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萩本欽一さんとのコラボお中元「山口おいでまセット」の販売をとおして学んだこと

萩本企画50セット+一般販売50セット(完売)+16セット追加受注。合計116セット販売

とくやまなびや担当教諭の近藤です。
萩本欽一さんとのコラボお中元「山口おいでまセット」は一般販売分の50セットを6/3(欽)に特設サイトにて販売開始。6/30(木)までの約1ヶ月間、期間限定受注での完売を目指した。
結論からいうと新聞・ラジオ・テレビとマスメディアに紹介されたことで、急きょ追加受注が必要になるという事態に。最終的に16セットの追加販売となり、萩本企画にご購入頂いた50セットと合わせて、合計116セットの販売となった。

欽ちゃんとコラボしたお中元セットの中身
欽ちゃんとコラボしたお中元セットの外箱

送料込み¥5,000(税込)という価格設定について

今回のお中元セットは送料込み¥5,000(税込)という価格設定とした。送料については、遠方になればそれだけ高くはなるのだが、そこは基本的に「山口~関東」のクール便で原価を設定した。夏場で食品を取り扱うことからクール便は外せないという判断と、購入いただく方は地元山口~関東の範囲の方が比較的多いだろうとの予測を立てた結果だ。
商品については定価の70~80%で仕入、お中元ということで特注の箱も用意した。箱は商品が重ならないよう、一つ一つの商品を見栄えよくするためと送付時に痛まないように収まりが良いように商品を配置するためにも必須と考えた。ただし、どうしてもできる隙間にはペーパークッションを詰めて安定化を図った。当然ながら特注の箱やペーパークッションにも原価がかかる。加えて包装紙・のし紙・商品説明の紙や印刷代、カタログを収めるクリアファイルにも原価がかかる。さらに、決済手数料もかかるし、何より箱詰めや発送作業という人件費もかかる。

したがって、学校は利益¥0での販売とした。

販売価格が¥5,000と決まっている以上、商品の構成を良いものにするには、原価を抑えて利益を抑えるしかない。学校としても利益処分の問題があるので、利益を頂かない方が有り難い。金銭的な利益は¥0でも実践体験がそれ以上の価値や効果があると判断した。
原価を抑える点に関しては、のし紙や商品説明の紙の印刷は授業の一環としてパソコンやプリンタを活用して原価¥0で対応。箱代、包装紙、クッションペーパー、クリアファイルなどの必要物品は県に予算申請をしたのだが獲得できなかったため学校で支出。特設サイトBASEのベーシックプランにおける1商品ごと¥370かかる決済手数料と箱詰めや発送作業の人件費は担当する店舗でご負担頂いた。
今回は商品保管や発送作業は学校で行うことが物理的に難しかったため、いつも商品開発などでお世話になっているジェラテリアクラキチ様に行って頂いた。クラキチ様には特設サイトの提案もして頂き大変感謝している。

BASEの費用について

https://baseu.jp/6685

今回BASEショップを利用して販売したのだが、契約はスタンダードプランで行った。「スタンダードプラン」は、商品が売れたときに手数料を支払うシステムなので、売れなければ費用はかからない。月額費用も年会費も不要なので、¥0でショップが開設できるというのは魅力である。まずは売れるかどうか分からない、初めてショップを運営するというときには安心できるシステムである。

BASEスタンダードプラン 2022/7月現在

しかし、一方で1商品販売されるごとに手数料がかかるので、売り上げが大きくなってくると割高感が出てくる。そこでBASEも2022年4月から「グロースプラン」を追加。このプランは、月額費用を支払う代わりに、決済手数料2.9%と、業界最安水準におさえたプランとなっている。具体的にはショップの売上規模が月商17万円を超えると、スタンダードプランよりも手数料をおさえられる料金設定となっている計算らしい。

BASEグロースプラン 2022/7月現在

今回、BASEサイト上での販売は66セットだったので
スタンダードプラン:¥24,420
【¥0+(¥5,000×3%+¥5,000×3.6%+¥40)×66】
グロースプラン:¥15,550
【¥5,980+(¥5,000×2.9%×66)】
となり、確かに¥8,870ほどグロースプランがお得になる計算になる。
しかし、年間通じて利用料が¥5,980×12ヶ月の¥71,760かかるのは学校単体で運用するにはなかなか難しい。個人的には県が負担してくれれば各学校の電子商取引がもっと実践的な学びになるのになぁと思うのだが。今の商業教育で電子商取引を学ぶのはメリットというか必須だと思うので、今後に期待したい。山口県には本校は参加していないが、似たような仕組みもあるので、もっと県全体でも盛り上がっていけると良いと思う。

企業訪問やマスコミ取材の経験による学び

今回のプロジェクトをとおした生徒たちの感想をみると、打ち合わせのための企業訪問やマスコミ取材の経験をしたことが強く印象に残っている生徒が多くみられた。
ビジネスマナーや電話応対、名刺交換などはビジネス実務や総合実践という授業で学ぶこともできる。しかし、実際に企業の方やマスコミの方と名刺交換を行ったり、営業トークをしたり、アポイントを取るための電話応対をする実践は他の授業では、なかなか体験できない。感想の中には色々な体験ができた「電子商取引」を選択して良かったというものが数多くみられ、担当としても嬉しく思った。

各新聞社の取材

企業訪問は一部を除いて基本的には生徒たちだけでアポイントメントをとり、自転車や徒歩、場合によってはバスで企業まで訪問。たどたどしい説明ながら、対応して下さった店舗の方に温かく接して頂き、感謝と達成感を得たという感想もあった。
また、今回は商品を提供して下さった企業の方に商品にまつわる思いを講演して頂いたり、このプロジェクトの本を出版するなどして一緒に応援して下さる方の講演などもして頂いた。

津原政志さん講演

これらの方の講演も印象深かった生徒たちも多くみられた。ちなみに本は下記リンクからご購入いただけます。
Kindle Unlimited 会員は、この本を追加料金なし(¥0)で読み放題

販売までの経緯

どうしてこんな展開になったのか興味がある方は下記のnote記事もご覧ください。

終わりに

この欽ちゃんコラボの「山口おいでまセット」お中元プロジェクトは商品のお届けが完了した時点で一区切りとなる。今回のプロジェクトで得た学びを次の展開に活かしていけるよう、2学期以降、そして来年度以降に繋げていけたらと思う。今後の展開にもどうぞご期待下さい!


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