見出し画像

【怖い女の話】ハチ公のトロール

あれは僕が大学1年の頃。
聖心女子学園祭の後夜祭に行き、僕は美女の連絡先をゲットした。何故か隣にいた巨漢で太った女性も赤外線を出してきたので、美女の手前断るわけにもいかずアドレスを交換した。

彼女を見た瞬間、トロールという言葉が頭に降って来たので、僕はアドレス帳に「トロール」という名前で登録した。以下彼女のことはトロールと呼ぶことにする。
次の日以降トロールから毎日のようにメールが来るようになった。彼女はイルミネーションに行きたいとアピールしてきたが僕は適当に流していた。

するとトロールは合コンを提案してきた。彼女は自信満々に可愛い子を呼ぶと言っており、実際連絡先を交換した時も可愛い子と一緒にいたので僕は快諾した。
美女が来るならこちらもイケメンを連れて行かねば!と思い、学部でトップ3に入るイケメンを呼んだ。

当日、渋谷のハチ公前に行くと、イケてる街に似つかわしくない巨デブが3人。3匹のトロール。醜悪な姿をした彼女達はおそらく「どぉーこぉー」などと言っているのか、周りをキョロキョロしていた。

画像1


僕が友達の方を見ると、イケメンの顔がこれまでないほど引き攣っていた。

少し相談し、僕達は彼女達に声をかけずにその場を去ることにした(酷い仕打ちですが18歳の頃なので許してください笑)。

「ほんとごめん!友達に急用入ったみたいでリスケして欲しい!今度埋め合わせする!」
僕はトロールにメールを送った。

すると、5分後くらいにトロールから電話が。

僕が無視をすると、彼女は留守電を入れたようだった。
恐る恐る聞いてみる。

「ほんとあんたなんなの?可愛い友達集めたのにドタキャン?信じらんない。ほんとゴミだわ。‥」

可愛い友達?🤔
彼女は平気で嘘をつきながら、その後も2分間くらい罵詈雑言を続けた。

巨デブが3人来たとはいえ、ドタキャンをして悪いのは僕だ。
そりゃ怒るよなと思い、僕は心の中で謝りながらで自分に当てられる誹謗中傷を聞いた。

「ほんと死んで欲しいわ。時間返せよ。まじでクズだな‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

30秒くらい沈黙が続いた。僕は留守電は終わったものだと思った。しかし‥



「‥それで、埋め合わせいつしてくれるの?🥺」

変な汗が出た。

次の日からトロールは毎日僕に留守電を入れるようになった。
「ねぇ埋め合わせは?」

「今日は課題終わって飲みたい気分♪」

「友達とイルミネーション行ったけどすごい綺麗だった☆ナンカレ君は最近忙しいの?🥺」


1週間留守電が続いた。

怖くなった僕は、人生で初めて女性を着信拒否した。


彼女は今でもハチ公前で僕を探している。
[完]

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?