マイナンバーカード普及のカギとは!?~青梅市CIO×都CIO座談会①~
東京都・区市町村CIOフォーラムにおける活動の一環として、都内各自治体CIO等へ「東京都・区市町村CIOフォーラムマガジン」を発行しております。今回は、マガジンに掲載した内容を一部公開します。
第7回は、「青梅市CIO×都CIO座談会」をお届けします!
※CIO(情報統括)責任者:組織の情報戦略における最高責任者
※東京都・区市町村CIOフォーラム:都CIOと各区市町村のCIO(主に副首長)等が相互に密接な連携と協力を深め、電子自治体の構築や行政施策へのICT活用等の諸課題に関して、テクノロジー情報や導入ナレッジの共有化を通じて、都及び各区市町村のDX施策推進に寄与することを目的として設置
※この記事は全2回でお届けします。
令和3年10月18日に、「第7回東京都・区市町村CIOフォーラム座談会」として青梅市CIOと都CIOの座談会を実施しました。
青梅市の取組について
DXの更なる加速
青梅市企画部情報システム課長:和田
青梅市では、申請や手続等のオンライン化推進については、市の運営の基本方針を決定する経営会議で決定しております。また市の取組としてはマンナンバーの普及を進めており、本年5月の連休明けから市役所1階に特設会場を設けて、マイナンバーカードの交付促進に努めております。その結果、9月末時点で申請数は約64,000件、申請率は50%に近づいています。
市のデジタル人材育成の取組については、情報セキュリティに関する研修として、昨年度から従来の集合型研修に代わって、J-LISが主催するリモートラーニングによる情報セキュリティ研修を取り入れ、全職員を対象に受講させており、ICT入門コースについても希望者34名が受講しています。情報セキュリティ内部監査においては、毎年職員が研修を経て、監査委員となり所属会の監査を行うことで、デジタル人材育成の一助となっております。
外部の人材登用については、令和元年度に総務省の地域情報化アドバイザー制度を利用し、アドバイスをいただいた方を市のデジタル専門のアドバイザーとして契約し、継続的にアドバイスいただいております。
それ以外のデジタル化の取組としましては、AIチャットボットやRPAを導入し、実務的に稼働させています。テレワークについても試行的に取り組んでいます。
また、庁内LANを無線化し、基本的に端末をノートパソコンにすることで、庁内のデジタル化を図っております。
標準化に向けた対応として、基幹系業務システムはノンカスタマイズでの導入をしています。
マイナンバーカードの普及促進
マイナンバーカードがないと生きていけない世界
宮坂
マイナンバーの普及促進に相当力を入れていらっしゃると思ったのですが、マイナンバーを重要視されている背景はどういったものでしょうか?
青梅市CIO:池田(以下「池田」)
やはりマイナンバーによって市役所に来なくても様々な手続ができるようになることかなと考えております。そういう意味で大勢の市民の方に取得していただき、庁舎になるべく来なくても手続が済むような仕組みを作りたいと考えています。
宮坂
デジタルガバメントを国も区市町村の皆さんも作ろうという時に、受益者はマイナンバーを持っていらっしゃる方になってしまいますので、何はともあれマイナンバー利用者を増やさないと、いくら良いサービスを作っても受益者が増えないですよね。普及させるためのコツであったり、成功パターンみたいなのは出てきたりしているのでしょうか。
池田
マイナンバーカード申請には必ず写真が必要なので、撮影をサービスとして実施しています。記入についてもある程度その場でアドバイス・サポートをし、お帰りになるときに、あとは本人が署名して投函すればいいぐらいのところまではしています。特に年配の方が評判いいですね。
宮坂
凄いところに目を付けましたね!今後さらに普及させていく上での課題やポイントだと思っていらっしゃる点は何かありますか。
池田
マイナポイントが付くといっても申請していない方も大勢いらっしゃいますし、年配の方にとってはいくらサービスしてもなかなか申請のハードルが高いのが現状です。作った方に対して具体的なメリットがどの程度出るのかがある程度見えていかないと、ある一定の割合以上はいかないのでは推察しております。
宮坂
せっかくマイナンバーを申請したのだから、その後の具体的でわかりやすいメリットみたいなものが必要ということですね。
池田
そうですね。持っていなくても特に不都合がないというのが普及しない一番の原因だと思いますね。ですから、マイナンバーカードがないとできないことが増えるにつれ、申請数も増えるのだと思います。免許を取るにはマイナンバーがないとできないとか。諸外国のように、マイナンバーがないと生きていけない世界にならないと普及は難しいと思います。
執筆者:三田 恭平(デジタルサービス局戦略部戦略課)
編集:星野 惇(同上)
バックナンバー
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?