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DXな日常・OSS共創サービスを始めましょう!!

東京都OSSガイドラインの公開を皮切りに、行政と市民エンジニアとの共創を推進し、行政のOSS活用を後押しする、「Tokyo OSS Party!! 2021」を実施しました。
 東京都OSSガイドラインについてはこちら

 Tokyo OSS Party!! 公式HPはこちら

本イベントは行政としては例を見ない初めての試みでしたが、36名もの方にご参加いただき、10チームがオープンソース化を目指してプロダクト(アプリケーション)開発にトライしました。
 イベント終了後も、slack上では参加者と行政との間で活発に意見交換が行われています。
 Tokyo OSS Party!!のイベントは実施することが「ゴール」ではなく、今後の行政のOSS活用を検討するための、そして市民エンジニアと行政との新しい共創の形を探る「スタートライン」として、その機能を果たしたと感じています。
 今回は、本イベントでどんなアプリケーションが生まれたのか、また、今回参加された方たちのコメントや感想などをまとめました。

その1:入賞作品および入賞チームのご紹介

最優秀賞:shikuchoson-hazardmap-template

「Ruby が好き」チームは、”多くの市区町村には紙での配布を前提とした PDF のハザードマップしかない”課題に対して、GitHubアカウントさえあれば、コーディングの知識なしで市区町村の Web ハザードマップを手軽に作成・公開できるテンプレートを作成しました。

受賞者の声
まさか最優秀賞が取れると思わず、驚いています。
より良いサービスにするために行政の協力が得られるという前提があるという、良いハッカソンだったと思います。競い合う、というよりは「一緒につくる」ということができ、とても楽しいチャレンジになりました。
当日の発表プレゼン資料は以下からご確認できます。

また、利用についてのデモ動画はこちら。※音声はありません。

シビックテックの方が活用されていますので紹介記事をご紹介します。


優秀賞(Social Welfare賞)マイクロボランティア履歴

「マイクロボランティア支援隊」チームは、”障害の特性や障害者がおかれている状況は多種多様で障害者支援サービスの開発がそこまで活発におこなわれない”課題に対して、障害の内容や置かれた状況など個別の事情に合わせたサービス開発を促進するためのプラットフォームとして主に近距離でのマッチングとユーザー管理機能はプラットフォームに任せて開発者は独自のアイディアを実装することにフォーカスできる「マイクロボランティア履歴」サービスを開発しました。

受賞者の声
障がい者の方の本質的な課題にアプローチするために何をすれば良いかというところについて、最後の最後まで悩みました。今後の発展について鑑みた結果、このようなサービスに落ち着いた形です。それが評価される形となって嬉しいです。

サービス詳細は、以下をご確認ください。


優秀賞(Hazard map賞)みんなで備える防災備蓄マップ

Arumonチームは、最優秀賞と同じ”PDF のハザードマップしかない”課題に足して、防災備蓄の観点から“自助”の備えは足りていないが行政の公助(公的機関による支援)は不要な人は多くいるのではないかと感じた。そんな人たちが活用できる”共に助けあえる(共助)”として防災備蓄の仕組みを作りました。

受賞者の声
他のハッカソンは競い合うものですが、Slackのやりとりなどでも、色々なチャンネルで「こうしたらいいんじゃない?」「こうしたら解決したよ」などのやりとりが盛んに行われており、このハッカソンは助け合うハッカソンだったというところが良かったと感じています。ありがとうございました。

サービス詳細は、以下をご確認ください。

※他チームの発表内容もとても素敵な内容であり、次回以降のNOTEにて
 ご紹介させていただきます。

To Be Continued ===>

その2:市民エンジニアはどこから来たのか

終了後のアンケートで、参加者の皆さんに本イベントへの率直な声をいただきました。一部抜粋してご紹介します。

  • 新しい技術を使うための目標として。 もともとシビックテック領域に関心があったため

  • 仲間と一緒に何かをつくりたかった

  • プログラミングスクールにて得た知見で社会課題にどのようなアプローチができるかを知りたかったため

  • ハッカソンという腕試しの場に挑戦したかった

  • OSSが好きだった。 アイデアに少し自信があった。 自身が作ったプロダクトが社会で活用されるのを見たかった。 ハッカソンのメンターなどの経験はあるが参加者側で参加をしたことはなかったので経験をしておきたかった。 ハッカソンの運営をどのように進めるのか見たかった。 シビックハッカーが活動するモチベーションの建前ではなく本音を紐解きたかった。

  • 技術力向上の開発機会として参加を決意

  • 行政課題の解決に向け、市民目線でコードを書いてチャレンジできることが面白そうだと思ったから

  • 東京都がオープンソースに取り組むことが素晴らしいと感じたからです

  • ①行政(東京都)の OSS 活用の現状やノウハウが知りたかった、②コードを書く目的がほしかった

  • 自治体主催のハッカソンということで面白そうなのと、以前開発したサービスが少し活かせる可能性があったから

  • 地方自治体の課題を考えるきっかけとしたかったため


その3:市民エンジニアが今後の行政とのコミュニティに期待すること

参加者の皆さんに今後のコミュニティに関しても率直な声をいただきました。一部抜粋してご紹介します。

  • 引き続き、副都知事といった行政のトップに近い立場の人と、開発者とを同じコミュニティ、議論の場に巻き込むこと

  • 一度参加した人が定着して、継続的に参加できるような要素があると良いと思います

  • 情報交換等、気軽にできる場であったら嬉しく思います

  • CivicTechとやりがい搾取は隣り合わせの関係にあると考える(そこには自由意志の有無が関係していると思います)ので、入賞して今後も開発を進めていく方々のためにもうまく継続して回り続けられる仕組みがあるといい。(ある程度の形ができた先に自治体から予算が出るなどもあるかと思いますが、もっとその前段から無形のインセンティブではない形で活動できるような社会ができると素晴らしい) OSS開発者におけるマネタイズの課題を解決してほしい。昨今のlog4jの問題もそうですがOSS開発者はボランティアベースにもかかわらず何か問題があれば大きな批判を受けることになってしまうのは残念です。

  • 今後も継続されるかと思いますので、歴代のハッカソン関係者(メンター、参加者など)で交流の機会を持てれば面白いと思います。行政のみでなく地域課題を解決するプチハッカソンを頻繁に企画するなど。

  • 今回のみで終わるのではなくまた何かしらで繋がれると面白いなと思います

  • 心理的安全性の高いコミュニティになってほしいと思います

  • 緩やかな交流場

OSS共創サービスの夜明けと今後の展開

継続して関係者と協議を重ね、実装に向けた検討を実施します。この取組を通して、OSS公開ガイドラインの運用上の課題等を抽出しブラッシュアップを図ると共に、行政による課題解決に向けたシビックテックの推進や、共創されたOSSを活用するという選択肢を浸透させるための契機とします。

合わせて、ダッシュボードを利用して東京都内のOSS浸透を計測して行けたら嬉しいです。

◾️記事
デジタルサービス局戦略部デジタルシフト推進担当課長
  元谷 崇
  松野 友雄
デジタルサービス局戦略部戦略課
  星野 惇
  山田 篤彦

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