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展示会への出展:燕三条の町工場の一例

東京ビッグサイトや幕張メッセでは、毎週様々な展示会が開催されています。製造業に特化した展示会も行われています。機械要素技術展などは、東京のみならず大阪などの他の都市でも開催されています。開催規模も様々で、東京ビッグサイトで数百社が出展する大規模な展示会もあれば、地方の商工会議所などが主催する小規模な展示会もあります。

トクニ工業でも2000年頃から展示会に出展し始め、東京ビッグサイトで開催された展示会や地元新潟で開催された展示会に出展しました。
現在では地元で開催される「燕三条ものづくりメッセ」のみに毎年出展しています。

自社商品を持たない製造業が展示会に出展する場合、主たる目的が技術力のPRになります。

展示会に出展する目的は?

企業によりその目的は様々でしょうが、新規顧客の獲得、販路の開拓などが多くの場合当てはまるのではないでしょうか。
私も情報収集のため工業機械の展示会に赴くことがありますが、その場で購入するということはまずありません。様々な企業が出展しているため、普段は目にすることがないメーカーの機械を見ることで視野を広げることが出来ます。また新機能に触れる機会でもあります。
展示会での出会いが購入動機の一要素となる場合もあります。

出展する立場になっても、物販するわけではないので、特に売り上げが立つわけでもありません。名刺を何枚集めた、何軒から商談依頼が来た、などと数値化したい面もありますが、あまり意味のある数字とは思えません。

ファイティングポーズを見せる場

私が展示会に出展する目的は、既存の取引先・主催者に「ファイティングポーズを見せる」ことにあります。
新規の案件受け付けますよ、機会があれば相談してください、といったところでしょうか。
トクニ工業の場合、インターネットで調べて直接問い合わせをいただくこともありますが、割合は多くありません。主な新規受注のきっかけは、既存顧客や協力会社からの紹介になります。○○といったものが作りたいのであれば、似たものを作っていているからということで紹介してもらうことがあります。
金属の加工といっても金属板の加工と金属のブロックの切削では使用する機械が異なるため、おのずと別の業種になってきます。そのため、加工先を探す際にはある程度金属加工の知識が必要になってきます。それが材料屋さんの場合もあれば、表面処理屋さんのばあいもあるのです。
トクニ工業が毎年出展している「燕三条ものづくりメッセ」は燕三条地場産業振興センターの主催で行われています。燕三条地場産業振興センターには展示会の開催期間以外でも、全国から金属加工の依頼が寄せられています。窓口となる燕三条地場産業振興センターのスタッフは、それぞれの案件に対し対応してくれそうな企業に打診していきます。
燕三条地域には数百社のものづくり企業・町工場が稼働しています。
それら全てを把握することは難しいでしょうが、自身の主催する展示会に出展する企業は、打診しやすくなることでしょう。
トクニ工業でも毎年数件新規の取引機会を紹介してもらっています。

ものづくり企業にとって展示会への出展は、継続して出展することでじわじわと効果が表れるものなのではないでしょうか。一回の展示会出展で成果をだし売り上げを立てるものではないのです。数多く出展すれば良いとは思いませんが、無理のない程度に継続して出展していくことで、ファイティングポーズを浸透させていければと思います。

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