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【終了】第6回 「社会の変化と増え続けるうつ病患者」 by あおぞら心療内科クリニック 根本直幸さん

日時 2011年8月30日(火)
場所 甲府駅南口スターバックス

「社会の変化と増え続けるうつ病患者」
(9月10日は世界自殺予防デーです)

 ご存知のように1998年から日本の自殺者は3万人を越えており、さまざまな政策によっても、
自殺者の減少の兆候が見られません。
自殺者の増加だけでなく、うつ病患者をはじめとした精神疾患患者は、
ここ10年で2倍に増加しております。
教職員、公務員の心の病気に伴う長期療養者も2倍に増えております。
一般の民間企業労働者においては、長期療養が許されず、失職を余儀なくされる方が増加しております。

 この背景には、企業の業績の低下、グローバル化に伴う労働市場の開放、労働者の実質的な給料の低下、
職場環境の悪化、能力主義・成果主義といった労働者を取り環境の変化があります。
社会全般に視点をあてると、人々を支えてきた家族・地域社会の崩壊、セーフティーネットの崩壊、
道徳の崩壊、離婚の増加、核家族化、単身者の増加、高齢化社会にともなう介護の負担、出生率の低下、
社会保障費の急激な増加、福祉政策の遅れなど、さまざまな変化が複合的に絡みあっております。

これら列挙した問題はいずれも深刻な問題です。

 自殺対策、うつ病対策をしっかりやろうと思うと、これらの問題を解決しなければならなく、
大変な労力が必要となります。

新しい価値観、人生観の創出、教育の再構築、地域社会の再構築などしっかり検討しなければなりません。

今回は、社会の構造の変化を再検証し、閉塞感が漂う社会に何が必要かを皆さんと考えたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

あおぞら心療内科クリニック 根本 直幸