二塁ベースに当たるラッキーな内野安打を放って均衡を破った。大洋先発の稲川は9回も無失点に抑えて完封勝利。バッキーは9回一死までパーフェクト、9回二死まで無安打無得点、9回1安打1失点の快投を見せたが、味方の援護なく来日初勝利はお預けとなった。

72年8月17日76年10月2日はどちらも後楽園で行われた巨人-ヤクルト。どちらもヤクルトの先発は松岡弘。72年、松岡は8回二死までパーフェクトに封じるも、巨人は右翼守備で途中出場の槌田誠がヒットを放ち、こちらも途中から遊撃守備に就いていた上田武司が同点2ラン。9回は先頭の代打・滝安治が三塁打し、続く柴田勲の犠飛でサヨナラ勝ち。76年も松岡は7回まで無安打無得点に抑えていたが、8回に先頭の代打・山本功児と三塁守備で途中出場の山本和生の二塁打2本で追い付かれると、9回にノーヒットで満塁のピンチを招き、2番手の浅野啓司山本和にサヨナラ押し出しを許した。

【先発全員無安打勝利】
1939/5/6 南海1-2阪急@甲子園 ※NPB史上唯一の無安打勝利
1963/5/26 阪神0-1大洋@甲子園
1972/8/17 巨人3x-2ヤクルト@後楽園
1976/10/2 巨人2x-1ヤクルト@後楽園
2021/6/20 ヤクルト2-1中日@神宮 ※先発全員無安打無打点無得点

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?