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映画「AKIRA」の爆心地を調べてみた。
▶爆心地が気になる
映画AKIRAの冒頭で起こる爆発。関東地方で「新型爆弾」が炸裂し、東京が崩壊したところから物語は始まります。
しかし実は爆発は新型爆弾ではなく、超能力者・アキラの暴走によるものでした。
久しぶりに映画AKIRAを見直していて、ふと「爆心地はどこだったのだろう?」と気になりました。爆心地とはすなわちアキラくんがいた場所です。
▶漫画版では
爆発は1982年12月6日午後2時17分にネオ東京中心部で起きました。
しかし、漫画の爆発シーンに描かれた絵には爆心地がどこなのかを考察する手がかりはほとんどありません。唯一、爆発の右上部に描かれている河川ぐらいです。都心の大きな河川というと隅田川か神田川ぐらいですが、地図と照らし合わせても実際の地形でこれに相当するものは発見できませんでした。
その他の資料としては1986年にアキラ通信号外として記事が出されています。それには「ネオ東京中心部に原因不明の大爆発」「爆発の中心は12区水路付近」と記されています。12区がどこかはまったくわかりません。
まあ、ネオ東京だし仕方ないですね。
▶映画版AKIRAの描写
しかし映画版では設定が変わっており、爆発は1988年7月16日(映画AKIRA公開初日)に起きたとされております。爆発の描写には新宿高層ビル街や富士山が写り込んでおり、位置がとてもわかり易くなっています。
どうみても東京中心部ではなく、ギリギリ都心といっていいぐらいの場所ですね。
ネットなどで軽く調べてみると、その爆心地は三鷹の連雀通りにあったアキラ・スタジオだという説がありました。
ロマンのある話ですが、映画版のシーンを見る限り方向的に三鷹とは思えませんし、爆心地としては都心から遠すぎます。
そこで今回は映画版のシーンを元に、現代の利器GoogleMAPを使って、爆心地の大体の場所を割り出してみようと思います。
▶映画冒頭のシーンから位置を観測
爆発が起きた最初の方のコマ。白く発光している部分から爆発が広がっていきます。副都心周辺は、まだ高層ビルも少なくスカスカですねえ。
新型爆弾が炸裂したのは1988年7月16日ですから、都庁(1991年竣工)もまだありません。
これを下敷きにしてGoogleMapの3D表示で、同じ角度を探します。
絵と写真だとパースにズレがあったりして、完全一致は難しいのですが、概ね同じような構図を再現しました(GoogleMapの画像はほんの少しアスペクト比を変えて映画のシーンに合わせてあります)。
このふたつを重ね合わせてみると…
こんなかんじになります。
ざっと見た感じ、甲州街道(国道20号線)沿いで爆発は起きたようです。
ちなみにアキラスタジオのあった「みらいのコープ下連雀」はこちらの方角になります。残念ながらこちらの可能性はないようですね。
▶爆心地は杉並区永福!
GoogleMapに戻り、爆心地と思しき地点周辺にピンを打ちます。
と、ピンには「和泉図書館」の名前が表示されました。
ちょっと角度を変えてみるとこんな感じ。
住所でいえば杉並区永福1丁目。
京王線明大前駅周辺が爆心地っぽいですね。多少ズレはあるとしても、下の写真の範囲あたりが爆心地=アキラくんのいた場所となりそうです。
▶アキラのいた場所:2つの候補
この周辺で爆発しそうな場所=アキラを幽閉していそうな場所というと、2箇所ぐらいしか見当たりません。
1:東京都水道局 和泉水圧調整所
これは怪しい。いかにもなにかを封じ込めるためのものに思えます。都の施設であることも疑惑を深めますね。
水道局の施設というのは当然ながら偽装でしょう。
2:明治大学和泉キャンパス
大学が秘密裏に超能力研究を行っていた、というのも魅惑的なストーリーラインです。きっとマッドサイエンティストな教授がいて、地下に大規模研究施設を作っていたに違いありません。
▶結論
もちろん映画の描写がそれほど精密ではなくテキトーで、設定とは別物という可能性が高いことはわかっています。原作漫画だとこんな感じだしね。
それはさておき、とりあえず今回は映画を基準に冒頭シーンの描写から、アキラくんの所在を探ってみました。
個人的には2つの候補のうち、よりロマンの香りが強い「明大が地下施設で秘密裏に超能力研究を進めていた」説を採りたいと思います。
おそるべし明大。
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