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<知っておくべき>家庭における火事対策 第二十八回 耐火バッグは用途が限られた商品

家庭での火事を予防するためのシリーズ第二十八回。
今回は「耐火バッグは用途が限られた商品」の話です。


アマゾンとかその他のショッピングサイトでは「耐火バッグ」みたいなのがよく売られています。
「1000度以上の熱に耐えられる」とか「各種実験で耐火性能をテスト」とか「防災士が監修」みたいな宣伝文句が付いていますが、耐火バッグはわりと用途が限定された商品だという事は知っておくべきです。

耐火バッグは耐火金庫とは別の商品で、「火事の時、大事な物はこのバッグの中に入れて持ち逃げすれば、避難中に万一バッグに火が少しかかってもバッグは燃え出さない」という類の物です。
かなり用途が限定されています。

耐火バッグについては実際にテストをされて公開している人もいますので、以下の記事も読んでみましょう。(はてなブログ)


誠実なメーカーだったら「耐火バッグは持ち出し用の商品であって、耐火金庫のように一定時間火事の中でも耐えられる商品ではありません」と注釈を入れるでしょう。


また耐火金庫の方も実際は耐熱時間というのがどの商品にもあり、その耐熱時間を超えると内部の断熱材が溶けたり変形し、断熱性が無くなって中の物が燃え出してしまいます。

残念ながら多くの火事は数時間燃え続ける事があり、耐火金庫では防ぎきれない事もよくあります。

大事なデジタルデータの場合は

・クラウドに保存する(ただしデータ流出の危険もある)
・家族写真や動画は遠く離れたところに住んでいる家族とも共有する(そちらでも物理メディアでコピーを取ってもらう)

みたいな方法を使ったり、以前にも以下の記事で解説したように

耐火金庫の中に断熱式の水筒を入れ、その中にUSBメモリや印鑑などを入れる」みたいな方式だと普通の耐火金庫に入れておくだけよりも火事の際に耐えられる時間を伸ばす事ができるようになります。

サイズ的にあえば、大型の耐火金庫の中に小型の耐火金庫を入れる、という方法も。

また、一軒家である程度土地がある人限定となりますが、庭などで家から少し離れた場所に鍵つきの屋外物置(数万円で買える)を設置し、その中に大事な物を入れておくという手も使えるでしょう。

ただし、屋外物置は鍵が開けやすく窃盗被害にあったり、湿気が強い、断熱性能が低いので夏は高温になったり、冬はかなり冷えるという事もあります。
「屋外物置に大事な物が入っている」とは普通は思われないでしょうが、それでも土地の権利書とか印鑑とかその他の重要な物は屋外倉庫に保管というのは防犯面で厳しいかもしれません。

  

家庭における火事対策シリーズの第一回目はこちら
自分の大切な物や家、自分や家族の命を守るために一回目から順番に読んでいきましょう。

<知っておくべき>家庭における火事対策 第一回 序章

次回は「ペットが引き起こす色々な火事」です。