都民が事業を提案する仕組み=都民提案!事業化された方へインタビューしました。
こんにちは!「新たな視点から、都政の喫緊の課題を解決する」都民提案担当です。
都民提案のインタビュー企画、第4回をお送りします。
ご登場いただくのは、ご提案いただいた学習院大学法学部法学科憲法演習3班の代表 渡邊 智哉(わたなべ ともや)さん と指導教員の 村山 健太郎(むらやま けんたろう)教授です。
災害時も生活継続しやすいマンション
渡邊さんからは、「東京とどまるマンションに対する電源不足解消のための支援」をご提案いただきました。災害時のマンションでの生活継続に向け、停電時にエレベーター等を稼働できる非常用電源設備導入の補助を実施する事業です。
大学のゼミの中で検討された事業ですが、渡邊さんの普段の関心から提案につながったようです!
興味深いお話をたくさんお伺いしました!
身近な関心ごとから提案へ
―今回、東京都の「都民提案」にご応募いただいたきっかけは何だったのでしょうか?
村山教授:キャリア教育を担当している同僚の教員が他県で県民参加型予算の取組をした経験があり、彼から東京都の「都民提案」を紹介され、これは法学を学ぶ学生が勉強したことを活かすキャリア教育の取組として活用できると考えたのがきっかけです。ゼミでは、グループに分かれ、それぞれが考えた課題をブラッシュアップして発表するコンペを行いました。
―今回の提案に至った背景は何だったのでしょうか?
渡邊さん:私は元々、地形や地質などの地学が好きで、そういった視点から課題を探していたのですが、数年前に台風で川沿いのタワーマンションが浸水したニュースから、都独自の災害対策として、タワーマンションという視点で考え始めたのがきっかけです。東京都にはタワーマンションが多いなという日ごろから思っていたことから考えに至りました。
東京特有の災害対策として受け入れてもらってうれしかった
―提案が採択されたと聞いて、どのように感じましたか?
渡邊さん:驚きがいちばん最初でした。あれで大丈夫だったのかなと(笑)。でも、東京特有の災害対策という視点が、都の職員の方や、投票してくださった都民の皆さんに受け入れてもらったと思うとうれしかったです。やってよかったなと思いました。
これによって東京特有の災害対策の課題が解決するとは思っていませんが、これをきっかけに、だれかひとりでも、防災への意識を持ってもらえるとうれしいです。
―提案するまでに苦労した点などありましたか?
渡邊さん:「タワーマンションの災害対策」をどういう提案にしていくか議論していきました。この提案のアイデアは私から出したものでしたが、どう説得力を持たせるかが大事だと思っていたので、ゼミのメンバーと抽象的なものから現実的なものに落とし込んでいきました。災害対策はどうしてもお金と人手がかかるものなので、それを説明して、イメージを持ってもらうというのが大変でした。
村山教授:ゼミ内で競い合った他のグループからは、ペットの防災やごみ箱の位置情報サービス、フードロス対策など様々な提案がありました。コンペのように各グループの順位をつけるのですが、実は渡邊さんのグループが1位というわけではありませんでした。ゼミでの順位は、プレゼンテーションの巧みさの影響が大きかったです。最終的にこの提案が採択されたのは、やはり都の重要な課題の解決に向けた提案だったことが要因ではないかと思っています。
ブレイクタイム☕
―最近のマイブームなどはありますか?
渡邊さん:私は幼いころから恐竜が好きで、全国各地の博物館によく行ったりします。実は地学に興味を持ったのは恐竜からで、中高生の頃は恐竜の研究を志していたこともありました!国立科学博物館はお気に入りの場所の一つです。
(渡邊さんのネクタイも恐竜でした!)
壁を感じるようで、些細なことからいいものが生まれてくる
―今年度も提案の募集を開始していますが、提案を考えている都民の方へ伝えたいことはありますか?
渡邊さん:私自身、「事業提案」という言葉を聞いて、できるの?そんなこと?と思っていました。特に「事業」という二文字に壁を感じるところはありましたね。でも、自分の知識や身近な暮らしの視点からなど、些細なことから実は良いものが生まれてくると思います。それくらいの意識で提案しちゃっていいんだと思ってもらえるといいですよね。
―大学のゼミの一環から提案された事業でしたが、きっかけは身近な視点でした。都民提案は「都民が提案し、都民が選ぶ」ことで、都民の声を直接施策に反映させる仕組みです。東京都で生活し、気づいたこと・思ったことから、是非提案へ結びつけてほしいですね!
―本日はありがとうございました!渡邊さんをはじめとする皆さんの今後のご活躍をお祈りしています!