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パーフェクトデイズの作り方

社会人として働くようになってから、家と職場の往復で休みの日も家でゴロゴロ。そんな風に毎日同じことの繰り返しで過ごしている人はきっとかなり多いはずだ。もちろん私もその中の1人である。

毎日ただ同じ日々を過ごしていると、時たま「これでいいのか?」という焦りを感じることもある。
変わり映えのしない毎日は何故か人生の停滞を感じさせる。私はこの街に来てからまだ1年も経っていないが、すでに毎日の生活に慣れて停滞を感じている。

と言いつつも、正直慌ただしい毎日は苦手だ。だからこそ、私は自分の中で心地いい瞬間と方法を見つけ、それを組み合わせることで平和な毎日を保つようにしている。それに慣れると、変わり映えしないな、なんて文句を言うのだ。非常に矛盾している。

完璧な日々、それは日常。

そんな中、PERFECT DAYSという映画に出会った。年末に家から1時間歩いて映画館まで見に行った。それは年の終わりを飾るには最高の映画だった。
とにかく変わり映えのしない毎日を見せられる映画で、セリフもかなり少ない。
朝起きて、いつもの準備をして、仕事に行って帰る。夕飯はいつも同じ店。私と同じような毎日。それでも画面に映る主人公は、私よりも遥かに幸せそうなのだ。何故なら彼は、少しずつ変わる木々の木漏れ日を観察して感動したり、丁寧に仕事をこなすことで新しい発見をしていたからだ。

そしてこの映画に出会ってから、私も毎日の小さな輝きを探すようになった。綺麗ごとかもしれないが、同じ毎日でもやはり少しずつ違う毎日だ。
そんなことを意識しながら、雨の中コンビニに行く。いつものコンビニで、お気に入りの弁当を買ってただ帰る。それでも、傘越しに見える世界は少しだけ綺麗に見えて、こういう小さなことにもっと気づけるようになれば、映画の中の主人公のように穏やかな幸せを感じるのだろうか、と思った。

水滴越しに映るライトが綺麗に見えた

見る、意識することの大切さ

また別の平日の夜。次の日の用事のためにどうしても必要なものがあったので、仕事終わりに急いで隣駅のアリオまで向かう。このアリオももう何度も来ていて、すっかり馴染みの光景になってきた。他に特に用事もなかったので、目当てのものだけ買って足早に帰ろうとした。「ちょっと待て。」と私の中の綺麗ごとが口を出す。せっかく平日の夜にアリオに来たのに、なんの楽しみも見つけずに帰る気か、と。そういうわけで携帯を見ていた顔をあげ、「何もないなあ」なんて思いながら出口に向かっていると桜が見えた。来た時も同じ扉から入ってきたはずなのに気づかなかった。変わり映えのしない毎日を感じるのは、景色を見ようとしない自分のせいなのかもしれない。顔をあげれば春が近づいている事に気づけるのに。

桜に囲まれただるま。縁起が良さそうなので心の中で合掌。

そしていつも通り歩いて家まで帰る。
大好きな環七通りを歩きながら、通りにある業務スーパーに寄ってついでの買い物を済ませる。意外と買い物に時間がかからなかったので、調子に乗って回転寿司に寄って夜ごはんを食べた。実はここまでで3時間しかかかっておらず、アリオ、業務スーパー、回転寿司をこの短時間で満喫したことに、大きな充実を感じていた。それと同時に、改めてこの街の利便性を実感する。

行った場所はいつもと特に変わらないが、間違いなくいつもとは違う日だと感じられた。毎日過ごす街、見慣れた店、光景。それでもやっぱり毎日少しずつ違う。それに気づける日をもっと増やしていきたいと思った。

Written by HINA

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