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『相棒』シーズン21-11「元日スペシャル 大金塊」/世文見聞録61

「世文見聞録」シーズン2。今年も川口世文と木暮林太郎が、彼らの大好物の「ビッグストーリー」であるドラマ『相棒』シリーズについて語ります。

○『相棒シーズン21』第11話(ネタバレ注意!)

木暮林太郎:殺人事件が起きない話も悪くないね。お正月に相応しい。そのせいで“捜一トリオ”が捜査一課の“特命係”に任命されちゃうけど。

川口世文:今回はいろいろと意表を衝かれたな。まさか去年の話の“続編”になるとは思わなかった。

木暮:観ていないおれでも、別に問題はなかったけど。

川口:観ていたおれもすっかり忘れていた。「袴田茂昭」なんて名前もどこかで聞いたなあって感じ。

木暮:世の“お年寄り”を代表するような意見をいうなあ(笑)。「熟年探偵団」とか「地獄の軽業師」とか、おれたちはともかく、森崎ウィンは知らなかっただろう。

川口:それにしても“ごぞんじ「熟年探偵団」!”って感じで、まるでそういうシリーズが別にあって『相棒』とコラボしているかのような感じだった。

木暮:確かにあのメンバーの本名とか、ホワイトボードに書かれた名前を読むまでわからなかった。斉木しげるが演じている男はあの「先生」のお祖父ちゃんなのか?

川口:思うに「熟年探偵団」という企画は別に存在していたんじゃないか?

木暮:そういわれれば2時間ドラマにありそうだ。

川口:調べてみると実際にあった。でも、今回の設定とは関係ない。きっと脚本家が過去にボツになった企画書を引っ張り出してきたに違いない。

木暮:断言するなあ(笑)。しかし、どうせコラボするなら『科捜研の女』とか、可能なら『ドクターX』なんかとやればよかったんだ。絶対にそのほうが正月っぽいよ。

川口:同じテレ朝でもなかなか難しいんだろ。すべてのシリーズが完結してしまう前に一度はやってほしいな。

木暮:あと数年が勝負か……。

川口:去年のスペシャルで起きた事件を薫ちゃんは知らない。一方で右京が中学生時代に書いたミステリー小説『亡霊たちの咆哮ほうこうの再登場には驚いた。

木暮:“大道寺寧々”とも浅からぬ縁があったしね。やっぱり彼女は『相棒』スピンオフボツ企画の主人公だったのかもしれないな。

川口:あるいは今シーズンの最終回あたりで再登場するのかも。いや、最終回はやっぱりサルウィンの話かな。そうなると後半に「単独エピソード」で登場するのか?

木暮:それよりおれが思ったのは、「熟年探偵団」っていうのは杉下右京の“天下り”先として準備されたんじゃないかってことだ。

川口:定年退職後、「熟年探偵団」に入るってこと?

木暮:そうそう。同時に一人だけ特命係に残された亀山にとっての「先生」になる。今回、彼の「再雇用」が決まったのもその伏線だった。

川口:なるほど、そこまでは考えなかった……『新・相棒 熟年探偵団』ってシリーズが新たにはじまるのか。

木暮:そんなダサいタイトルじゃないと思うけど(笑)

川口:確かに今回の「元日スペシャル」は、さまざまなモチーフが“未消化”に終わったのか、それとも今後の展開への“伏線”なのか読めない点が多い。ラストに右京が「クビを洗って待っていろ」というのも気になった。

木暮:あれは袴田が逮捕されたことで“回収”されたセリフなんじゃないか?

川口:そうともとれるけど、もう一捻りあってもおかしくない。特に、いよいよ“ラスボス”がはっきりしてきた雰囲気だからな。

木暮:それって、仲間由紀恵が演じる“社美彌子”

川口:そうとしか思えなくなってきた。青木年男の存在もチラッと出てきたし……いずれにしてもシリーズ全体の幕引きをそろそろ考えているはずだから、振り返ってみればこの作品が“終わりのはじまり”だったと感じることになるのかもしれない。

軽業師の正体には笑った


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