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町工場の生き残り戦略その2

特定の分野で有名になり生き残りを図る

「有名になる戦略」
自社のコア技術を磨き、強みをさらに伸ばしていくことで、認知度を高めていく。
強みを伸ばしていくとその技術力を買われて新規の案件が来やすくなります。その中には本当に技術力を必要とする案件もありますが、多くの場合が他社でも加工可能な案件であることでしょう。
特に中小企業が得意とする技術は、特許でも取っていれば別ですが、社内では毎日当たり前のように行っている加工であることが多いでしょう。ただ、別の分野の人からすると特別の技術であるかのように映っていしまうのは、不思議なものです。
結果的に、コア技術が呼び水となり、それに付随する仕事も増えていくことになります。

強みを伸ばして有名になるメリットは
・自分たちの技術に自信を持てる。
・新規の案件にめぐり逢いやすくなる。
・自社に合わない案件は断ることが出来る。
・値決めを優位に行う事が出来る。

・自分たちの技術に自信を持てる。
自信をもって仕事ができることは有意義なことです。
自分たちの仕事がお客さんから評価してもらえる。仕事の達成感を得れる貴重な場です。
また自分たちの仕事が社会で必要とされている、社会貢献していると感じることも出来るでしょう。

・新規の案件にめぐり逢いやすくなる。
有名になると新しい案件が来やすくなります。新規案件を受け付けないのであれば別ですが、新規案件の中から次につながっていく会社成長の種を見つけることが出来るかもしれません。
会社経営は、常に同じお客さんから同じ内容の仕事をし続けるだけで継続できるとは限りません。時代の流れの中で、客先も取り扱う内容も変化していくかもしれません。少しずつ変わっていく社会の中で、存在意義を確保しつつ、社会に必要とされ続けるために更なる研鑽が必要になります。

・自社に合わない案件は断ることが出来る。
一定程度の仕事量が確保できているのであれば、条件の悪い案件は断ることが出来ます。じっくり品定めした上で、条件の良い案件を選ぶことが出来ます。生産能力は限られていますから、キャパシティの範囲内で仕事をすることになります。
行列の出来るラーメン屋が店を広げず営業を続けるようなものです。行列は一時のブームで起きているだけかもしれません。行列が宣伝となり新たなお客を呼んでいるのかもしれません。
生産能力を上げるため、設備投資を行い、スタッフを増員することも選択肢になります。ただし、そうやって「大きくなる戦略」をとることで、損益分岐点は上がり、仕事量を確保するための仕事を探さなくてはならなくなるやもしれません。
事業規模をどのくらいに設定するかは、会社経営していく上で、重要な要素となります。
急激に大きくなれば、その反動も出やすくなります。また小さすぎれば社会へのインパクトが小さすぎて思うように成果を出すことが出来ないかもしれません。
業界にもよるのでしょうが、適切な事業規模を模索することも大切です。

・値決めを優位に行う事が出来る。
下請け仕事で、親会社から、納期・品質・価格で細かく干渉を受けながら仕事をするのは、とても気が滅入ってしまいます。
首根っこつかまれて仕事をさせられているようで、主体性を取り上げられたようになってしまいます。当然、そのような仕事は満足な利益を生むことが出来ず、損益分岐点ぎりぎりのありさまになりかねません。

トクニ工業では筋肉質な会社に成るべく、コア技術である「翻訳力」を駆使してものづくりに取り組んでいます。
金属の板加工で製品を作っていく場合、完成に向けたアプローチは1種類だけではありません。常に複数の選択肢があり、その中から最も有益な方法を選んで作業にあたっています。

有名になるといっても、取引しているクライアントに対して有名になるのであって、課題に取り組むにあたり加工依頼の選択肢の上位を維持し続けることが重要だと思います。
選択肢、加工依頼先が複数ある中で、いかに自社を選んでもらえるか、普段の実績と日常のコミュニケーションが大切になります。


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