TOKYO NODE XR HACKATHON 閉幕!濃密な2か月半を振り返る
2月10日(土)、 TOKYO NODE HALL にて、TOKYO NODE “XR HACKATHON” powered by PLATEAU(以下、XRハッカソン)の集大成となる最終審査会「 AWARD NIGHT」が行われ、受賞者が決定。TOKYO NODE の開業以来走り続けてきたXRハッカソンが幕を下ろしました。この記事では、XRハッカソンの開始からAWARD NIGHTにいたるまでの濃密な2ヶ月半を振り返ります。
TOKYO NODE “XR HACKATHON” powered by PLATEAU とは?
森ビルと国土交通省の都市デジタルツイン実装プロジェクト「PLATEAU (プラトー)」 が共催するハッカソンイベント。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーに新たにオープンした情報発信拠点「TOKYO NODE」の研究開発チーム 「 TOKYO NODE LAB」が主導する、デジタルツイン環境を活用した都市を拡張するAR 体験プロジェクトの一環として開催されました。約2ヶ月半に渡って、虎ノ門ヒルズを中心としたエリアで、クリエイターやアーティストの皆さんがXR アプリケーションを開発。開発するアプリケーションは、「エンターテインメント」「アート」「シミュレーションや可視化ツール」「虎ノ門エリア・施設の利便性向上のツール」など、作品のジャンルは問わず、多種多様なアプリケーションが生まれました。
森ビルと国土交通省の想いが重なり実現
今回のXRハッカソンは、森ビルと国土交通省の想いが合致し、実現にいたりました。不動産ディベロッパーである森ビルはTOKYO NODE LABを起点に、領域や分野を超えた新たな都市体験を創出することを目指しています。その一環として、虎ノ門ヒルズや新虎通りのデジタルツインを構築・提供することで、クリエイター、アーティストと共に都市の新しい体験を創造したいという想いがありました。一方、PLATEAUを通じて3D都市モデルの整備を推し進める国土交通省は、さまざまな領域でのユースケース開発を進め、オープンイノベーション創出を目指しています。こうした両者の想いが合致し、虎ノ門ヒルズの街を舞台に、森ビルと国土交通省が持つ3D都市モデルを活用し、新たな都市体験を生み出すXRハッカソンを開催することを決めました。
ハッカソンに向けて開発した「虎ノ門デジタルツインSDK」
現実世界にCG映像や情報を表示させるには、表示する場所の「位置」や、そこにある「建物」などを正確に把握する必要があり、これは次世代のXRアプリケーションの開発に欠かせません。今回のXRハッカソンでは、この「位置」「建物」を正確に把握する技術「Visual Positioning System(VPS)」と、虎ノ門ヒルズエリア(森タワー、ビジネスタワー、レジデンシャルタワー、ステーションタワー)や新虎通りの3Dモデルを参加者が自由に利用できる「虎ノ門デジタルツインSDK」を整備。位置・高さ・建物の情報を利用して、現実世界と連動するXRアプリケーションを開発することが可能になりました。
前代未聞の2か月半 XR×VPS×都市のハッカソン
虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの開業に合わせて応募開始
10月6日に虎ノ門ヒルズ ステーションタワー、TOKYO NODEが開業したのと同時に参加者の募集を開始。締め切りの11月24日までの約1ヶ月半で、学生から企業所属のエンジニア、スタートアップの会社員まで、さまざまな方にご応募いただき、最終的に107名が参加しました。
キックオフイベント「OPENING DAY」
12月2日、一般視聴者に向けて、XRハッカソンの概要・目的・開発システムに関する案内を兼ねたキックオフイベントとして開催しました。当日は、森ビル株式会社 茂谷一輝、国土交通省総合政策局 都市局 IT戦略企画調整官 内山 裕弥 氏、XRハッカソン運営事務局 株式会社SYMMETRY エバンジェリスト 沼倉正吾 氏による、国・企業・スタートアップが目指すデジタルツインや、XRによる新しい都市体験を生み出すクリエイターとの共創ビジョンが紹介されました。イベント終了後のネットワーキングでは、参加者同士もリラックスした雰囲気で、情報交換やチームづくりの機会となりました。
中間報告会「ACCERELATION DAY」
1月6日、ハッカソンもおおよそ折り返しとなったタイミングで、ハッカソン参加者がプロジェクトの進捗と成果を発表する中間報告会を開催しました。当日は、各参加者またはチームにつき2分間の時間が与えられ、プロジェクトの進捗や成果を熱く語っていただきました。参加者同士がアイデアやフィードバックを共有し、共に作品づくりを盛り上げる絶好の機会となりました。
さらに「ACCERELATION DAY」では、VPS研究者のがちもと氏による「VPS概論」の講演および質疑応答セッション、そしてXRエンジニアのKENTO氏による「ARコンテンツ開発の実装、注意点」に関してのプレゼンテーションが行われました。セッションを通じて、最新の技術動向と業界のベストプラクティスについてなど理解を深めていただきました。
いよいよ約1ヶ月後に迫った最終審査会「AWARD NIGHT」に向けて、ハッカソン開発期間もラストスパートを迎える中、参加者のモチベーションが一段と高まる時間となりました。
2ヶ月半の集大成 最終審査会「AWARD NIGHT」
2月10日、約2ヶ月半にわたるXRハッカソンの集大成として、最終審査会「AWARD NIGHT」を開催しました。28チームのうち、事前の最終審査を通過したファイナリスト16チームが自ら開発したアプリのプレゼンを行いました。
当日は審査員として、国土交通省総合政策局 / 都市局 IT戦略企画調整官 内山 裕弥 氏、株式会社バスキュール 代表取締役 朴正義 氏、WIRED日本版編集長 松島倫明 氏、森ビル株式会社 杉山央が審査員として参加し、各チームのプレゼンテーションを踏まえ、審査を行いました。結果、事前に予定されていた4つの賞に、当日急遽追加された「審査員特別賞」を加え、5つのチームが賞を受賞しました。
受賞者は以下の通り。各チームの詳細については、こちらのウェブサイトをご覧ください。
▼グランプリ LUDENS『TORANOMON bird’s eye view』
▼部門賞「Xplorer Prize」SKiT『SKyscraper stage in Toranomon』
▼部門賞「Volumetric Prize」 ばいそん『WaraWara』
▼部門賞「PLATEAU Prize」 虎ノ門ゴルフカントリー『ARプロゴルファー虎!』
▼審査員特別賞 センサリーカメレオン『XR Sensory Map』
虎ノ門から新たな都市体験を生み出す
XRハッカソンを通じて、アート・テクノロジー・エンターテインメントなどの要素が結びつき、未来の都市に向けた新しいアイデアが数多く生まれました。今回のハッカソンのように虎ノ門ヒルズエリアでは、アーティストやクリエイターに街を解放することで、新しい文化や都市体験を生み出していくことを目指していきます。
今回ご参加いただいたクリエイターの皆さんは、こうした流れを牽引していく中心的な存在です。XRハッカソンで生まれたこのコミュニティを、TOKYO NODE LABという場を活用しながらさらに盛り上げていき、皆さんと一緒に新たな都市体験を生み出す取り組みを進めていきたいと思っています。またその取り組みの第一弾として、今回のXRハッカソンの受賞作品を街に実装することも検討をはじめていますので、ぜひご期待ください!
「虎ノ門を都市XRの聖地にする」ためには、クリエイターやアーティスト、エンジニアやディレクターなど、更に多くの強大な力が必要になります。興味を持ってくださった方がいらっしゃれば、フォームからTOKYO NODE LABまでお気軽にご連絡ください。