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ギターを買うのは楽しい、というお話

唐突ですが、ボクはギターを買うのが好きです。
もちろん、弾くために買う訳ですが、それ以前に買うのが好き。
買う理由を探すのも好きだし、理由なく買うのも好き。
とにかく好きです。ギターを買うことが。

思えば、人生ではじめに手に入れたギターは高校生の時に中学時代の友人からお古を売ってもらったものでした。そのおかげで今に至るまでギターを弾いているわけですが、一方で最初の頃に「欲しい」ギターが自由に買えなかった反動もあり、
未だにギターを買うことへの情熱が尽きず、嬉しいやら困るやら、でもあります。
弾くから、買うこと自体もモチベーションにつながるので良いことなのですが。

で、若い頃というか(今もですが)、夢の一本、魔法の一本を求めて、
本当に沢山のギターを買ってきました。欲しいギターを買いにアメリカに行ったり。

幸いにして(?)、未だにヴィンテージ趣味には目覚めていませんが、
いわゆるハイエンドギターと呼ばれるものもmarchione、tyler、prs、tom anderson、、キリがないですが大体のものは所有してきました。

ギターは実際に買って「使ってみないと」分からないことが多いし、
プレイヤーとの相互関係なので付き合わないと真価はわかりません。
その過程で出会った製作家やリペア、機材周りの設計/製作/リペアの方は信頼できる人が多く、意外と「お値段以上」の価値があったと思います。
ギターは買っても「もの」が残るので良いですね。

また、ラッキーなのは演奏の仕事もしているので「買う理由」があることですが、
そんなのはすべて後付けです。皆さんもギターを買いましょう。

で、色々一周回ったな、って思ってた時に先日ふとした出会いでFuturaを手に入れてしまったことから(このFuturaについてもnoteに書こうかなと思ってます)、
変なところにギアが入っちゃって、「ちょっと変わった」感じの、
古くいえば「イカした」ギターが欲しくなっちゃったんですよね。

映画のバック・トゥ・ザ・フューチャーに出てくるような、
30−40年前の時代に描かれた未来志向のギターっていうか。
古いアメ車のようなね、空でも飛ぶのか、と思ってしまうようなもの。


そんなギアが入ってしまった時に出会ったギターがこれでした。

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Jacksonの現行品ですが、SLX4というモデルです。
見る人がみればピンとくる、Jeff Beckが80年代に使っていたソロイストモデルの
デザインを復刻させたモデル。まさにレトロフューチャーともいうべきデザイン。

ボクより上の世代には「懐かしい」フィールがあると思いますが、
昨今の若い人のファッションのテイストにも合う発色の良いカラーだと思います。
80年代大好き人にはたまらないです。

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正式なカラー名はBubblegum Pinkなんだって。
懐かしいですね。昔流行った長く巻いてある風船ガム、あの色です。
パステルなピンクなんだけど、どこか毒々しさがある"分かってる”色ですね。

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ジャクソンならではのコンコルドヘッド。ブラックのヘッドにバインディング、そしてその脇に覗くピンク色。これこそ80'sの美学的なね。
バーに輝くネオンサインのようです。

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裏も一面バブルガムピンク。ブラックパーツとのコントラストが最高です。
で、ネックはジャクソン十八番のスルーネック構造になっています。
ヒール部分の切り込みが深く、ハイポジションも楽に弾けます。

よく「スルーネックはサスティンが長い」と言われますが、サスティンの長さといより音が立ち上がった後の太さが揃っているので、傾向としてサスティンが長く感じるのだと思います。あとは、一般的なボルトオンだと22fとか24fはツバだし(指板だけ競り出てる構造)なので、どうしても他のフレットに比べて「弱い」音が出るのですが、スルーネックの利点はその部分も他のフレットと近い鳴り方をすることだと個人的には思います。(メタル以外ではあまり多用しない部分かもですが)

