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日本経済を牽引する東京港の新たな羅針盤「東京港第9次改訂港湾計画」を策定しました

周囲を海で囲まれている日本は、貿易量の99%以上を船舶による海上輸送に頼っていることをご存じでしょうか?
このため、港湾は国民生活や経済活動を維持する上で不可欠なインフラであり、中でも東京港は、25年連続で国内最多のコンテナ貨物を取り扱う、日本を代表する国際貿易港となっています。
近年、東京港を取り巻く情勢は、アジア貨物の更なる増加や船舶の大型化の進展、物流の2024年問題、AI等の情報通信技術の進化など、これまで以上に大きく変化しています。また、切迫性が高まる首都直下地震や激甚化・頻発化する台風・高潮等への対応、脱炭素社会の実現、クルーズを核とした観光拠点の形成など、様々な分野における取組が求められています。
こうした情勢の変化を踏まえ、今年度、令和10年代後半を目標年次とする東京港第9次改訂港湾計画を策定しました。

外貿コンテナ貨物量の推移

◆ 東京港ってどんな港?

(1)日本経済を牽引する国際貿易港

東京港は、北米や欧州、アジアなど世界の主要港と外貿コンテナ定期航路ネットワークで結ばれ、国内トップクラスの航路数を有しています。(令和5年3月時点)

                      外貿コンテナ定期航路ネットワーク                                  方面別航路数

東京港の背後には、首都東京を核とする充実した道路ネットワークが形成されているとともに、交通利便性の高い臨海部や環状道路等の沿線に大型物流倉庫の立地が進展し、首都圏及び東日本の多くの荷主・物流事業者等に利用されています。

首都圏における大型物流倉庫の立地         立地年代別施設数・施設面積   

(2)首都圏・東日本の生活と産業を支える物流拠点

東京港は、首都圏の都市活動や人々の生活に必要な物資を受け入れる輸入港としての性格が強く、輸入・輸出比率(重量ベース)は、約3:1となっています。輸入貨物は、食料品や家具等の生活関連物資の取扱シェアが大きく、輸出貨物は産業機械や自動車部品等の高付加価値製品の取扱シェアが大きいです。
また、東日本で生産・消費される輸出入コンテナ貨物の約6割が東京港を利用しています。

東京都で消費される海上輸入貨物のうち、東京港から輸入される割合
都県別の外貿コンテナ貨物における東京港利用割合(平成30年)

(3)全国とつながる国内海上輸送拠点

東京港は、国内の長距離内航RORO船※航路(28航路)のうち、半数の14航路、週40便が就航(令和2年時点)するなど、国内海上輸送拠点としても重要な役割を担っています。

東京港の長距離内航RORO船の発着地別貨物量と航路(令和2年)

◆ 港湾計画の方針

東京港を取り巻く情勢変化や他計画等と整合を図りながら、令和 10 年代後半を目標年次として、物流、防災・維持管理、環境、観光・水辺のまちづくりの4つの分野を軸とした方針を定めました。

東京港第9次改訂港湾計画における方針

◆ 東京港の今後の取組、将来の姿

(1)港湾の能力

目標年次(令和10 年代後半)における取扱貨物量、船舶乗降旅客数については、これまでの実績、経済的及び社会的条件等を考慮して定めました。
具体的には、外内貿コンテナ貨物量については、RCEPなど世界各国との経済連携協定の発効等により、今後さらに貿易が促進されると見込み、現在の約1.3倍となる650万TEUとしました。内貿ユニット貨物については、モーダルシフト等により今後さらに貨物が増加すると見込み、現在の約1.2倍となる1,360万トンとしました。

東京港第9次改訂港湾計画における港湾の能力

(2)主な港湾施設の規模及び配置等

<物流 ~世界とつながるリーディングポート~ >

新海面処分場コンテナふ頭計画を機能拡充し、隣接する中央防波堤外側コンテナふ頭と併せて、延長1,820mの連続した国内最大級の新たな高規格ターミナルを形成させ、船舶の大型化や増加する東南アジア航路等の貨物需要に対応していきます。
また、中央防波堤内側内貿ユニットロードふ頭を機能拡充し、船舶の大型化や物流の2024年問題などに伴うモーダルシフト需要等に対応していきます。
さらに、既定計画である既存のコンテナふ頭や内貿ユニットロードふ頭の再編整備を進めるなど、東京港全体で物流機能の強化に取り組んでいきます。

コンテナふ頭及びユニットロードふ頭の施設計画

<防災・維持管理 ~信頼をつなぐレジリエントポート~ >

大規模地震や台風・高潮等の災害時にも物流機能を確実に維持する強靭な港を実現するため、耐震強化岸壁など耐震性の高い港湾施設の整備や電源設備等の浸水対策に取り組みます。また、背後圏への陸上輸送維持のため、臨港道路等における無電柱化に取り組みます。

耐震強化岸壁・免振クレーン                    臨港道路の無電柱化   

<環境 ~未来へつなぐグリーンポート~ >

東京港におけるカーボンニュートラルの実現に向けて、次世代エネルギーや再生可能エネルギーの活用を促進するとともに、船舶への陸上電力供給など港湾施設の脱炭素化に向けた取組を推進します。

カーボンニュートラルポートのイメージ

<観光・水辺のまちづくり ~にぎわいをつなぐゲートウェイ~ >

クルーズ客船や水上交通(舟運)等の寄港や回遊要請に対応するため、客船等の受入機能の確保や官民連携による船着場の拡充を図ります。また、水辺のさらなる魅力向上に向けて、緑やオープンスペース等の連続性を確保した公園整備や民間開発等と連携したにぎわいの創出等に取り組みます。

              東京国際クルーズターミナル          民間開発等と連携したにぎわい創出

◆ さいごに

今回の改訂計画では、都民の方々等に広く理解して頂けるよう、PR冊子を作成しました。東京港の役割や計画の背景など、「東京港第9次改訂港湾計画」の内容を分かりやすく記載したので、是非ご覧ください。

東京港第9次改訂港湾計画 PR冊子

https://www.kouwan.metro.tokyo.lg.jp/jigyo/plan/9/setsumei.pdf

また、改訂計画にあわせて、東京港の役割を都民の方々等により広く発信するため、東京港のPR動画「PORT OF TOKYO 【進化し続ける未来創造港湾 東京港】」を作成したので、是非こちらもご覧ください。

東京港 PR動画
PORT OF TOKYO【進化し続ける未来創造港湾 東京港】

https://tokyodouga.jp/stxw_l_m9qm.html