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清瀬市CIO×都CIOの座談会を実施しました!part1

東京都・区市町村CIOフォーラムにおける活動の一環として、都内各自治体CIO等へ「東京都・区市町村CIOフォーラムマガジン」を発行しております。第5回は、「清瀬市CIO×都CIO座談会」をお届けします!
※CIO(情報統括)責任者:組織の情報戦略における最高責任者
※東京都・区市町村CIOフォーラム:都CIOと各区市町村のCIO(主に副首長)等が相互に密接な連携と協力を深め、電子自治体の構築や行政施策へのICT活用等の諸課題に関して、テクノロジー情報や導入ナレッジの共有化を通じて、都及び各区市町村のDX施策推進に寄与することを目的として設置

この記事は全2回でお届けします。

令和3年10月15日に、「第5回東京都・区市町村CIOフォーラム座談会」として清瀬市CIOと都CIOの対談を実施しました。

参加者(敬称略)
清瀬市CIO:清瀬市副市長 瀬谷 真
清瀬市総務部長:南澤 志公
清瀬市情報政策課長:海老澤 悟
東京都CIO:宮坂 学
東京都デジタルサービス局戦略部長:深井 稔

清瀬市の取組について

DX推進計画に記載されているものは全て重要な施策

―まずは、清瀬市様の取組についてご紹介をお願いします。

全体

清瀬市情報政策課長:海老澤(以下「海老澤」)
清瀬市におきましては、新庁舎が完成し、5月に供用を開始したところです。それに伴いまして、無線LAN化などネットワーク環境も大きく刷新しました。
既存の情報化推進計画は、令和4年度までの計画を記載していましたが、国からDX推進計画が通知されたため、今年度中にDXを反映した新たな情報化推進計画を前倒しで策定していく予定です。
次にデジタル分野で特に重点的に取り組んでいるテーマですが、情報システムの標準化、行政手続きのオンライン化、AI・RPAの利用、テレワークなどDX推進計画に記載されているものは全て重要な施策という認識です。
AI・ RPAは、昨年より本格的に取り組んでおり、支出命令書の作成業務や財産照会業務に適用して、年間で約2000時間の業務削減効果を達成する見込みです。
テレワークは、現在J-LISのテレワークシステムを利用しておりまして、今年度8月から全庁的な実証実験を開始しました。また、職員が自宅端末及びインターネット環境を利用することとし、ルールを定めた運用基準を整備しました。
新たなシステムについては、令和6年度に文書管理システムを導入し、文書のデジタル化を進めていくところです。これまで全て紙で管理していたのですが、電子決裁を導入する予定で、コピー用紙のペーパーレス化、ハンコレス化に大いに寄与するものと考えております。
最後にデジタル人材の育成ですが、民間のSE経験者を活用して、内部人材を育成することで業務を進めております。情報政策課の職員、係長以下6人ですが、SE経験者3人を情報政策課に集約化しています。これにより、基幹系システムのクラウド化、新庁舎の無線LAN化ではペーパーレス化の推進など新たな事業を推進していくことが出来ました。

東京都CIO:宮坂(以下「宮坂」)
今日は本当にお忙しい中お時間をとって頂きまして、ありがとうございました。都の方もデジタル化は一生懸命やっていますが、ぜひ区市町村の皆さんと一緒に情報共有をしっかりさせてもらいながら一緒にやっていければと思っております。これをご縁によろしくお願いします。

環境整備とテレワークの取組

新庁舎とともに進むDX環境の整備

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宮坂
まず環境整備についてですが、新庁舎への移転に伴って無線LAN化を行ったということですね。

清瀬市副市長:瀬谷(以下「瀬谷」)
新庁舎が5月から供用開始になりました。それに伴いまして、無線LAN化を始め、かなりの環境整備は出来ていると思っております。

宮坂
職員の皆さんはどうですか。新庁舎で環境も変わったことにより、ビフォーアフターでいうと、だいぶ働きやすくなったという声が大きいですか。

瀬谷
そうですね。職員からはずいぶん働きやすくなったという声はあがっております。

宮坂
テレワークの推進をするにあたって、何かご苦労された点はありましたか。

瀬谷
どの業務でテレワークができるのか、どの職員ができるのか選ぶという部分が最初に苦労しました。情報政策の部門と、それから総務の職員でとりあえず始めてみましたが、ある程度効果はあがっているということで、これから全庁的に広めていきたいと思っております。

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宮坂
私がよく聞いていた課題は三つあり、個人情報を扱う仕事が多いからできないというのがまず一つ目です。それから二つ目は、都庁の話で多かったのが割と図面を扱う部署が多いんです。図面はやはり大きいモニターがないと見づらいですし、図面に書いたりもできないので、今のパソコンやタブレットは厳しいという意見が多かったですね。三つ目は、テレワークはしたいのですが、子供も家族もみんな家にいる時期だったので、書斎がなくて仕事にならないといった住宅環境そのものの問題です。この三点はよく聞いていて、それぞれ大事な問題だと思っています。清瀬市様も同じような問題はありましたか。

海老澤
ありましたね。紙を家に持って帰れないことが課題としてあります。文書管理については、現行では全部紙で処理しています。
決裁するのに、紙を印刷しなければなりませんし、伝票関係も紙なので、紙をデジタルに移行させないと、決裁権者もテレワークができません。
やはり財務会計や文書管理のデジタル化がキーワードだと考えています。

宮坂
確かに大事な情報が紙で、それを見ないといけない、判子を使わないといけないとなると、家でできる仕事がメールのチェックと資料作りくらいに限定されてしまうかもしれませんね。
今後、内部事務や決裁といった分野もデジタル化の動きはあるのでしょうか。

海老澤
このテーマについて部会を立ち上げていまして、令和6年度に総合内部情報システムという形式で、文書管理や財務会計で導入を検討しております。そのタイミングでデジタル化が進められればと考えています。

宮坂
都庁も今まさに、内部の様々な仕事についてデジタル化しようと取り組んでいますので、様々な情報交換をできればと思います。

東京都デジタルサービス局戦略部長:深井
都ではテレワークを行うにあたり、支給されているパソコンを持ち歩かなければなりません。清瀬市様は自宅のパソコンでテレワークができるということでしたが、どのように運用されていらっしゃるのでしょうか。課題やメリット等があればお聞かせください。

海老澤
庁内でアンケートをした結果、約9割は自宅にパソコン環境があるということが分かり、それを使ってもらおうということで始めました。また、テレワーク時にはJ-LISから提供されているシステムを利用しています。こちらは画面転送で、セキュリティも担保されているということから導入しました。
特に、家からインターネットで繋ぐということについて、特に問題があるというようなところもなく、J-LISから提供されているシステムもかなり快適に利用できているという話は聞いています。支給されたパソコンを持ち帰ると紛失の危険があります。セキュリティを担保したうえで、自分の資産を使ってもらいたいという考えです。

前半では清瀬市の取組やハード面の整備等について意見交換をしました。後半もお楽しみに!

執筆者:寿 一則(デジタルサービス局戦略部戦略課)
編集:星野 惇(同上)

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