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ここから、未来の東京がはじまる----「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」に「SusHi Tech Tokyo」がブース出展<後編>

「SusHi Tech Tokyo」出展、
東京ベイeSGパートナー各社のブースをご紹介

前回のレポートに続き、東京ビッグサイトで開催された「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー2023)」(2023年10月28日〜11月5日)に東京都が出展した「SusHi Tech Tokyo(スシテック東京)」のブースから、各企業の展示の様子をレポートします。


−都市交通の未来を描く次世代交通システム「Zippar」
Zip Infrastructure株式会社

道路上の空間に新たな価値を見出す次世代交通システム「Zippar」。Zip Infrastructure株式会社が手掛けるこの新たなモビリティは、既存の鉄道の10分の1程のコストで建設が可能で、将来的には運転士を必要としない自動運転が可能となる見込み。
また、ロープとゴンドラを分離し、ロープは動かずゴンドラが動力をもって動くため、従来のロープウェイでは困難だったカーブや分岐を自在に取り入れた路線設計が可能に。これより、2点間の移動だけでなく、複数のエリアをつなぐ柔軟で密度の高い交通網を構築することができます。さらに、2本のロープを使用することで風速約30mでの運行も可能です。
 
バスやLRTの間を埋める輸送力を持ち、交通渋滞の影響を受けないことから利便性・定時性も確保。社会実装に向け実証開発が進んでいます。

次世代交通システム「Zippar」。こちらは、12人乗り試験機


−風力を活用した自動操船型の水上ドローン
エバーブルーテクノロジーズ株式会社

風力を動力にした自動操船型の水上モビリティを中心に技術開発を行うエバーブルーテクノロジーズ株式会社。再生可能エネルギーによる脱炭素化の実現を目指し、自然と人が共生し得る持続可能な未来をつくることをミッションにしています。
 
風力による長時間の水上活動が可能な「帆船型ドローンAST-232」は、海洋気象調査や密猟監視、魚群探知調査、水上警備などに対応した無人モデル。自動操船化ユニットと専用の自動操船・航行操作アプリを用い、あらかじめ目的地や巡回ポイントをセットするだけで誰もが簡単に操作することが可能で、風力と内臓バッテリーによって100時間以上の連続航行が可能です。

「帆船型ドローンAST-232」。風力による長時間の水上活動が可能


−災害時での活躍も期待されるゼロエネ冷蔵・冷凍トレーラー
PoC TECH株式会社

再生可能エネルギーを軸に多様な事業やビジネス課題を人とテクノロジーの力で解決に導くPoC TECH株式会社。今回のイベントでは、次世代コールドチェーン(低温物流体系)の確立を目指すコールドストレージ・ジャパン株式会社とのコラボレーションによるゼロエネルギーの小型冷蔵・冷凍トレーラー「COLD STRAGE BOX Portable オフグリッドモデル」を出展。
 
これは、牽引型冷蔵・冷凍トレーラーに可動式のソーラーパネルを搭載したもので、太陽光で発電しながら、最新の軽量リチウムイオンバッテリーに蓄電することで電源の無い場所でも自立した単独冷却による保冷運用が可能に。トレーラーは牽引免許なしで普通自動車で牽引できるため、イベント会場などの短期的なニーズに対応するだけでなく、災害時には迅速に現場へ駆けつけ、冷蔵・冷凍の食料や医薬品などを提供することもできます。これまで、冷蔵・冷凍での保管が困難だった場所でも、最適な温度管理が実現できる「旅する冷蔵・冷凍倉庫」といえます。

「COLD STRAGE BOX Portable オフグリッドモデル」の後方。フォルムデザインも美しい


−最先端技術で夜空を彩るドローンショーを実現
株式会社レッドクリフ

日本最大規模のドローンショー運営会社として、各種イベントや花火大会などと連動して夜空をスクリーンに壮大なドローンショーを展開する株式会社レッドクリフ。
ドローンショーでは、パソコン1台から複数のLED搭載ドローンにあらかじめプログラムされた情報を送信し、各ドローンは定められたルートを正確に飛行。万が一機体が割り当てられたコースを外れてしまった際には安全装置が働き、落下することなく元の場所に戻るようにプログラムされ、安全性も確保しています。
 
また、キャラクターや協賛企業のロゴ、QRコードなど、複雑で緻密なデザインもこのドローンでは再現可能です。最長20分程度のドローンショーを実現できるのは、世界でもトップクラスだといいます。最先端技術が夜空に描き出す軌跡は、今後も私たちを魅了してくれそうです。

(上)操作により、中央下部のLEDライトがカラフルに輝く
(下)ドローン1000機が夜空で輝く、壮大なドローンショー


−既存の道路を活用した「舗装式太陽光発電」
東亜道路工業株式会社

東京ベイeSGプロジェクトの令和4年度先行プロジェクトに採択されている、東亜道路工業株式会社のコーナーでは、同社が手掛ける既存の道路に太陽光パネルを貼り付ける「舗装式太陽光発電」の仕組みを紹介。
 
舗装式太陽光発電について、詳しくはこちらをご覧ください。

すべり止めが施されたパネル表面により、車道・歩道の両方での使用が可能


−ベイエリアから東京の未来を語る「Japan Futuer Session」

11月3日には、東京ベイeSGプロジェクトの先行プロジェクトに採択された3社(野村不動産株式会社、株式会社商船三井、株式会社イノカ)によるトークセッション「Japan Futuer Session(ジャパン フューチャー セッション)」も開催されました。

ここでは、次世代モビリティ、再生可能エネルギー、環境改善・資源循環の分野で海を舞台に最先端テクノロジーの実装を目指して挑戦する3社から、各々のプロジェクトの概要についての紹介がありました。
 
野村不動産は「空飛ぶクルマ用浮体式ポートを核とした、陸海空のMaaS(Mobility as a Service)実現に向けたシステムの構築および運行実証」について、商船三井は「風力を活用した水素生産船による水素サプライチェーン構築」について、イノカは「ラボ水槽と中央防波堤の実証フィールドをリンクさせたヘドロ環境改善策の実証」について解説。
 
そのうえで、「陸海空のマルチモーダルMaaSの実装により、新たなライフスタイルの実現に資する次世代のまちづくりにつなげ、東京の国際的なプレゼンスを向上させたい」(野村不動産)、「風力を利用して東京湾で水素を生み出し、東京でエネルギーの地産地消を実現したい」(商船三井)、「海の水質悪化やサンゴ礁の減少は国内だけでなくグローバルな問題。このプロジェクトを通じて世界標準がつくれたら」(イノカ)など、多くの意見が交わされました。  
 
「eSGパートナーの皆さんの知見もいただきながら、お互いの技術力を活かしてグローバルでのリーダーシップも発揮していきたい」(野村不動産)という力強い発言もあり、プロジェクトを通じてパートナー企業同士の連携も強まっている印象でした。 
未来に向け、テクノロジーの更なる飛躍が期待できるセッションでした。



(文・さくらい伸)

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