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《美術人類史.Ⅱ》 美の使命

宇宙の事象が相対バランスで成り立つと仮定し、人類が知能(意図の表現を工夫する力)を獲得した事で「森羅万象に対し観測する側、追随する立場」に成ったとする見解をコンセプトにして、人体は自然物であるのにも関わらず、人工物が自然物の様に完結な質量を持ち得ない現象に着目し、美術人類史は人類の歩みを美術の側面からの読み解く事をテーマにしています。

今回は、「美の使命」について、
最初にこちらの文章を足掛かりに考察します。

「夜空に輝く星々は美しい。」

素敵な光景と余韻ある感動が伺え、
どなたにもある些細な日常の出来事です。

さて、立ち止める質問になりますが、星々の輝きは本当に美しいのでしょうか?

と言うのも星々は星でも何でも無く、人に観測されなければ、無名で意義の無い完結な光波長の構造体のはずです。

それが美しいとはどう言う事でしょう?

人が興味を動かされ、観測し思考のフィルターを通せば、無も意味を帯びて、初めて固有の星となります。そして輝く環境へと興味が移り、星々は美しいとなるのです。

星から人類には何もしていませんので、
厳密には星自体が「美しい」とは言えません。

星々を美しむ要素は、人類が観測した見方だと分かります。

反対に醜いともイメージし難いもので、
元来星に美醜も何も形容する姿は無いのです。

他にも宇宙の神秘が不思議なのは、宇宙が不思議なのでは無くて、人が宇宙を不思議に思うので、宇宙は不思議なのだと言う事です。

星座も先に美しいテーマがあり、
たまたま星並びに合ってたりもします。

この様に私達の思考は不思議なもので、私達が認知すれば、普段の日常、尺度に時間も空間も含め、あるがままの対象全てに、自分達で人工的価値と質量の意義を、随分人間側に偏った見方で、抵抗無く自然物質に望む、望まざる姿を与えてしまいます。

ただしこれが、現宇宙の完結な関係には起こせない、不完結な関係だからこ起こせる現象で、古えも今も人間の存在は特権だとする理由です。

ではここから本題の美の使命を探ります。

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