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1972年新潟県燕市生まれ。 製缶工場での見習いの後、1996年父が創業した株式会社ト…

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1972年新潟県燕市生まれ。 製缶工場での見習いの後、1996年父が創業した株式会社トクニ工業入社。2004年代表取締役社長に就任。働くスタッフ一人一人が自立した、筋肉質な会社を目指す。現在1日20件、年間約5000件のプログラムを作り出す。 趣味は読書とランニング。

最近の記事

旅行に行って見えてくるもの:燕三条の町工場の一例

コロナ禍も終わり、県外海外に旅行に行く機会も増えてきました。 仕事で旅行に行く機会もあれば、プライベートで旅行に行く機会もあると思います。 仕事で旅行に行く場合、旅行ではなく出張ですよね。メインは仕事で余裕があれば観光などにも足を延ばせるかもしれません。 だだし食は別です。 出張先の取引先と会食する場合などがあります。 取引先が県外から来社され、会食する場合があります。 トクニ工業は新潟の会社なので、昼食であれば燕三条背脂ラーメン、夕食であれば日本海の海の幸+地酒でしょうか。

    • 新規顧客と既存顧客がかぶったら:燕三条の町工場の一例

      新規顧客と既存顧客がかぶったら、どうするか? かぶるにもいろいろあります。 ・依頼の案件自体がかぶる。 ・依頼の納期がかぶる。 トクニ工業の場合、基本的には多くのクライアントから少しずつ仕事をもらって売り上げを構成していますので、常に複数の仕事が混在しています。 依頼の案件自体がかぶった場合、既存の取引先が優先となります。既存の取引先の場合、取引実績がありますから、新規顧客に比べ信用度が高くなります。取引条件も整っているためスムーズに売買できます。 依頼の案件自体がかぶる

      • 長時間労働との向き合い方:燕三条の町工場の一例

        製造業は長時間労働なのでしょうか? 確かに以前は長時間労働でした。私が町工場で働き始めた30年くらい前は、週6日、8時間+残業2~3時間が当たり前でした。更に忙しくなると日曜も出勤していました。およそ年間3000時間位働いていたということでしょうか。 製造業の場合、加工数×単価=売上 となっているため、加工数が増えれば売上も増えていきました。加工数を増やすためには加工時間を長くする必要があるため、おのずと長時間労働になっていったのです。 現在の製造業の働き方 現在では働き方

        • サッカー型組織:燕三条の町工場の一例

          野球型組織か、サッカー型組織か、でいったらサッカー型組織をめざす。 会社ではは多くのスタッフが同時に働いています。町工場でものづくりをする場合も、多くのスタッフが様々な工程を担当しながら、連携して働いています。 どのような指揮系統で働くかを大きく2つに分けてみます。 野球型組織 野球での守備は、それぞれのポジションが固定されています。ピッチャーがボールを投げ、キャッチャーがボールを受ける。守備はそれぞれ決められた位置につきます。バッターがボールを打った場合には、適切に捕球

        旅行に行って見えてくるもの:燕三条の町工場の一例

          自社の置かれている市場環境を正しく認識する。その2:燕三条の町工場の一例

          内部環境を把握する。 内部環境とはつまるところ、経営資源を的確に把握し、どのように活かしているかということになります。 経営資源とは人・モノ・カネ・情報になります。 特徴も良い面を見れば強みになりますし、裏を返せば弱みにもなりえます。 経営資源・人 ・現場で働く一人一人のスタッフのスキル・モチベーション ・職場でのコミュニケーション、社内の雰囲気 ・切磋琢磨できるスタッフ 経営資源・モノ ・生産設備 ・作業空間としての工場 経営資源・カネ ・黒字経営 ・資金力 経営資

          自社の置かれている市場環境を正しく認識する。その2:燕三条の町工場の一例

          自社の置かれている市場環境を正しく認識する。その1:燕三条の町工場の一例

          マーケティングを学んでいるとSWOT分析が出てきます。 強み(Strength)・弱み(Weakness)・機会(Opportunity)・脅威(Threat) というやつです。 定期的に自社をSWOT分析することは、現状を把握し、進むべき道を模索するうえで重要な要因となります。 社内が変わり映え無くとも、月日の経過とともに外部環境は変化していきます。構成員も一年ごとに年を取りますし、業務内容も少しずつ変化していくものです。 まずは外部環境から 外部環境を把握する4つの項

          自社の置かれている市場環境を正しく認識する。その1:燕三条の町工場の一例

          作業の習熟度を定点観測する:燕三条の町工場の一例

          同じ作業を繰り返すことで習熟度は上がっていきます。 ものづくりの現場では同じような作業の繰り返しが多くなりますが、その習熟度によって品質・生産高が変わってきます。 一週間・一か月・一年などと期間をおいて、その習熟度合いを測ってみるとその違いは顕著に表れる事でしょう。個人差はありますが。 習熟度アップの要素 ・慣れて手が早くなる ・要領を得て段取りが良くなる 慣れて手が早くなる 同じ作業を繰り返し行うと手が早くなり、時間当たりの生産高が上がってきます。学生時代の部活動や社

          作業の習熟度を定点観測する:燕三条の町工場の一例

          展示会への出展:燕三条の町工場の一例

          東京ビッグサイトや幕張メッセでは、毎週様々な展示会が開催されています。製造業に特化した展示会も行われています。機械要素技術展などは、東京のみならず大阪などの他の都市でも開催されています。開催規模も様々で、東京ビッグサイトで数百社が出展する大規模な展示会もあれば、地方の商工会議所などが主催する小規模な展示会もあります。 トクニ工業でも2000年頃から展示会に出展し始め、東京ビッグサイトで開催された展示会や地元新潟で開催された展示会に出展しました。 現在では地元で開催される「燕