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ピックアップはダンカンデザインドのホットレイルが3発乗っています。
実質3ハム。馬鹿なの??笑
だけど、それが良いし、だからこそ推せる。そういうギターです。
コイルタップなぞついていません。大は小を兼ねる、そういうことです。
パワーがあればなんでもできる!と猪木さんも言っています。

でも、実はこのダンカンデザインドに昔は良い印象持ってなかったんですよね。
全体的にブーミーなのに肝心のミドルがペラい、みたいな印象で、
結局載せ替えって感じでしたが、
これはしっかりミドルが厚めに出るのに低域はボーボーしなくて使いやすい印象です。というか当たり前かもだけどセイモアダンカンの音が出てるように思います。

昔の印象があまり良くなかったものってなかなか払拭の機会がありませんが、こういうものに出会うと自分自身もアップデートをしないとなぁと思うことがあります。

ここら辺はもっと使ってみて普通のシングルに載せ替えとかもアリかなと思ってます。今の時点でももちろん満足ですが。

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ブリッジはフロイドローズスペシャル。ドイツ製のオリジナルではありませんが、
しっかりしてます。結構派手にグイングインとアーミングしてみてもしっかりキープできます。ダイブボムも余裕で、セッティングもしっかりしているので、
購入後に調整などで特に手を入れる必要もありませんでした。(ここが結構驚きです)

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で、正直インドネシア製のギターで販売価格も8−9万円くらいだったので、
細かいところは期待してなかったのですが、かなり弾きやすいです。

コンパウンドラディアスというJacksonが大々的に広めた円錐型の指板を採用していて、ローポジションは指板面が丸めに、ハイポジションは平たく変化しているユニークな仕様なのですが、単純に設計云々より製作の精度が高い印象です。

自宅で計測してびっくり。6弦12fで約1.5mm、1弦12fで1.2mm以下でしょうか。
ビビリや音詰まりもなく、チョーキングも問題ありません。
まだ下げれるくらいです。

これには少しびっくり。ボクは普段買ったギターは全バラシして調整するのですが(というか、それも楽しみになので)、その必要がほぼ無い感じです。
弦高が低いギターにありがちな「引っ込んだ」感じや「特定の場所が使えない」感じもなく、どのポジションもスパッと綺麗になります。
この個体は2018年製で、製造から2年経ってるのでそこそこ安定していると思うのですが、それにしてもこの価格帯でこれだけのことが出来るのは驚きだと思います。

大抵、この価格帯だと指板面の加工精度の粗をフレットの擦り合わせで対応するため場所によってフレットの高さがマチマチだったりすることもありますが、
そういうこともなく、均等な高さで指板面もしっかり精度が出てるように感じました。
例えばPUセレクターの溝の内部の塗装がちょっと毛羽立ってたりとか、
そういう部分はいわゆる高級ギターの仕上げとは異なりますが、
それにしても木部や演奏に関わる部分の完成度は目を見張るものがありますね。。

ここら辺の技術の進歩や製造機械の発達は驚くべきものだなぁと思った次第でした。正直、少し引くくらい。
熟練のルシアーさんやリペアマンの仕上げにはまだ機械が勝てるわけではないですが、量産品の中でのそういう「技術」の部分は侮れないですね。

これはJacksonの昔のモデルに対する印象やインドネシア製のギターに対して持っていた印象を、良い意味ですべて覆してくれました。
弾きやすいし、思ってたよりずっとナチュラルです。

やっぱり買わないと、わかんないよね。使ってみないと分からないことあります。

音もぜひ聴いてみてください。好きなmegadeth先生のTornade of soulsのリフ部分です。しっかりJacksonの音です。当たり前だけど、すごいことだなと。

今度クリーンサウンドとかで案外Jacksonがハマるものも弾こうと思います。

仕様とか気になる方は↑も見てみてください。
色違いもあるのでCoolなギターが欲しい人におすすめです:-)


あはは、楽しくてついレビュー調のブログを書いてしまいました。
ちょっとハマりそうなので気が向いたらまたギター紹介します。
次はfuturaかな。

楽しんでもらえましたら!東京メタルシティより愛を込めて。

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