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南北相法(後篇/巻ノ三)

水野南北居士 著

《血色の部(八色の弁)》

まず血色を観る時、眼で観ても意(こころ)で感じても青色ならば、それは青色である。また同様に、眼で観て白色であり、意で白色と感じるならば、それは白色である。青色(せいしょく)、黄色(こうしょく)、赤色(しゃくしょく)、白色(はくしょく)、黒色(こくしょく)、美色(びしょく)、紫色(ししょく)、紅色(こうしょく)においても、以上の道理をもって考え、観なさい。血色には青色、黄色、赤色、白色、黒色、紅色、紫色、暗色(あんしょく)、滞色(たいしょく)、蒙色(もうしょく)があるが、その全ては五色(ごしき、=青[肝]、赤[心]、黄[脾]、白[肺]、黒[腎]*[]は対応する五臓)から逸脱するものではない。まず、青色は肝気から生じる。黄色は脾気から生じる。赤色は心気から生じる。白色は肺気から生じる。黒色は腎気から生じる。つまり、これらの血色は全て、五臓の働きによって生じるのであり、ゆえに五色から逸脱する事はないのである。また、暗色は黒色に似ており、腎気から生じる。蒙色は青色に似ており、肝気から生じる。紅色は心気健正(しんきけんせい)から生じる。紫色は心腎から生じるが、心肝から生じる事がある。滞色は、確実にないとは言えない血色である。元来、血色は天地の気に准(じゅん)じて、自然と生じるものである。しかし、血色というものは、表面に現れる前は皮膚の下に滞り潜んでいるため、その血色をはっきりと観定め難い。ゆえに、このような状態の血色を滞色と名付けるのである。よって、五色においても、表面に現れる前は全て滞色である。例えば、青色が表面に現れる前は、「青の滞色」と言う。また、黄色が現れる前は、「黄(こう)の滞色」と言う。以上の五色、八色とも、表面に現れる前は皮膚の下に滞っているため、滞気とか滞色と言うのである。滞色が必ずあると心得て観る事が重要で、決して迷って判断してはならない。大体において、血色には過去の事は現れない。ただただ、現在の吉凶のみが現れるのである。

《二十一穴の図》

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↑図1「二十一穴の図」

・天中(てんちゅう)の官
・主骨(しゅこつ)の官
・日月(じつげつ)の官
・兄弟(けいてい)の官
・諸友(しょゆう)の官
・山林(さんりん)の官
・福堂(ふくどう)の官
・辺地(へんち)の官
・土星(どせい)の官
・命宮(めいきゅう)の官
・妻妾(さいしょう)の官
・男女(だんじょ)の官
・顴骨(けんこつ)の官
・奸門(かんもん)の官
・食禄(しょくろく)の官
・法令(ほうれい)の官
・承漿(しょうしょう)の官
・地閣(ちかく)の官
・奴僕(ぬぼく)の官
・天陽(てんよう)の官
・高広(こうこう)の官

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