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いい気分、5分の1

 休日の午後はゆっくりのんびり、何も考えないでコーヒーブレイク。先日、なにげなくラジオを聞いていたら、とてもおもしろかったのでここに再現します。

 でも少し18禁なので、いい子は読まないでね。

          ○


 聞いていて苦笑してしまった。ラジオ相談だった。リスナーの女性が電話の向こうで怒っている。とてもけんまくだった。


「なんで女性は夫と同じセックスしても、女性だけ苦しんで子供を産まなければいけないんですか。同じ楽しんでいるのに夫はちっとも苦しまない、あたしだけが痛い思いをして苦しんで、不公平だと思いませんか。なんか納得できないんですけど」

「わかりました。いまここに医学博士の平野先生がいらっしゃいますので、お伺いします。こういう質問ですけど、いかがでしょう」

「奥さん、奥さん、落ちついてください。奥さんのいうことはもっともです。けどね、あなたばかりが苦しんでいるわけじゃないのですよ。男と女には性差があるんです。感じかたに、根本的な違いがあるのです。知らないと思いますが、女性があのとき、男性より5倍感じるんです。
 本当です。男性は5分の1で満足して、あるときは悪いことをしているなと相手方に気を使い、またあるときは義務感をおびてセックスをするのです。わかりましたか。そう思うとどうでしょう。お気持ちは落ちつきませんか」

「えっそうですか。あたしが5倍ですか。5分の1、そうですね。ふふふっ、わかりました」


 電話相談の女性は、最初のけんまくはどこへやら、受話器を切るときは変に笑顔で別れを告げていた。
 うん、5倍か。本当に、そうだったら女性ってずるい。あたかもボクたちが、なんだか悪者みたいになっている。じっさいは彼女たちの策略にのっているだけじゃないか、単純な男たち。

 でも、と思った。あの医者、5倍といっていた。どうやってはかったのだろう。どんな実験方法で、聴診器などを取りつけたものを愛しあうふたりの肌にぴたっ、と貼りつけるとか。
 あっ冷たっ、といいながら裸のお尻にひとつ、さらに上半身、下半身にひとつずつ。胸に、おっぱいに、太ももに。女性はいいけど、男性の股間にもひとつつけなきゃ。伸び縮みするからどうだろう、ホーデン玉々につけるとか。小さい人はそれなりに、大きい人はフタツつけてみるかもね。ふふふっ。

 さすがに医者はその場に居られないので、隣の部屋でビデオモニターがあったらいいなと思いながら、計測するのかもしれない。
 どうですか、いかがですか、などと時には隣の部屋から尋ねたりすることもある。結果、グラフを見て、うむ、なるほどね、といいながら感心するのだろうか、したのだろうか。
「ネイチャー」を取り寄せてみよう。理研にも問いあわせよう。


「あのう、この話、おもしろいですか」













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