私信　🐙と名古屋とか除く皆様への小説追記あり　つい追加あり

大作家様、おはようございます。ご機嫌麗しゅうございますか？

ペンは剣よりも強し、ですね。

頑張りますので、ご指導お願い致します🙇
後ほどこちらで。私の目的は、道民の〇〇様を口説き落とすことです。続き描きますー。誤字脱字はご勘弁をー。皆様、とりあえず、ひたすら描きます。たまに公開してゆきます。どうかよろしくお願いいたします。

こうやって地獄へと堕ちてゆくものなのかもしれない、そう思った。私の耳を、頬を、首筋を、肩を這ってゆく恋人の指先を口に含み、何処まで抱かれれば、この欲情が消えるのだろか？そんな思いさいも巻きつけたシーツを剥がして繋がってしまえば、何もかもが遠のいてゆく。

どんなに武装をしても、学歴を身につけ、専門知識をスーツで隠して大切に仕舞っても、私は女でした。何処までも何処までも、ただの女に過ぎませんでした。

これから記すのは、そんな私と恋人（道民の〇〇様）の物語。

第二章　peace piece

私は今、ススキノの駅で降りた。この時間は混んでいるであろう、そう思いながら、新しく出来た商業ビルを見上げる。大阪の大丸を控え目に真似たような商業ビルの短いエスカレーターで地上まで上がる。物珍しさで辺りを見回しているとあっという間に地上へ出た。会場で待ち合わせしている友人からの着信。今日は友人が主催のライブだ。パンフレットに載せるための文章を記した私は、招待客。音楽や踊り、絵画を好む人間が集い、お金を出し合って会場を借りる。マイナスにならなければいい、プロになることは諦めた、その代償として穏やかさを手に入れた私たち。ただ好きなの、それだけが理由。音楽を奏で、踊りを披露し、絵を展示する、その片隅に私は言葉を記す。そんな月に一度ほどの楽しくてささやかなお祭り。

少し遅れる、という友人の言葉にわかったと送りながら、温かいコーヒーでも飲みたくて、心持ち早足になる。昔は純白であったのだろうか？そんなことを想像することさえも難しい、汚れがこびりついて薄いベージュ色になったであろう柱にもたれかかったサラリーマンと思しき男が一人、視界に入ってきただけで、そのビルは人気がなかった。通り過ぎて、ただひたすら真っ直ぐ進む。慣れた道だった。昔から変わらなかった。お酒を出し、音楽を鳴らしお料理を提供するお店がひしめき合うビル、ただ、外資が目を見張るほど侵入してきている、まさに侵入という言葉がピッタリだった。時間を確認する。開場までには、まだ時間があった。友達は遅れて来ると言う。私は目についたカフェへと入り、そしてソファに深く身を預けた。

　丸テーブルの上のカフェオレから、白く細い湯気が立ち上り天井へと届く前に消えた。
　ある種の出来事は暗示されている。そうなのかもしれない。過ぎてしまった出来事を一つ一つ丁寧に思い出せば、そんな事を信じたくなる。いや、やめやう、過去を分析し、自分の思い通りに味付け、調理してしまうのは、思うようにいかぬ過去をもつ人間の哀しい愚かさかもしれない。
　ただ、ただ、事実を描写し、何度も何度も繰り返し描写し、記憶という映像が擦り切れるまで思い出し、そして私は前へと進みたい。

　今となっては本心を、そして事実さえも打ち明けるのに勇気と不安で揺れる私は、自分自身の心を、そして記憶を食べ続け、別れた恋人との失った日々の全てを、二度とは手に入らぬ美しさを瞼の裏に見て、二度とは手にしたくない哀しみを心の表に見る。それらをじっと見つめていふと、複雑な強い感情へと幾重にも変化してゆき、呑み込まれるのが怖くて、拡散してゆく前に終息させてしまう。「運命だったんだわ」という言葉で。そしてこう思う。運命とは自分と何処までも向き合うという苦しみから逃れた結果に過ぎず、弱い自分を守る為の、都合の良い言葉かもしれない、と。そして、その思いを打ち消す。全てが終わったように思える今、出来事の跡をゆっくりと辿り行けば、全ては「運命」だったと、ただ頷けるかもしれない。頷きたかった。出来ることならば、頷けるようになりたかった。

