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使いやすい行政サービス提供のために~江東区×都CIO座談会①~


東京都・区市町村CIOフォーラムにおける活動の一環として、都内各自治体CIO等へ「東京都・区市町村CIOフォーラムマガジン」を発行しております。今回は、マガジンに掲載した内容を一部公開します。第15回は、「江東区×都CIO座談会」をお届けします!

※CIO(情報統括責任者):組織の情報戦略における最高責任者
※東京都・区市町村CIOフォーラム:都CIOと各区市町村のCIO(主に副首長)等が相互に密接な連携と協力を深め、電子自治体の構築や行政施策へのICT活用等の諸課題に関して、テクノロジー情報や導入ナレッジの共有化を通じて、都及び各区市町村のDX施策推進に寄与することを目的として設置。

※この記事は全2回でお届けします。

令和3年11月10日に、「東京都・区市町村CIOフォーラム第15回座談会」として江東区と都CIOの対談を実施しました。

参加者(敬称略)
江東区政策経営部情報システム課長:伊藤 剛
江東区政策経営部情報システム課IT推進係長:寺嶋 曜十
都副知事(CIO):宮坂 学
都デジタルサービス局戦略部長:深井 稔
都デジタルサービス局戦略部戦略課長:小澤 洋之


江東区情報化推進プラン

4つの指針と10の施策

―江東区様の取り組みについてご紹介お願いします。

江東区政策経営部情報システム課長:伊藤(以下「伊藤」)
はじめに、昨年度策定した江東区情報化推進プランについてご紹介いたします。

まずはプランの概要についてです。「Society5.0」で実現する社会を見据えて、 ICTを利活用し、区民にとって便利で質の高い行政サービスの提供と効率的な行政運営を推進することを目的に本プランを作成しています。
プランの推進にあたり、4つの指針を柱に、10の施策の取り組みを進めているところです。
施策1、2は、RPAやAIなど、ICTを活用した行政運営の効率化を目指しています。
施策3~5は、電子申請の拡充やマイナンバー制度の推進、学校のICT環境の整備など、区民の行政サービスの利便性向上のための取り組みを進めています。
施策6~8ではそれらを支える情報インフラの整備、施策9~10では、ICTガバナンスの強化とICT人材の育成、情報セキュリティ確保を掲げております。
この10の施策をもとに16の個別施策の方向性を定め、令和2年度以降、各課のICT活用の意向やニーズ調査を実施し、具体的な取り組みを定めて、全庁的に情報化施策を推進していきます。

電子申請の拡充と業務効率化

令和2年度と本年度の主な取り組みをご説明いたします。1点目は、行政手続きのオンライン化についてです。

行政手続きのオンライン化については、平成17年から東京電子自治体共同運営電子申請サービスの利用を開始して以降、各所管課に利用を依頼してきました。本区で利用できる手続きは他区に比べて少なく、今年度当初は18手続きに留まっていました。
このため、区の全ての行政手続の棚卸調査を行い、申請件数の多いものからオンライン化に着手しました。
条例改正や運用ルールの見直しが必要なものについては、オンライン化の対応が整い次第順次拡張していく方針を決定しました。
今年度はこの結果をもとに、優先的に取り組むべき手続きを選定し、約90手続きを東京電子自治体共同運営電子申請サービスで、11手続きをぴったりサービスで、電子申請することを可能とし、行政手続のオンライン化の拡充を図っていく方向性で進めております。
2点目は、ICTを活用した業務改善・効率化、生産性の向上を目的に、在宅勤務型テレワーク可能端末な環境の整備、ペーパーレス会議システムの導入、庁内無線LAN環境の整備を実施しました。
3点目は、RPAを活用した業務効率化です。RPAについては区民から提出された申請書等の紙文書をスキャナで読み取り、読み取った項目をデータ化し、システムに取り組むAI-OCR、RPAを導入しました。また今年度は、職員自らシナリオを作成し、RPA化するツールの導入を進めています。
4点目は、AIを活用した業務効率化です。保育所利用調整として、例年5000人程度の保育園希望者の内定者の調整について、AIを活用したシステムの構築と運用、もう一点、AIを活用した議事録作成支援ツールの導入を行っています。

ユーザー視点の電子申請へ

都CIO:宮坂(以下「宮坂」)
聞いてみたいことがたくさんありますが、まず共同運営電子申請サービスについて、ユーザーとして感じる点があれば教えていただきたいです。

伊藤
電子申請サービスだけではなく、区民の声を今回聞いてみたいなと思っていまして、江東区で実施している世論調査の中にICT関連の項目を加えてもらい、電子申請サービスをどう感じているか拾おうと思っているところです。やはり区民目線・利用者目線の意見を聞き取り、反映する仕組みがあるといいと思っています。私どもでそのような意見を吸い上げ、改善要望として都に挙げさせていただければと考えています。

宮坂
ありがとうございます!利用者と一番近い方に最も重要な情報が集まっていると思います。そういったものを積極的に聞けるようなチャネルを作って、少しでもニーズに合ったものを作っていきたいと思っています。

前半は江東区の情報化推進プランに基づく様々な取組について教えていただきました。後半もお楽しみに!

執筆者:津田 和幸(デジタルサービス局戦略部戦略課)
編集:星野 惇(同上)

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