          展示会への出展:燕三条の町工場の一例

          仕事の依頼を断りたい顧客との向き合い方:燕三条の町工場の一例

          カスタマーハラスメントという言葉が世間をにぎわすようになっていますが、ものづくりの現場でも仕事の依頼を断りたい顧客に出くわすことがあります。 新規顧客の場合と既存顧客の場合に分けてみていきたいと思います。 仕事の依頼を断りたい新規顧客の場合。 ホームページを見たであったり、既存の顧客・協力会社からの紹介であったりなどで、新規顧客と取引が始まる場合があります。 既存顧客・協力会社からの紹介の場合(口コミ)は、事前にある程度相手方の様子をうかがい知ることが出来、想定の範囲内での

          仕事の依頼を断りたい顧客との向き合い方:燕三条の町工場の一例

          決算書の向き合い方:燕三条の町工場の一例

          事業を行っていくにあたり、一定の期間で区切ってその間の業績を確認します。トクニ工業の場合は、3月20日が決算日で、2か月後をめどに決算書が作成されます。 決算書は主に貸借対照表、損益計算書、販売費及び一般管理費、棚卸資産、製造原価報告書などから構成されます。 まず目が行くのは損益計算書 売上高 営業利益 経常利益 税引前当期純利益 当期純利益 といったところでしょうか。 売上高から製造原価、販売費及び一般管理費を引いたものが営業利益になります。 売上高 - 製造原価 - 

          決算書の向き合い方:燕三条の町工場の一例

          町工場の生き残り戦略その2

          特定の分野で有名になり生き残りを図る 「有名になる戦略」 自社のコア技術を磨き、強みをさらに伸ばしていくことで、認知度を高めていく。 強みを伸ばしていくとその技術力を買われて新規の案件が来やすくなります。その中には本当に技術力を必要とする案件もありますが、多くの場合が他社でも加工可能な案件であることでしょう。 特に中小企業が得意とする技術は、特許でも取っていれば別ですが、社内では毎日当たり前のように行っている加工であることが多いでしょう。ただ、別の分野の人からすると特別の技

          町工場の生き残り戦略その2

          町工場の生き残り戦略その1

          規模拡大で生き残りを図る 「大きくなる戦略」 少子高齢化により日本市場は縮小化の一歩を進むでしょう。 市場が小さくなっていくということは、中小の町工場にも影響を与える要因です。 小さくなるパイをどう分け合うか? その一つが規模を大きくして、生産能力・コストダウンなどを図り競争力を高めるというもの。 後継者の不在により、M&Aに応じる会社も今後増えていくことでしょう。 会社が大きくなるメリットとしては ・生産能力が上がり、大きな案件に対応することが出来る。 ・社会での認知度

          町工場の生き残り戦略その1

          2D-CADと3D-CAD:燕三条の町工場の一例

          プログラム作成にあたり、2D-CADと3D-CADを使っています。 2D-CAD AP100(アマダ製) 3D-CAD Sheet Works(アマダ製) 精密板金加工は、金属の板を交差0.2mm程度で加工します。 レーザー加工機、タレットパンチプレスといった加工機で、展開形状に板を切断します。 その後、ベンダーという機械で板を折り曲げ、立体形状にしていきます。 その立体形状に作り、展開形状に落とし込んでいくく過程でCADを使います。 AP100というCADは、精密板金加工

          2D-CADと3D-CAD:燕三条の町工場の一例

          県の産業支援機関の活用:燕三条の町工場の一例

          新潟県には主に3つの産業支援機関があります。 ・NICO 公益財団法人にいがた産業創造機構 ・公益財団法人 燕三条地場産業振興センター ・NPO法人 長岡産業活性化協会 NAZE それぞれ、 ・新潟市、新潟県全般 ・燕市、三条市、その近郊 ・長岡市 と地域に根差した活動をしています。 トクニ工業は燕市に居を構える会社なので、主に燕三条地場産業振興センターを活用しています。 主な活用としては ・展示会「燕三条ものづくりメッセ」の出展 ・加工依頼案件の紹介 ・研修・教育セミナ

          県の産業支援機関の活用:燕三条の町工場の一例

          急いで作った製品がみごとに不良だった時の向き合い方:燕三条の町工場の一例

          特急品ということでお客様の期待に応えるべく、急いで作った製品が不良だったということが、稀にあります。そのようなときは、どうすれば良いのでしょうか? たまたまレーザー加工機の加工予定も忙しくなく、材料も在庫で賄えるという状態で、ステンレスの板(1枚約5万円)を14枚ほど使う注文をいただきました。 等間隔で長孔をあけ、長い長方形状にレーザー加工します。その後、Lアングル状にベンダーで折り曲げて社内での加工は完成となります。 その後、お客さんが塗装処理を施し、チャーター便で県外に発

          急いで作った製品がみごとに不良だった時の向き合い方:燕三条の町工場の一例

          地の利を活かす:燕三条の町工場の一例

          ・金属産業の集積地 ・東京まで300キロ ・越後平野・田園地帯 ・日本海側 燕三条地域は金属産業の集積地として知られ、数多くの金属産業の企業があります。トクニ工業は精密板金加工をコア事業として行っています。 燕市は洋食器の街として発展してきた過程があり、フォーク・スプーンなどのカトラリー、調理器具である鍋・フライパン、そして厨房機器。包丁。ステンレス製のパネル。アミ・ザルなどのワイヤー製品。ワイヤーを使った生活雑貨。商品陳列棚・商品陳列用フック。鎚起銅器などの銅製品。さまざ

          地の利を活かす:燕三条の町工場の一例