　もうすぐ、札幌は桜の季節がやってくる。桜を眺めていると、この美しさが永遠と続けばよいのにと子供じみたことを思い、何故こんなにも美しきのかと、その秘密を知りたくなる。絵を描けるならば、完璧に模写することで、土中に隠れる養分を吸い取る根、そこから伸びる幹、まとわりつく枝、彩る葉、先端で魅了するためだけに咲き乱れる花びらの一枚一枚を模写していくことで、散りゆき、消えゆく美しさを絵筆で留めることで、圧倒的な美しさの秘密をみることも出来るのかもしれない、そんなことを思ったりした。

　私は昨年末のススキノの駅に戻ろう。絵筆は持ってはいない。その代わり、スマホがある。絵筆を動かす代わりに、小さな画面に言葉を描く。出来上がった文章は、事実を完璧に模写した絵。出来上がった絵を眺め、記憶という甘い毒で自らの身を苦しめながら、あの出来事の仕組みを見つめ、行き場を失って彷徨う感情に、貴方はここよ、貴方はここよ、と居場所を見つけてあげられるかもしれない。もしかしたら、全ては運命だったのよ、とまとめてあげられるかもしれなき。どちらかはわからない。ただ、前へと進む、少なくとも、今よりは前へと進んでいる、そんな予感をしっかりと掴み、そして言葉を並べていく。

第三章　コートにすみれを

　カフェオレを飲み干して外へと出た。昔は天然温泉施設を備えた、海外有名アーティストがライブを開くことで有名だったビルを前に左折し、小さな川を目端にとらえながら300メートルほど歩くと奥から2軒目にある古ぼけたビルの地下一階へと続く階段を降りて、音楽がかすかに漏れてくる重い扉を押し開ければ大音量に包まれ、その中へと入ってゆくために扉を閉じた。まだ人はまばらだった。アスファルト剥き出しの壁、ところどころにヒビが入った床、がらんとした空間に目立つバーカウンター。メニューは5種類くらいしかない。バーカウンターの奥がトイレ。夜が進めば、トイレに並ぶ列がバーカウンターに並ぶ列とかぶって混沌と化す。友達を探せばすぐに見つかった。遅いという小言に小さく笑い、ごめん、お茶していた…と言い訳？やっぱり、お酒飲む前にお茶ってあり得ないわ、と友達。そして、

「ねぇ、聞いた？」友達が言った。
「え、なに？」
「来ているよ、超VIPが。たった一人で。」

　友人が目で合図する方向に視線を移せば、そこに一人の男が居た。異質だった。目に鮮やかな青のスリーピースのスーツ、十万くらいだろう、それは大きく外れていない、そう思った、そして、そう思う自分に小さく笑いながら、男を眺めた。大人かしら？そう不安になった。感情に任せて理想論導き出す子供なんて勘弁だったし、かといって、心などどこかに起き忘れたような論理だけを求めているような男も嫌だった。話すだけ、時間の無駄だわ、そう思いながら、眺めれば眺めるほど、周囲の人間とのコントラストが強調されゆくように思えて、いたたまれなくなった。

「こっち、見てる。」という友人の声。「気がついたよ、多分。受付誰？創価さんか、ほら、教えてきるよ、にしても、あんなVIPが来てくれるんだね、こんな思いっきり内輪のライブなのに。笑」

　男は、季節外れにも思える薄手のジャンパーの前ジッパーをだらりと開け広げ、私と視線が重なると、笑みを浮かべながらまっすぐに向かって歩いて来た。とても姿勢がいいのね、ぼんやりと思った。

　少しでも力を入れればぐしゃりと一瞬で潰れてしまいそうな薄いプラスチックのカップに、サービス、そう言いながらバーカウンターで働く友人がこぼれ落ちそうなほどに注いでくれたジントニックを口にすると、アルコールが喉を通り抜け身体を一瞬熱くする。「この味、覚えている…」独り言のように囁けば、友人が笑った。「当たり前てましょ、それジントニック。ここのジントニックさ、濃いよね。」
　歩いてくる男を見つめ、「政治家ね、興味ないわ。」という友人の言葉を軽く制止し、俯いた。近づいてくる男の２本の足を見つめ、その足が止まり、恐る恐る顔を上げると、男は左端の口角を若干右側の口角より上げて、微笑んだ。そして言った。

