記事一覧
Blind Willie McTell
門柱に刻まれた矢印が見える
そいつが示している「この土地は有罪だ
ニューオーリンズから
ニュー・エルサレムに至るまで」
おれはイースト・テキサスを通って旅してる
殉教者がおおぜい倒れた場所さ
君にひとつ教えておくよ
ここでは誰もブルースを歌えないのさ
ブラインド・ウィリー・マクテルみたいには
フクロウの歌うのが聞こえた
天幕を外されたみたいな
荒涼たる木々の向こうの星空に
その歌の唯一の聴 もっとみる
Ain't Got Nothin' but the Blues
くずす小銭さえない
革靴はぺちゃんこだし
くすぐる面白さもない
おれには何もない ブルース以外
元気を出すコーヒーもない
頑張ってみる気力もない
うまくいくような夢もない
おれには何もない ブルース以外
バンドはスウィングしてるし
仲間たちはうたってるけど
おれは頭で
リズムにのることさえできない
信じてくれよ 何にもないんだ
かわいい女が 街を去ってから
うたた寝に安らぎもない
失うほ もっとみる
Blue Valentine
憂鬱なヴァレンタイン・カードが届く
遠いフィラデルフィアから
昔のままのおれのような誰か
そいつとの思い出を祝うために
それはまるでおれに逮捕令状が出たから
いつもバックミラーを確認しながら
クルマを走らせなきゃならない気分さ
だからおれは名前を変えた
だけどここで彼女に見つかるなんて
考えもしなかったよ
憂鬱なヴァレンタイン・カードが届く
それは半分忘れかけた夢のようで
まるで靴に小石を入れた もっとみる
Watching the River Flow
一体おれに何が起きたのか
話せるようなことはあまりない
日の光が窓をすり抜けていき
おれはまだその深夜カフェにいた
それから月明かりの下をぶらぶらと歩いて
トラックがゆっくり行き交う場所へ出た
砂で出来た堤の上に座って
この川の流れを見るために
あの街に戻れたら良いのに
こんな古い砂の堤のかわりに
太陽の光が煙突のてっぺんを叩き
愛する人がすぐそばにいる場所
もしおれに翼があり飛べたなら
おれが もっとみる
In My Life
わたしの人生を振り返れば
思い出すたくさんの場所がある
すっかり変わってしまった場所
永遠に放置されたような場所
地図から消えた場所 跡を残す場所
すべての場所に思い出があるわ
そこで一緒だった恋人たちや友人たち
何人かは亡くなり 何人かは生きている
この人生の中で みんなを愛していた
でも あの恋人たちや友人たちの中で
あなたと比べられる人はいない
この新しい愛について考えるとき
思い出 もっとみる