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ベックリン『死の島』とラフマニノフ〜クラシック音楽にまつわる絵画

『死の島』は、セルゲイ・ラフマニノフが1909年に発表した交響詩。この曲は、スイス人画家アルノルト・ベックリンが描いた同名の油彩画からインスピレーションを受けて書かれたもの。

象徴主義・世紀末芸術の代表的画家のひとり、ベックリンは、1880年から1886年の間に5つの作品を制作し、謎めいたテーマに繰り返し取り組んでいました。これらの絵画は20世紀半ばのヨーロッパで非常に有名であり、フロイト、レーニン、そして前述の作曲家ラフマニノフなど、多くの著名な人々がこれらの絵を愛好しました。特に、この絵や作者の持つ悲観的な主題や死のイメージは、ナチスの理念と共鳴すると感じたアドルフ・ヒトラーは、この絵を所有し、自身の別荘やベルリンの総統官邸に飾っていました。

バーゼル版の『死の島』(1880年)

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