飛んで火に入る夏の虫

「飛んで火に入る夏の虫」という言葉がある。
虫は月の光に向かって飛ぶ習性があり、火を月の光と勘違いして飛び込んでしまうそうだ。

転職したりして自身の生活スタイルを変えるのなんて今や普通のことだ。
そんな自分も昨年末に転職を決意した。

理由もなんてことはない、友人や他の人を見て外の世界が輝いて見えた。「自分が今いるところから飛び出したらどうなるんだろう」という漠然とした好奇心だった。

「もっと自分はできる」「もっと広い視野を持って生きていくんだ」と。一丁前に偉そうな事を言ったものだ。

ただ勢いよく飛び出したものの、
何がやりたいのかも今だに分かっていない。
後先をあまり考えていなかった。口先ばかりで失敗する典型的なパターンである。

思えば今まで、興味を持つ事はあっても、深く探求したり、実際に行動した事があまり無かった。

運良く次の仕事は見つかったが、驚くほど身についたスキルがないことを実感した。出来る事も少なく申し訳ない気持ちでいっぱいになる。おそらく周りもがっかりしていることだろう。

何を勘違いしたのか、外の世界の明るい火に向かって本能で飛び立ち、勝手に焼き死んでいる虫のような自分だなと感じている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?