見出し画像

Recruit Blog-WARRIORS2021SA山田拓希

Mar 26, 2020-by東京大学運動会アメリカンフットボール部


大学に入って思ったことは、今度こそ何かをやり遂げたいという思いだった。
中高とそれなりに生きて、東大に入るくらいだからそれなりには勉強して、卒業して。
しかし、卒業式。高校生活をちゃんとやり遂げて涙を流す者とは対照的に、自分には何も残らなかったように感じた。周りを見渡しても高校まではある程度同じ道をたどっても、それぞれがそれぞれの道を見つけて活躍し始めていて、それがとても輝かしく、うらめしかった。プログラミングで世界に挑戦するもの、留学するもの。言葉にするなら強い劣等感だったと思う。大学デビューというわけではないが、新しい自分探し、やり遂げましたよと胸を張れる何かを探しながらサークルやバイトを探した。しかし、なにかと理由をつけて選ぶことはしなかった。ただ飯に釣られて足を踏み入れた生協コンパ、熱い言葉を投げかけてくる部員、それと対極にいるかのように冷めた気持ちで、半ばバカにするような気持ちでいた自分。そんな中、流れたのは新歓movie。その大歓声と大迫力、そしてなにより大熱量が問いかけ訴えかけてきたものは、4年間アメフトに捧げた過去の戦士の背中と、そこに続く道だった。憧れを感じずにはいられなかった。かっこいいと、素直にそう思った。4年間も、この途方もなく、そしてあっという間の年月を部活なんぞにささげられるなんて、よくもまぁそんな選択をできるものだと思った。冷めた自分が、バカだこいつらと見下しながらも、心の奥底で彼らと姿を重ね、その瞬間をともに共有したいという気持ちがあふれてきた。森清之(アメフト部のHC)の言葉を聞いて、自分の中の整理の付かない感情に一石を投じられたような気分になった。
「変化を恐れず一歩踏み出す勇気、結局その一歩を踏み出せるかどうかで将来なんてものは大きく変わるんだ。その一歩を大切にしてほしい。」
衝撃だった。その通りだったからだ。先のことを考えるあまり、なにかと理由をつけて、一歩を踏み出さない、これまでは本当にそんな人生だった。
「ただの東大生で終わるな。」
落ち着いた声からは想像できないような衝撃とともに強く脳裏に焼き付いて、離れなかった。あれから2年経った。2年経ってなお部活に没頭する原点はここだったと思う。人生で初めて一歩を踏み出して、自分で選んだ選択だった。良し悪しなんて、死ぬときはじめてわかるものだと思うし、ほかにいくらでも道はあったかもしれない。しかし、自分で選んで4年間捧げると決めた、そこにとても意味があると信じている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?