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華々つぼみ先生[放課後アトリエといろ/コドクの中のワタシetc……]

デビュー前、2009年高校生コミックイラストコンテストグランプリを受賞したイラストは、将来について悩みながら描いたものだった…。その後、様々なコンテストにて受賞。それが漫画家への道を切り開き、高校在学中にデビュー。今では複数の連載を抱えている華々つぼみ先生。連載中漫画について等々インタビューさせていただきました!

絵を描くこと、漫画を書くことに興味をもち始めたのはいつですか?

華々つぼみ先生(以下つぼみ):絵を描くこと自体は幼い頃から本当に好きでしたので具体的にいつからとは言えませんが、漫画でしたら小学校1,2年生のあたりでしょうか?漫画と呼んで良いのか分かりませんが、初めて描いたのはその頃です。まだ4コマ漫画というものすら理解していませんでした(笑)。自由帳に描いたものを今も大事にしまってありますね。

好きな漫画、影響を受けた漫画を教えてください。

つぼみ:数え切れないほどあります。今の私が4コマ漫画を描くきっかけとなった、影響を受けた4コマ漫画作品でしたら、『らき☆すた』、『ひだまりスケッチ』、『まじかるストロベリィ』、施川ユウキ先生の作品です。ストーリー漫画でしたら、小島あきら先生の『まほらば』などは大好きで何度も読み返しています。

イラストの描き方、漫画の描き方等はどうやって学びましたか?

つぼみ:持っている好きな漫画やイラスト集を見ながら見様見真似で描いていました。インターネット環境が整ってからは、ネット上にアップされている講座なども沢山みましたね。

漫画家を志し始めたのはいつですか?

つぼみ:漠然とした夢を持ち始めたのは中学二年生頃で、決心を固めたのは高校二年生の時ですね。単純に進路をハッキリさせないといけない時期だったので、進学をするにしろ漫画家やイラストレーターの道へ進むにしろやれるだけの事をやろうと色々な事に挑戦をし始めました。

様々なコンテストにて受賞されていますが、応募するときに意識した点がありましたらおしえてください。

つぼみ:出す賞によって、どんなものが求められているのか色々と研究したり勉強したりします。どの賞に応募するにしても共通して言えることは、とにかく今の自分が出せる全てを出し切ろうと思って描いています。

初めて応募した2009年に高校生コミックイラストコンテストにてグランプリを受賞されたときは、どのような気持ちでしたか?

つぼみ:このイラストを描いている頃が、色々なことに一番悩んでいる時期でした。それこそイラストの中の女の子みたいに泣きながら描いていましたので(笑)、結果が出て率直に嬉しかったですね。

どんなことに悩んでいましたか?

つぼみ:先ほど述べた、自分の進路を決めなければいけない時期でしたので、将来の事などについて不安がいっぱいでした。自分の描きたいものが描けず、何を描きたいのかも分からなくなったり、私なんかが応募してもどうせ無理に決まっている、と塞ぎ込んだりもしました。そんな時に、今の有りのままの自分の気持ちを素直に表現してみようと思い立って描きあげたのが『泣かないで。』のイラストなんですね。

現在、つぼみ先生は高校を卒業し、漫画家として生活されていますが、漫画家一本でやっていくと決めた時、迷いはありませんでしたか?

つぼみ:迷いだらけでした(笑)。でも逆に自分にはこの仕事しか出来ないのだろうな、という予感もありましたので、後悔だけはしないように出来る限りの事をしようと決心しました。

どのような点で自分にはこの仕事しか出来ないと思いましたか?

つぼみ:率直に人付き合いが下手なんですね(笑)。人が嫌いとかじゃないのですが、一般的な職場などに勤めている自分の姿はあまり想像できませんね。

『放課後アトリエといろ』(以下『放課後~』)1巻あとがきにて、「担当様の大道さんから連絡が入った」とありましたが、大道様以外に、連絡を受けたりはしましたか?

