学習型AIでゲームの難易度をユーザーの腕前にあわせる時代がやってくる

AIは他人の絵を勝手に学習させて絵を生成するAIのせいで悪い印象を持っている人もわりといるだろうが、ゲームにおいては「ゲームの難易度を学習型AIを使ってユーザーの腕前にきちんとあわせる事で、常にそのユーザーにとって適度な難易度になりそのゲームがかなり面白くなる」というメリットがある。
今後はAIによる難易度調整機能を搭載したゲームがPS6やXBOXの次世代機、任天堂の二世代先のハードで登場する事になるだろう。ハード側にAI演算用のチップを搭載して。

「プレイ中に難易度が変化していく」というのはシューティングなどではゼビウスの時代から実装されてきた機能ではあるけど、実際はユーザー一人一人の腕前にきちんとあわせて適度な難易度になっているというケースはあまり多くない。
難易度変動型シューティングの多くのケースでは「特定の人には難易度が合致したものの、多くの人にとっては難しくなりすぎたり、ぬるくなってしまう」という難点があった。
「自機が死亡しない時間の長さ」「敵の撃破率」その他いろいろなデータを元にゲーム中に難易度変更をしていっても、その難易度調整は最終的には製作者側の勘に頼るところが多く実際のユーザーの腕前に合致させるというのはなかなか難しい。
プレイヤー一人一人の腕前を細かく確認しながら都度調整していく必要があり、この部分にAIによる学習機能が必要とされている。

ソウルライクゲームのような死にゲーも「難しすぎてすごいイライラする」みたいな体験をしている人は多いだろう。
死にゲーでは同じ場所で何十回も死にまくってうんざりする人もわりと多く、これがもしAIによる難易度調整機能が実装されるようになるとプレイヤーの腕前をゲーム中詳細に観察して難易度をその都度調整していき、「常に適度な歯ごたえのある面白いゲームにする」というのを実現できるようになる。
死にゲーだからある程度の回数は死なせても、イライラが高くなりすぎない程度に敵の手を抜かせるというか。敵の攻撃の激しさやダメージや被ダメージ量その他をその都度調整して、あまり同じ場所でゲームが止まらないようにすると死にゲーのイライラは大幅に軽減される。

難易度が変動しないゲームも最近のゲームはプレイ中の好きなタイミングで難易度を変更できるものも多いが、これも実際プレイすると設定した難易度ではぬるくなったり、逆に難しすぎたりとなかなか思ったようにいっていない。

人対人の対戦で対戦格闘ゲームの接待プレイなどでは相手のだいたいの腕前を考えながら適度に手を抜くという事をして相手にとって適した難易度にしたりする人もいるかもしれないが、あんな感じで学習型のAIでプレイヤーの腕前にあわせて難易度を調整するというとわかりやすいか。

ただ、AIも万能ではなくプレイヤーがわざと手を抜いたプレイを続けたり、家族でゲーム機を使用する場合はプレイする人が変わっていくためにアカウント式で今プレイしている人をAI側に特定させるなどの処理は必要だと思う。

AI学習についてはハード単体で学習させる方式もあれば、各々のハードで学習させた難易度調整の学習データをサーバーに戻して集積してより精度の高い難易度調整機能にしてから各ハードにその学習データを戻すというのもあるだろう。

そのゲームが面白いかどうかは「そのユーザーにとって適度な難易度になっているか」がかなり関係している。
残念ながら今現在多くのゲームではユーザー一人一人の腕前にあわせた難易度に調整できているとは言い難く、ぬるかったり難しすぎたりしてゲームの面白さを損ねている。
長年課題だったこの部分がAIにより解消されるとゲームがずいぶんと面白くなるだろう。