デルタ株って何?

東京iCDC事務局です。

「変異株」については、以前、東京iCDCのnote記事でも取り上げましたが、ここ最近、都内においては新たな変異株である「デルタ株」への置き換わりが進んでいることから、改めてご紹介いたします。

〇 変異株とは

ウイルスは人の体内に侵入して、増殖する際に遺伝情報をコピーします。そのタイミングでコピーミスが起こることがありますが、その結果、ウイルスの遺伝情報の一部に変化が生じたウイルスのことを「変異株」と言います。
ウイルスというのは、一定の割合で絶えず変異(コピーミス)するものであるため、それ自体は驚くものではありません。例えば、よく知られているインフルエンザウイルスも、同じように変異が生じています。そのため、「変異」というのは、ウイルスの特徴の1つとも言えるものなのです。
一般的にウイルスは増殖・流行を繰り返す中で少しずつ変異していくものであり、新型コロナウイルスも約2週間で一か所程度の速度で変異していると考えられております。

国立感染症研究所では、こうした変異をリスク分析し、その評価に応じて、変異株を「懸念される変異株(VOC)」と「注目すべき変異株(VOI)」に分類しています。なお、世界保健機構(WHO)は、新型コロナウイルスの変異株の呼称について、最初に確認された国名の使用を避け、ギリシャ語のアルファベットを使用しています。

変異株

〇 都内の変異株スクリーニング検査について

東京都では国と連携し、変異株の感染状況を把握するため、変異株スクリーニング検査を実施しています。
東京iCDCにおける変異株スクリーニング検査について

都内における新型コロナウイルスの感染の主体は、これまで、英国で最初に検出された変異株である「アルファ株」でしたが、令和2年10月にインドで最初に検出された変異株「デルタ株」に急速に置き換わりつつあります。

〇 デルタ株について

デルタ株は、国立感染症研究所において、懸念される変異株(VOC)として位置付けられており、主にL452R(452番目のアミノ酸がロイシンからアルギニンに置換)変異を持っております。

デルタ株の特徴は以下のとおりです。
・感染・伝播性が、従来株と比べて97%高い可能性
・従来株より感染性が1.32倍高いと推定されているアルファ株よりも、感染性が1.5倍高い可能性
・入院リスクが従来株と比べて高い可能性
・ワクチンと抗体医薬の効果を弱める可能性

デルタ株の感染・伝播性は、アルファ株よりも増加しており、これまで以上に注意して対策していく必要があります。

〇 変異株への対策について

基本的な感染予防策としては、変異株であっても、3つの密の回避、マスクの正しい着用、手洗いなどの徹底が推奨されています。マスク着用の際には、例えばサイズがあったマスクを選び、肌と密着させて、鼻と口をきちんと覆うよう普段から心がけたり、不織布マスクを選択するなど、皆様がこれまで行ってきた基本的な感染症対策を徹底していくことで感染のリスクを確実に減らすことができます。

マスク

※「新型コロナウイルス感染症 都民向け感染予防ハンドブック(第1版)」より

新型コロナに感染しないために、身近な人に感染をうつしてしまわないために、新型コロナを正しく知り、正しく恐れ、行動していきましょう。

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