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AI導入とIT人材確保、キーワードは人間のクラウド化!?~江東区×都CIO座談会②~

東京都・区市町村CIOフォーラムにおける活動の一環として、都内各自治体CIO等へ「東京都・区市町村CIOフォーラムマガジン」を発行しております。今回は、マガジンに掲載した内容を一部公開します。第15回は、「江東区×都CIO座談会」をお届けします!

※CIO(情報統括責任者):組織の情報戦略における最高責任者
※東京都・区市町村CIOフォーラム:都CIOと各区市町村のCIO(主に副首長)等が相互に密接な連携と協力を深め、電子自治体の構築や行政施策へのICT活用等の諸課題に関して、テクノロジー情報や導入ナレッジの共有化を通じて、都及び各区市町村のDX施策推進に寄与することを目的として設置。

※この記事は全2回でお届けします。前半はこちら

令和3年11月10日に、「東京都・区市町村CIOフォーラム第15回座談会」として江東区と都CIOの対談を実施しました。

参加者(敬称略)
江東区政策経営部情報システム課長:伊藤 剛
江東区政策経営部情報システム課IT推進係長:寺嶋 曜十
都副知事(CIO):宮坂 学
都デジタルサービス局戦略部長:深井 稔
都デジタルサービス局戦略部戦略課長:小澤 洋之

AIの導入効果

都CIO:宮坂(以下「宮坂」)
保育園の利用や議事録作成でAIを使っているということですね。最先端の取り組みが素晴らしいなと思うんですけども、使い方の支援や、現場へのインストール方法を教えていただけますか。

江東区政策経営部情報システム課長:伊藤(以下「伊藤」)
保育園の入所申請に対する調整で使う部分について、所管課に昨年度の試行実施状況を聞いたところでは、毎年10人で4,5日かかる作業をAIであれば1分程度で出来ると聞いています。その中での問題は、その中で数%の調整が必要であるという点です。現在その調整をやっていて、今年度から使っていく予定です。

宮坂
ありがとうございます。議事録作成の支援AIはどのように使っているのでしょうか。

伊藤
議事録はシステム自体が入ったところで、現在調整中です。そのため、一部で試行利用しているところです。

宮坂
ありがとうございます。
区市町村の方に加え、都でも様々なトライをしています。うまくいったこと、うまくいかなかったことを共有して、皆さんと推進したいなと思っています!

共有・公開・カスタマイズ

人間のクラウドサービス?

宮坂
17業務の標準化に関しては、皆さんにとってすごくプレッシャーがかかる仕事だと思います。取り組み状況や、都への要望・困っていることがあれば教えていただきたいです。

伊藤
住民サービスに係る部分は現在オンプレで運用しています。クラウド化も当然やっていかなければならないので、まさにこれからが大変なところです。取り組み状況としては、ベンダーから情報収集し、所管課に組織体制の整備と見直しに関する情報提供を行っているところです。
DXの推進もあるので、新しいことへのチャレンジが情報システム課として多くなってきていて、19名の職員でやっていくには中々厳しい状況です。

宮坂
19名は中々すごいですね!確かに新しいことをやるのは大変ですよね。

伊藤
都へは、そういったところで支援いただける部分があればと思っています。

宮坂
17業務の共同化もそうですし、人材に関してはある意味、東京都で人材を共同化して、必要なところへオンデマンドで出していくといった、ある意味人間のクラウドサービスにしようと思うんです(笑)
そのような共同化の話は、様々な自治体からいただいています。
もう1つあったのが、研修の共同化ですね。研修を都と一緒にやりたいとか、要望があれば教えてください。

伊藤
ありがとうございます!まさに研修の部分が課題になっています。我々も来年度ICT講習会のようなものを、専門の講師を呼んでやろうと考えているのですが、都と一緒にやれる部分があれば、全庁的に職員をそちらの方に参加させたりと、工夫してやれたら素晴らしいなと考えております。

宮坂
情報交換もしやすくなると思うので、頑張りたいと思います!

指針の公開→自由なカスタマイズ

伊藤
話は変わりますが、昨日(※令和3年11月9日)、第1回東京デジタルサービス会議を視聴させていただきました!
行動規範や行動指針、デジタルサービスガイドラインの話はすごく参考になります。こういった取り組みを今後色々と決められていくと思うので、情報提供していただいて、連携していただけると助かります。

宮坂
ありがとうございます。連携というお話をいただいたように、東京都の指針と他の都道府県や区市町村の皆さんの指針はそこまでずれるとは思えないんです。
指針やガイドラインができたらそれを公開して、皆さんで自由にカスタマイズしてもらった方が効率的だと思います。
逆に皆さんの視点から見てこういう指針を作ってほしいというものがあると思います。そういったご意見をいただけると我々も参考にできると思いますので、ぜひよろしくお願いします!

―本日は貴重なお時間をいただき、色々な形で意見交換をさせていただきありがとうございました!

次回もお楽しみに!

執筆者:津田 和幸(デジタルサービス局戦略部戦略課)
編集:星野 惇(同上)

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