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松田崇志|大野人 in 大野|時間も場所も越えるアーティスト

「大野人 in ____」とは、「大野人※」を一人お招きし、7つの質問を通して「大野」を考えるきっかけをつくる、生配信インタビュープロジェクトです。
※大野人(おおのびと)=福井県大野市に住む人、大野生まれの人、大野が好きな人など、大野になんらかの縁がある人。

第4弾は、キャラクターアーティスト、絵本作家の松田崇志(まつだたかし)さんです。松田さんは以前まで東京でお仕事をされていましたが、現在はご家族と一緒に大野にいながら東京など大野の外のお仕事をされています。時間を越えてずっと残るものを大野でつくられています。

Q.1 簡単なプロフィールは?

大野市で生まれて、有終西小学校、陽明中学校、そして大野高校から東京の多摩美術大学を出て、そのあとウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社にアーティストとして入社しました。この会社は、アメリカにあるウォルト・ディズニーの日本支社で、東京にある会社です。そこでディズニーキャラクターのイラストを描いたり、商品の監修をしたりする仕事をしていました。
そこに勤めた後、独立して会社を立ち上げてイラストレーターやキャラクターアーティストの仕事をしています。会社は、妻と一緒に二人でやっていいて、妻もウォルト・ディズニー・ジャパンの同期でアーティストとして入社して、絵を描く仕事をしています。
フリーになって15年たった46歳の時に、大野市に戻りそこから丸9年立ちました。

デザイナーになろうと思ったきっかけは?

子供の頃から絵を描くのが好きというのもあって、高校二年生くらいのときに将来何をするか真剣に考えたとき、改めて絵を描くことで食べていきたいと思いそこで決めました。
美大など色々経験していくうちに、時間を越えてずっと残っていくものを作りたいと思う様になり今も続けています。

Q.2 いまどこでなにしてるの?

今は大野市でフリーのキャラクターアーティストの仕事をしています。

依頼していただいている企業は東京や大阪が主なので、コンピュータで描いたデータを、インターネット上のサーバを介して先方に送って、ダウンロードしてもらうという形で仕事をしています。

企画を立ち上げるときは、依頼していただいた会社に行って目と目を合わせて、「こんな感じですか?」とその場でラフを描いたりしながら決めて、作業は大野に帰ってやるという感じになっています。

コロナ禍で先方に伺う機会はなくなってしまいましたが、メールや電話、オンライン会議で最初の打ち合わせをやって、あとは以前と同じような形で仕事をしています。

どういうきっかけで大野に?

正直なところ、ご先祖からの土地が大野市に元々あってというのが大きいですね(笑)
長男なので戻らないといけなかったんです。
というような理由もありますが、広いところでのびのびやりたいこともありました。

仕事のやりやすさを比べれば東京にいたときと変わらないですね。
打ち合わせに行くのは大変なんですけど、ずっと大野にいても外に行きたくなっちゃうので、東京行って戻ってきてというのは良い刺激になります。
車を運転するのが好きなので。

一緒に来てくれた家族に感謝

妻は神奈川の都会出身なので、大野に戻りたいと伝えた時、最初は「嫌です」と言われました(笑)
色々と話し合いながら何年かかけて、納得してくれて一緒に来てくれました。
感謝しているというか惚れ直したというかそんな感じです(笑)

息子と娘がいるんですが、自分の子どもたちには、大野市に帰るからには、大野市がふるさとだと思って欲しかったんです。
息子が中学校、高校のタイミングで6年間大野市にいてもらえれば故郷だと思ってもらえるかなと考えていました。実際にはそのタイミングでの移住は難しかったので、保留になっていました。
それでも戻りたい理由があったのと、私も子どもたちもみんな背が高くて家が狭くなってきたんです(笑)
息子が高校に行くタイミングで改めて話してみて、みんな納得のうえで戻ってきました。

実際に大野に帰ってみて、最初は慣れないし、東京と比べて少し静か過ぎると感じることもありましたが、今は家族も慣れて来ていますね。
娘は小学生だったんですけど一ヶ月で大野弁をしゃべっていました(笑)

Q.3 大野との関係は?

