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自社の置かれている市場環境を正しく認識する。その1:燕三条の町工場の一例

マーケティングを学んでいるとSWOT分析が出てきます。
強み(Strength)・弱み(Weakness)・機会(Opportunity)・脅威(Threat) というやつです。

定期的に自社をSWOT分析することは、現状を把握し、進むべき道を模索するうえで重要な要因となります。
社内が変わり映え無くとも、月日の経過とともに外部環境は変化していきます。構成員も一年ごとに年を取りますし、業務内容も少しずつ変化していくものです。

まずは外部環境から
外部環境を把握する4つの項目
PEST分析は政治(Political)・経済(Economical)・社会(Social)・技術(Technological)の頭文字からなります。

政治(Political)
・定額減税
・働き方改革・残業時間の制限
・政治不信・キックバック
・原発再稼働・電力問題
・長引くウクライナ戦争

経済(Economical)
・円安ドル高
・株価の高騰
・物価の高騰
・新紙幣の導入
・新NISA

社会(Social)
・少子高齢化
・新型コロナウイルスの収束
・人口の都市部集中・地方の過疎化
・気温の上昇
・サブスクリプション消費

技術(Technological)
・OpenAI
・電気自動車・自動運転
・スマートフォン
・SNS
・タッチ決済

思いつくままに挙げてみても多岐にわたります。自社に関係ないと思われるものもあれば、大いに影響があるものもあります。

会社は顧客に対し、商品・サービスを提供し、その対価としてお金をいただく。売り上げを立て、経費を差し引いて残った分が利益となります。
当たり前のことですが、経費が売り上げを上回ってしまうと赤字となり、早晩経営が成り立たなくなってしまいます。
「物価の高騰」は仕入れ費用の増加に直結するもので、商品の販売単価を見直さないと利益を確保できなくなってしまいます。

「働き方改革・残業時間の制限」は、それまで緩かった残業時間規制の中で、仕事があればいつまでもだらだらと残業していたものが、厳しく制限されるようになりました。トクニ工業でも労働基準監督署の指導を受け、長時間残業の規制を取り組むようになりました。
そのため、仕事の依頼が集中した際には、取引先に納期調整をお願いしつつ、今まで以上に作業の効率化を心がけるようになりました。

「新型コロナウイルスの収束」に伴い、キャンプブームも収束に向かいました。密になることなく屋外で楽しめるキャンプは、移動自粛期間でも多くの需要がありました。メディアでも取り上げられ多くの人が一度はキャンプを体験したのではないでしょうか。
コロナ禍では、複数の取引先から焚き火台やバーベキューコンロの依頼をいただきました。薪や炭で起こした炎が揺らめくさまは何とも言えない癒しになります。
その様なユーザーの要望に応えるべく様々な焚き火台やバーベキューコンロが世に生み出されていきました。一部のコアなユーザーを除いて焚き火台やバーベキューコンロを複数所有する必要はありません。たいてい一度購入すれば、壊れるまで使います。そのため、予想に反して売り上げが伸びないという事態に陥るのでした。

ガソリン車から電気自動車に置き換わってくると、車を構成する部品点数が減少します。それに伴い、それまで車の部品を作っていた企業は、減少する部品を担っていた場合、仕事がなくなります。またガソリン車では使われていなかった部品が電気自動車で使う場合もあるので(電池など)、新たなビジネスチャンスにもなりえます。
自動運転が精度を増してくると、移動している間の時間をどう過ごすかという新たな需要が生まれてきます。限られた空間と時間をどのように使うか。また別の移動手段が覇権を握るかもしれません。別の見方では移動そのものの必要性もに直されるかもしれません。コロナ禍でリモートワークが推奨されたように、実際に移動して行う必要があることかの是非を問う場面も出るかもしれません。実際にコロナ禍で普及したネット通販での購入から、実店舗での購入にすべてが戻ったわけではないのです。

外部要因を挙げていくと、多くの場合機会にも脅威にもなりえます。
現状を分析したうえで、自社の事業内容にどのように影響するのか、
どうすればプラスに働き、
どうすればマイナスに作用するのか。
マイナス要因を未然に防ぎ、事業内容にプラスに作用させる。
活路を見出すためには、定期的な現状認識が必要です。




  • 消費者のニーズを的確に把握するために、市場調査を実施し、客観的データを活用する。

  • ライバル他社の動向を把握するために、競合分析を行い、自社の競争力を評価する。

  • 業界のトレンドや未来予測を行い、市場の将来性を見極める。

  • 他の国や地域の市場状況を調査し、国際的な視点から市場環境を分析する。

  • 反省会や内部の意見交換会を活用して、社内からの視点も取り入れる。

政治(Political)・経済(Economical)・社会(Social)・技術(Technological)

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