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「短編」 あなたあってのわたしたち、よろしくお願いします


「よう、竹川クン、最近がんばっているようじゃないか」

「あっどうも、尊宅プロデューサー、おはようございます」

「おはよう、例の辛口コメント、なかなか評判みたいだね」

「そんなことありませんよ、単なる営業トークですよ。いくらえらそうにいっても、一歩、箱のテレビ局から出てしまったら溶けてしまって、世の中に通用しない悲しい存在です」

「そう、少しばかり悲観的じゃない」

「そんなことありませんよ。それだけじゃなく、じぶんの身辺とか仕事関係に影響及ぼさなかったら、変に強きなコメントだなと言われてもいるし、まんざら当たってないこともないから、何はともあれ末永くかわいがってください、お願いします。ところで今日の討論番組、思いきり仕掛けますヨ」

「まあ、カラまわりしないよう、ほどほどに頼むよ、政治家の先生たちも選挙が近づいてナーバスになっているからね。それに政治家も評論家も顔を売るために芸能プロダクションに入って何を考えているんだか、他のえらい政治家が芸能プロの社長に圧力かけでもしたら、終わりなのにね」

「ハハハ、そんなモンですよ、背に腹は代えられないってね」

「フフフ、じゃそういうことでよろしく」

「ありがとうございます、これからもよろしく、よろしくお願いします。ハイわかっております、えっもちろんですとも、万事ぬかりはありません、あなた方あってのわたしたちですからもちろんですとも、お気をつけてくださいませ。えっ、ええ大丈夫ですって、ワハハハ、まかせてください。ハハハ、本当にこれからもこれからもよろしくお願いいたしますっと」







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