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生まれ変わった日

あれは2013年1月の出来事でした。去年の仕事の追われ忙しくしていたころでした。このころ結婚をしていて4月には子供が産まれる予定でした。

                

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 1月16日朝から打ち合わせをしに仕事現場に行った。建築関係の会社の社長である自分の父と現場で仕事をし、午前中には終わり父と別れ家へと向かった電車で帰る途中、昨晩の接待のことを思い出しながら父の言葉を思い出していた。

家に着き、家の中に上がりそのままベットに倒れ込んだ。すべての出来事が終わらぬまま、頭がもうろうとしたまま目を瞑った。それから心と体が離れた気分になり自分が何をしたのか何を行動したのかあまり覚えていない状態に至っていた。

夜、奥さんが仕事から帰って来ると、僕はベットの上で動かぬままそこにいたと言っていた。このまま何事も考えずトイレにも行かずそのまま朝を迎えたそう。奥さんは自分の異常に僕の家族に電話した。。

社長の父がうちに来て様子を見に来た、ベットの上でただ涙を流しなにも答えない僕を少し外へ連れ出した、お昼を食べに行かせたが何も口にせず、そのまま家に戻った。父も戻っていった。

そのあと奥さんとどう過ごしたかは覚えていない。なにも記憶がないまままた夜が来て、また朝が来た。

朝、僕を奥さんはお風呂に入れた。体と頭を洗ってくれた。洗い終わったからだを拭いてくれた。洋服を着せてくれた。頭を乾かしてくれた。
奥さんは電話をしていた。

そして、奥さんは座っている僕を立たせて抱きしめた。奥さんは泣いた。
奥さんは「またね」といった気がする。

そのあと奥さんは僕の薬指にはめている指輪をはずした。

そのまま家をアパートの階段をおり、目の前で父の乗る車の後部座席に乗せられ、僕だけ乗った車は奥さんの前から去って行った。

もう奥さんとは会えないのだと思った。

沢山の涙が流れた。。

途方もない悲しみがそこにはあるだけだった。

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