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2D-CADと3D-CAD:燕三条の町工場の一例

プログラム作成にあたり、2D-CADと3D-CADを使っています。
2D-CAD AP100(アマダ製)
3D-CAD Sheet Works(アマダ製)

精密板金加工は、金属の板を交差0.2mm程度で加工します。
レーザー加工機、タレットパンチプレスといった加工機で、展開形状に板を切断します。
その後、ベンダーという機械で板を折り曲げ、立体形状にしていきます。
その立体形状に作り、展開形状に落とし込んでいくく過程でCADを使います。
AP100というCADは、精密板金加工の機械メーカーであるアマダがリリースしているCADで、加工機との互換性も良く、展開図を作成した後、そのままCAMの作成(加工機が読み込むためのGコードという機械コードの作成)を行う事が出来る。
展開図を作成する過程はいくつかあるが、AP100では主に面合成を使って立体形状にしていきます。大雑把にいってしまえば「折り紙を折る」要領で形にしていきます。ただし折り紙と違うのは、金属板には厚みがあること。
厚みがある事によって、折り曲げた際、板の内側と外側とで板厚分の寸法の違いが生まれてきます。
厚みを考慮し、決められた寸法になるように部品図を作成していきます。
折り曲げる場合は、汎用金型を使用するため直線に折り曲げなければなりません。
そのため折り曲げ線を挟んで面と面がつながるような形状になります。
まずはその面を一つ一つ作っていきます。そのうえで面と面を折り曲げ線でつないで展開形状にしていきます。

Sheet WorksというCADは、Solid Worksという3D-CADをベースに、アマダが精密板金加工に特化したコマンドを追加したCADになります。
3D-CADは主に立方体を削り出していくように作っていきます。
カバーなどと作る場合、外側の形状を作成した後、シェルというコマンドを使って、板厚を残してくり抜きます。
3D-CAD内では複数の部品を一つの画面内で作成することが出来、パーツごとの勘合性を確認することも出来ます。
また3D-CAD内でできた一つの製品を複数の部品に分解することも出来ます。精密板金加工は板を折り曲げて立体形状にしていくため、折り曲げられない場所や一つの展開形状にならない製品などもあります。
組み合わせて完成形状にするのですが、部品図から作って完成形状にくみ上げていくより、完成形状から各パーツに振り分けていく方がスムーズにいく場合が多いです。必ずしも一方からしか作成できないわけではありませんが。

またProduction Designerという受けCADもあります。
客先の他メーカーのCADデータをDXF/DWGなどの2D-CADデータや、IGES/Stepなどの3D-CADデータで受け取り、展開形状に変換するソフトです。
受け取ったデータの修正機能に制限があるため、安易な形状しか対応することはできませんが、受けCADに特化しているため、データの内容によっては容易に展開形状にすることが出来ます。

弊社だけでも複数のCADを使ってプログラムの作成を行っていますが、他のメーカーなどを数えていきますと、市場には多くのCADがあります。
自社の実情に適したCADを使って、効率よく仕事を進めたいものです。

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