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第71期王座戦第1局の感想

・藤井七冠が勝てば八冠、永瀬王座が勝てば名誉王座という歴史的な番勝負が開幕した。終わり際をちょこちょこ見ていたけど結局藤井七冠が負けてしまってちょっと残念な気持ち。

・どちらを応援するかは結構迷う。永瀬王座もあと1期で名誉王座だしせっかくだったら達成してほしい気もする。ここで逃したら規定的に通算10期取らないと名誉王座になれないし相当きつくなると思うし。普通に考えて通算5期で良くないかと思う面もある。

・やっぱり渡辺九段の解説がうまかった。面白トークをする力は木村九段や藤井猛九段の方が個人的には面白いと思うけど、局面の解説に関しては棋士の中で一番上手いと思う。言葉選びがストレートで形成判断も正直に話すから聞いていて面白い。

・森内九段の現地中継が面白かった。藤井七冠と食事の時に席が隣で、今度出す藤井特集本について話したらしい。自分の本を年上の先輩に出される状況ってそんなになさそうだけどどういう気持ちになるんだろうか?考えてみると結構稀有な状況だと思う。

・終盤戦が結構きわどかった。永瀬王座の方が鋭い手が多く1分将棋の中で正確に指していた印象がある。素人なので評価値だけの判断ゆえに実際はよくわからない部分もあったけど51飛車と打った場面はすごいと思った。藤井七冠の妙手というよりは永瀬王座の手が光った対局だったように思える。

・ただ思い返してみると藤井七冠もと金の後ろに歩を打った手が結構斬新で面白い手だと思った。評価値は下がっていたような気がするけど人間的には有効に思えた。

・abemaのコメ欄を見ていると評価値だけで判断する人が未だに多い。最終盤でも評価値なんてあてにならない局面はあったりするんだから数字だけでなく人間的に勝ちやすいとか紛れやすいという点も考慮に入れて観戦する人がもうちょっと増えてもいいんじゃないかと思ってしまう。

・思うに評価値が1つしかないからそういうことが起きるんじゃないかと思っている。人間の対局を分析してこの深度でこの手の広さなら間違えやすいとか間違えにくいみたいなのを数値で出せるような気がする。素人の発想なので実際にできるかはわからないがそれが可能なのであれば人間的に指しやすいか、もしくは紛れが少ないかどうかという指標を作り出せるんじゃないだろうか?

・持ち時間の長い将棋だとしても今回の対局やこの間の豊島藤井戦みたいな対局だと終盤で評価値が乱高下するんだから新たな指標があってもいい気はする。別に自分程度の棋力でもなんとなく紛れが多そうかどうかはわかるのでどうでもいい気はするけど、あまりに評価値ばかりを気にする馬鹿なコメントが多いと目障りではあるのでそういう風になってほしい気持ちはある。

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