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パーパスは日本に昔からある「三方よし」と考えれば理解しやすいという視点

これは流石西口さんというインタビューですねぇ。

最近、日本企業でも「パーパス」が大事という議論はスゴイ聞くようになりましたが、やはり一部の日本企業はパーパスをバズワード化させて、外部企業にパーパス策定を丸投げするようなケースが増えてるようで。

西口さんが「パーパスをつくれば企業は成長する」というのは誤解です、とバッサリ切ってくれています。

やはり、西口さんが話されているように、パーパスが重視される背景にあるのが極端な株主利益の追求に対する修正とか反動と考えると分かりやすいですよね。

「会社は株主のもの」と極論してしまうと、株主の求めるままに決算の数値をよくすること、特に株主に還元できる利益を出すことに主眼をおいてしまいがちなわけですが。
そうした定量的な目標に引っ張られて企業の存在意義を見失ってしまったケースが多発した結果、あらためて定性的な目標をもてる「パーパス」に立ち返ったと考えるとシンプルな気がします。

そう考えると、西口さんが話されてるように、日本企業には昔から「三方よし」という近江商人の考え方があるんですよね。

実は個人的にも同じような結論にいたって、コトラー教授に同じような質問を投げかけたことがあるので、とても納得感のあるインタビューでした。

その翌年、コトラー教授のプレゼンでも似たような記事を書いています。

ある意味、昔の日本企業は株主を軽視しすぎていたかもしれませんが、その関係で「三方よし」のようなバランスの取れた経営ができていた企業もあって、「パーパス」という横文字が入ってくる前から、そうしたパーパス的な経営理念を持てている企業が多かった国でもあったと言えるはずなんですよね。

トヨタとか、日清食品とか、うまく言っている企業はそこのバランスが本当にうまく取れているなと感じます。

一方で日本企業に欠けがちだなと思うのが、西口さんが話しているこの部分。

重要なのは、パーパス文章を制定することではなく、そのパーパスを実現するために全従業員に求める価値と行動基準・判断基準が明確かどうかです。

従来の日本企業はあうんの呼吸的なものとか、後輩が先輩の背中から学ぶみたいなことで、価値とか行動基準を共有してたと思うんですが、ここをいかに硬直化しないレベルで明文化して共有していけるかがポイントなのかなぁと感じます。

なお、こちらの記事は会員限定記事なので24時間読めるリンクはこちらをどうぞ。

「パーパスはもはやバズワード」 西口氏が語るP&GのPVP誕生秘話:日経クロストレンド(この記事は2022年7月6日 0:33まで無料で読めます) https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00675/00001/?gift=5%252Fe0Mh1euegUZm1ztrDaxefdSP1rzA1NfewNk%252F%252FnQ5M%253D&n_cid=nbpnxr_gift

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徳力基彦(tokuriki)
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