住民税と法人税を払っています!(笑) 
あとは大野のお店で買物をしています。

正直、ほとんど机の前に座って、東京の人と話して東京の仕事をやっているので大野市と直接関わることはなかなかないですね。

あとは、娘が大野市に来たときにミニバスケットボールをやっていて、そのチームにロゴを作ってくれないか?と依頼されて、作りました。

松田さんがデザインしたミニバスケットボールチームのロゴ

左のロゴが女の子のチーム、右のロゴが男の子のチームのロゴです。

自分の仕事や学校の活動を通して、妻や子どもたちに大野市になじんでもらえたら嬉しいなと思っています。

Q4. いまの大野はどう?

いつも机の前にいるので、何も言えないのが正直なところなんですが(笑)

東京にいたときは、大野との関わりはお盆とか正月に友だちとお酒を飲みながら「大野いいところやな~」と思いながらも、大野は全然人もいないし車もないし休んでるみたいだなと正直思っていました。
でも今思えば少し馬鹿みたいで、自分が休みのときに帰っているので大野の人ももちろん休みなんですよね(笑)あたりまえのことでしたね。

大野の中で暮らしているとあたりまえですが人が暮らして、車もけっこう通っていて、都会の活気とは違いますが、生活があるなと実感しています。

フリーになってからは東京と大野はほぼ同じでした。変わったことは本当に家が広くなったくらいなんですが、それが自分にとってはすごく大きくて、のびのびと仕事ができています。

Q5. これからやりたいことは?

キャラクターイラストの仕事は、依頼してくれる相手がいて、最終的に手に取ってくれる人がいて、本当にやりがいのある仕事だと思っています。これからも続けていきたいです。

その他には、オリジナルの仕事もやりたいなと思っています。
これはオリジナルの絵本なんですけれども、お話も絵も自分で描いて出版した絵本です。今のところあと3つ新しい絵本の構想があります。

松田さんオリジナルの絵本

この作品の主人公はローリーくんと言って、はじめは水族館でオリジナルグッズを売りたいという依頼から始まりました。キャラクターは、ディズニーでもそうですが、そこにストーリーがあることで深みが増すんです。
深みのあるキャラクターにするために、私から絵本もやらせてほしいとお願いして、実現するにいたりました。

ローリーくんとバディが御清水で水を飲んでるイラスト

これは、「大野へかえろう」プロジェクトをされてたときにイラストを依頼されて、ローリーくんとそのバディが御清水で水を飲んでるイラストを描いたりもしました。

ストーリーをつくるのはすごく面白かったですね。ストーリーがあることで深みが増すし、時間を越えてずっと続くものだなと思いました。

紙の絵本はもう売られていないんですが、一冊目はアップルブックで売られていて(詳細はこちら)、日本語版と他22カ国語版で販売されているんです。でも、みんな売られていることを知らないんですね(笑)
より多くの人に知ってもらいたくて、InstagramとTwitterをこの歳で始めてみました!

他にもオリジナルのキャラクター構想もいくつかあります。
いろいろ面白いことを考えているので、実現させていけたらなと思っています。

Q6. これをみている大野人へのメッセージは?

10年前に比べて「大野で仕事をする」という選択が選びやすくなっていると思います。
大野市で仕事をするという選択はもちろん昔からあるのですが、インターネット環境が整い、コロナで一気にリモートが広がって、大野市でできる職種が広がり、大野市の外の仕事を大野市の中ですることのハードルも下がっていると思います。

興味があるかたは一度試してみてもおもしろいと思います。

Q.7 次に出演する大野人は?

東京や大阪の仕事を大野市でやっているという話をさせてもらったんですが、大野の中で繋がって大野市の人に対してお仕事をされてる方にぜひ聞いてみたいです。

例えば、若者が沢山集っている飲み屋のマスターとかも多くいらっしゃっいますよね。そこでコミュニティが広がったりしていて面白いなと思っています。

そういった方のお話を聞くことで、大野市で働くことの選択肢がどんどん広がるんじゃないかなと思います。

本記事は、生配信インタビューでの会話書き起こしをもとに、企画者側で表現など多少変更を加え、再構成したものです。一人称名称などできるかぎりお話になったとおりを心がけていますが、会話をテキストに落とし込む関係上、ご本人の話された内容に多少表現上の変更が加わっていることをご了承ください。


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912
東京912は福井県大野市出身のボランティアメンバーで運営しており、「大野人 in 東京」に出ていただく方々にも無償でインタビューを受けていただいています。が、多少の経費はかかっていたり、年に数回開催するイベントは基本赤字です笑 サポートいただけるようでしたら、大変ありがたいです。