プロローグ ~魔導士との出会い~ピピピピッ……ピピピピッ…… 目覚ましが鳴り、重いまぶたが開く感覚が伝わってくる。血流不足の涙袋が重ダルく、自然と薄目で天井を眺めている。 「今日も始まったか……」 「変な夢だったな……」 分かりきった今日がやってきた。今日もまた、同じような一日となるのだろう。向上心のない人達との薄い会話、自分の現状に不満を吐き続ける人達との憂鬱な会話が頭をもたげた。 身体が重い。そんなに仕事は大変じゃないのに、なんでだろう。 今歩んでいる道のりに不
初めて自分が、人が読むことになる文章を書く…となると、自分自身というドリームキラーが大きな壁となり立ちはだかる。 こんな何者でもない自分の書く文章なんかを、お金と時間を出させて読ませるわけにはいかないんじゃないか。 何度読み直しても、この文章が好きなあの作家さんの、あの文章に対峙できるとは思えない。 かと言って、今から書き直し、構成を組みなおし、最後まで書き続けていく自信もモチベーションも湧いてこない。 Kindle出版は、10万文字を目指して【本】という体系的にまと
日本政策金融公庫へ融資の申請に行ってきました。 結果は…… 「現段階ではまだ確定ではないですが、融資は難しい……」 とのこと。 とのことじゃねぇよぉぉぉ……(´;ω;`) 今回融資の申請をしようと思ったキッカケは、ebay輸出というビジネスで資金力を上げて参戦したかったから。 5月の中ごろから始めた、ebayというアメリカのオークションサイトで商品を販売して収益を上げるというビジネス。 転売とも言えるし、せどりとも言えるし、代理購入とも言える。 なぜ代理購入とも
朝起きて軽く伸びをして、ぼやける焦点に意識を向ける。 段々とハッキリとしだす目の前の世界を迎合するように、胸の中にワクワクとした感覚が沸き起こり始める。 「今日は、なにをしようか?」 頭の中に浮かぶ選択肢が、幸福に満ちたものばかりだ。起きて10秒でドーパミン、オキシトシン、ノルアドレナリンが脳内に溢れてゆく。 軽やかな身体を起こし、自動でカーテンが開き始める。まだ太陽を隠している明朝の淡い紫が、空に広がっている。 水平線を隔てて大海原が優しい波を立て、宇宙と自然の壮
「んん~……はぁ……キモチイイ~……」 賑やかな繁華街、澄んだ夜空に向けて両手を突き上げ、アルコールが沁みた身体を精一杯伸ばした。 周りは元気な男の子達と、様々な地域から来た友達たち。 大学生としての日々は、毎日が新たな出会いと経験に溢れ、好奇心旺盛な私の心は満たし尽くされていた。 「なぁッ!次はどこ行くッ!?」 「カラオケでも行こっか?」 必死で女の子達を誘うメンズ達、若葉のような青春に、満足感を感じていた。 ◇ ◇ ◇ 「ご納車、おめでとうございますッ!
2022年、11月8日 今日は天体イベント、皆既月食 空を見上げると、幻想的に満ち欠けする赤い月。 周りの星達もつられて増えたり減ったり。 こういう宇宙の気まぐれを観察していると、自分たちも壮大な宇宙の一部でしかないんだと実感させられる。 人間社会のいざこざに心のキャパを支配されて、自分の世界が狭くなってしまいがちだけど、宇宙は変わらず存在していて、地球も変わらず回ってる。 その大きな存在の中の小さな問題でしかない。 その小さな問題を自分の人生の全てである様に捉えてしま
人はどうして同じ年でも老けてる人と若く見える人がいるんだろう。 僕の主観的な考えだけど、老けて見える人は選択権を人に預けてしまっている気がする。 3食のご飯も嫁任せ、飲みの席でも同じもので、服も買ってもらって、遊びに行くのも人の計画に合わせる。 仕事も自分では新しい試みはしない、毎日同じことを続ける、トップダウンの指示に従い、こなすだけ。 思考停止で毎日を漫然と過ごす、そういう日々が続くと自然と身なりや健康にもあまり関心が向かなくなってくる。 全てに興味がなくなってく
8年間のサラリーマン生活、朝8時から同じ格好をした大人が一同に集まり、朝礼に並ぶ、なんだか真空パックに包まれた使い捨て乾電池のようだった。 ちなみに電池残量はなくなる寸前、スカスカの電力でヨロヨロ働く。 ダルそうに課長の話を聴く大人たち、「仕事遅れるぞー!」野次を飛ばすおじさんもいる。 今日も1日始まった、せっせと準備をして外回り、イヤホンで音楽聴きながら仕事してた。 明るいうちに帰ってきて、後始末が終われば、17時のチャイムの音とともに仕事は終了。 毎日同じことを
人の記憶に残っているものってなんだろう? きっと感情の振れ幅が大きいものが多いハズ。高級なホテルでのスペシャルな1日よりも、空腹の中、飛び込んだ定食屋での温かい丼の方が深く記憶に残っている。 空腹は最高のスパイスと言うが、まさにその通り、苦しみの弓は大きく引かれるほど、矢は遠くまで飛んでいく。 今の感情は貴重な情報源、五感で感じる全てを記録しておけば、臨場感の演出にも大きく役立つ。 人が感動するのは、主人公が大きく落ちる出来事に巻き込まれ、そこから苦難を乗り越え、這い