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コーディネーターの役割:燕三条の町工場の一例

商品開発を行っている企業のお手伝いをさせていただく際、コーディネーターの方が同席されることがあります。
ものづくりに携わる側から見て、コーディネーターとはどのような役割を果たすのでしょうか?
立ち位置ですが、フリーランスの方もいれば、企業の社員の方もいます。第三セクターの職員の方などもいます。
基本的にはものづくりを依頼したい側と、ものづくりを担う側の橋渡しをする役割だと思います。
コーディネーターの豊富な経験やネットワークなどを活かして、より最適なサプライヤーを引き合わせます。
例えば、金属の加工品を作りたいという要望があるとします。
コーディネーターは、依頼者に対しどのような製品を作りたいかを細かくヒアリングします。そのうえで、どのような加工方法が適していているかを判断し、加工先を選定します。
他の素材にも当てはまると思うのですが、金属の加工も様々な方法があり業種も細分化されます。大きい括りでは、プレス加工、機械加工、精密板金加工、製缶、ヘラ絞りなどがあります。また会社により、大きいものが得意、小さいものが得意であったりします。素材でも分かれ、スチールが得意、ステンレスが得意、チタンが得意などがあります。
そのため、少しでもピントがズレるとミスマッチが生じてしまいます。

トクニ工業でも精密板金加工が主要な要素をしめる製品の場合には、金属加工のハブ工場として、専門分野ではない加工も請け負い協力会社に手伝ってもらいながらものづくりを行う事があります。

燕三条地場産業振興センターでは、県外各地から様々なものづくりの依頼を受ける窓口を担っています。燕三条地域の主要な企業が加工先として登録されており、それぞれの強みを活かした加工を提供できる体制になっています。
このような機関のスタッフがコーディネーターとしてかかわる場合、加工先の手札の中で上位に入ることが、新規案件の受注の要因になります。
燕三条地域だけでも精密板金加工の町工場は数十社、数百社あります。専門メーカーで自社製品以外は受注しないという会社もありますが、極端な例を除いて多くの場合、新規の案件を受けることは可能でしょう。

ではどうやってコーディネーターは加工先の選定をするのでしょうか?
やはり、実績と口コミではないでしょうか。
コーディネーターとして実績がある加工先には、信頼関係もありますし、どのような加工が得意であるかもより深く理解できているでしょう。
また口コミ、ネットワークを通じて加工先に打診していく場合もあるようです。コーディネーターだからといって地元の全ての企業を把握しているわけではありません。
依頼者からヒアリングを行う中で、類似の加工事例などを想起しつつ加工先への手がかりを探っていきます。

もう一つコーディネーターの大きな役割があります。
出来上がった製品を、誰に売るか。どうやって売るか。
プロモーションやマーケティングの分野になっていきます。
せっかく商品開発をしても、売れなければ意味を成しません。また開発費を捻出できません。
店頭販売、ネット販売それぞれの分野においても、様々な販売手法があります。また最近は一服感がありますが、クラウドファンディングなどもあります。
商品開発、製造、プロモーション、マーケティング、販売など様々な業界が絡んだ上て、製品は市場に出ていくわけですから、それらをうまくかじ取りするコーディネーターが必要になってくるわけです。

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