　「名前を教えてください。匿名希望さんでは呼びにくい。それに僕は大人です。社会通念上、名前のわからぬ人とは話は進まない。」

　抑揚の効いたはっきりとした口調で、短調というよりは長調、確実に長調の楽譜を想起させる話し方で、私の心が明るくなった。

　名乗ると、名乗って来た。道民なら知らない人の方が少ないであろう名前なのに。途端に、子供には全く興味が持てなくて、母性が欠落していると思っていた私に芽生えたのは彼への心配だった。この場所に居て、たった一人で居て、傷ついてほしくないわ、私と、私とね、隣の友人と一緒にいる所を沢山の人に見てもらって、そうすれば大丈夫よ、くだらないけれど、そういうものなの、友人はこのライブの主催者でね、私は招待客でな、そういうのに価値を見出すっていうかね、身内だけのライブだけれど、ほらね、知識人が多いっていうかね、とにかく、私たちと一緒にいる事をアピールしてね、貴方、真面目で純粋そうだしね、だから、くだらないって思うかもしれないけれど、でも、そういうものなの、そう思った。

　音が大きいな。こんな場所で話など出来ない。外に出ませんか？

　はい。外へ出る時は、腕にね、出口でスタンプを押して貰えば、再入場できますから。

　わかりました。

　彼はまるでこの世の終わりを確認するかのように深く頷いて、出口へと向かった。

コートを置いて来てしまった私には外は寒くて。
…
…
…
　帰宅し、机の上のノートパソコン立ち上げれば、自動的にWEBに繋がり、友人からスカイプ。携帯電話にipフォン、Skype、ソーシャルネットワーキングサイト、ブログ、メッセンジャー、ホームページ、スマホ、ライン、バイパー、ウェイポー、様々なツールがひしめき合うこの世の中で、Skypeが一番気に入っていた。それももう終了するという。悲しくなった。たかがツールの終了に落胆し、まるで自分がツールにでもなったような不思議な錯覚に襲われながら、ツールにコントロールされるのが人間だと思う。

「ねー、まさか、会場に戻って来なかった方ですか？怖過ぎ。年齢おいくつですか？」
「ねぇ、私、多分ね、」
「え、何ですか？ライブ会場にお戻りになられなかった方ですよね？」
「やー、ごめん🙏」
「謝って済むなら警察いりませんから。」
「ねぇ、」
「まさか、何かあったわけじゃないよね！？怖いから。年増で若い男と肉体関係とか、怖すぎるから。」
「ねぇ、」
「何よ？」
「上手く行かない気がする。今回のターゲット、道民の◯◯様をエロ小説で口説き落とせ大作戦、上手くいかない気がする。」
「どうして？」
「男性ホルモンの匂いがするの！そういうターゲット、今まで」
「あまり出会ったことがない、だよねー。」
「女性性を全く感じない。どんな人かわからない。共通点がないと、難しいよ。えー、やっばり、eyazawaのタオルとか投げたりして、バイク乗って、」
「それ、匿名希望のニィちゃんでしょ。そういうタイプではないね。」
「じゃあ、本当は26センチなのに、尖り過ぎた靴はいて、28センチくらいになって、足だけ大きい」
「それ、輩だから。そういう感じでもないね、」
「じゃあ、朝起きて身支度15分くらいでして、スポーツカーとか乗って出勤して、お仕事終わったらカラオケとか行って、髭男爵とか歌って、キャバクラ行って、」
「それ、若い間違ったエリートだから。そういうタイプでもない、」
「じゃあ、何さ！！道民の〇〇様さ何さ！？」
「…ここはね、創価さんに圧かけてもらうのが手っ取り早いよ。」
「悪くない？受付やってもらって、圧かけてもらって、最後は殺人までしてもらうって。」
「殺人事件まで起きるんだ。すごい、ドラマチックだね！頑張りな。」
「そうだね、じゃあ、第四章、いくわ。」

https://youtu.be/y6qfgwy77ms?si=k-G4q5j6Kw7BdSSo