つぼみ:前後はしますがいくつかいただきましたね。高校生イラコンの4コマ漫画の部に応募した作品を気に入って下さって、連載にしたいと仰って下さったのがきっかけで大道さんの依頼を受けました。初めて描きあげた漫画だったので、思い入れもありましたし、続きを描けるなら挑戦したいという想いも強かったですね。

同じく『放課後〜』1巻あとがきにて、「連絡が入り、うれしくてアイディアがふくらみ、他のキャラクターデザインまで一気に仕上げた。」とありましたが、この時点で1巻末に登場した葛城すみれちゃんも出てきたのでしょうか?

つぼみ:すみれだけは後から考えたキャラです。思い付いたのは1巻半ばの話を描いている時だったでしょうか…。そもそも各学年でペアにしたいという構想から始まったのですが、1巻終わりまでに2巻に続くための引きの話が欲しかったので登場させたキャラですね。

『放課後〜』3巻あとがきにて、岡山へ取材に行ったとありましたが、つぼみ先生はマンガを描く際に、どのくらい資料を参考にしますか?

つぼみ:取材に行った際の写真などは勿論ですが、服の資料の為にファッション誌、髪型の資料にヘアカタログなど色々な物を参考にさせていただいています。

『放課後〜』には美術関連のストーリーや用語が出てきます。中学、高校と美術部であったこともあるつぼみ先生のもともとの美術知識からなのでしょうか?

つぼみ:元々知っている部分もありますが、私自信、それほど美術に造詣が深い訳ではありませんので、その都度調べて勉強していました。

『ちびちゅき!』『宮河家が満腹!?』を連載されていますが、このようなスピンオフ作品にて、普段の制作とは違う点はありますか?

つぼみ:スピンオフ作品には元となる作品に既に沢山のファンの方々がいますから、ファンの皆様のイメージは壊さないように、かつ原作と全く同じ様相で描いてもあまり面白くないかなと思っていますので、そのギリギリのラインで自分らしさを出せる様に気をつけています。ただ『○○の作品のスピンオフだから面白い』『××の作品のスピンオフだから読んでみよう』だけで終わるのではなく、『この作者のスピンオフ面白いかも』『原作も良いけどスピンオフの展開も楽しみ』と思ってもらえる様な作品にしたいですね。

『ちびちゅき!』『宮河家が満腹!?』はネームからご自身でお考えになっているのでしょうか?

つぼみ:スピンオフとしての作品の設定からネームまで全部考えています。『宮河家が満腹!?』に関してだけは事前に纏めてレシピだけいただいています。

『宮河家が満腹!?』では料理過程を描かれていますが、おいしそうに描くコツや、参考にするものがありましたら教えてください。

つぼみ:当たり前のことかもしれませんが、自分で実際に作ってみることでしょうか。レシピや完成写真を見ているだけでは気づかなかった細かい事が漫画を描く際にも生かされていると思います。

4コマ作品を描くときと、ストーリー作品を描くときの制作過程に違いがありましたら教えてください。

つぼみ:4コマもストーリーもネタ出しの過程はあまり変わりませんね。始まりと終わり山場を考えて、その間の細かいネタを考えていきます。作画の工程でしたら、4コマの場合、小さいコマにどれだけ分かりやすく情報を入れるか、ストーリーの場合は逆にどれだけ大きなコマを上手に生かすかを考えて描いています。

同時並行で連載作品をかかえおり、忙しいかと思います。仕事依頼がきたときに受けるかどうか迷いはありませんでしたか?

つぼみ:少しでもやりたいと思ったお仕事は迷う前に引き受けてしまう質でして…(汗)。お陰様で現在、絶賛修羅場な時期を迎えています。

漫画家を目指す学生の方にメッセージをお願いします。

つぼみ:まだまだ駆け出しの私なんかが言える立場ではないのですが…。もし将来に不安を感じて悩んでいる方がいたら、それでもとにかく描いてみて下さい。漫画やイラストを描くのは楽しいことばかりじゃないかもしれません。思い通りにならず辛くて苦しくて嫌になることも沢山あるかもしれません。ただ、一度そういった壁にぶつからないと見えてこない物もあるんだと私は思っています。そうやって描きあげた作品は、もし結果が出なくても、きっと次に繋がる何かになるんじゃないでしょうか。頑張って下さい!