〈ノーベル文学賞の本〉「宰相の象の物語」イヴォ・アンドリッチ 栗原成郎訳 松籟社
コロナパンデミックの外出制限下で、旅行に行けない。旅行どころか自分の国にすら帰れない。なので旅行の代わりに、以前から興味があった世界各地のノーベル文学賞受賞作家の作品を読み始めることにした。
最初の作家は、ドイツにも縁の深い、ボスニア出身のイヴォ・アンドリッチの作品。サライェボのギムナジウム(日本で言うところの中学校)を卒業後、ザグレブ大学、ウィーン大学を経て外交官となる。1892年生まれ、1975年死去。1939年には、ヒットラーの時代にドイツ大使としてベルリンにも駐在し